ノートアプリの定番として、Evernote がありました。最近だと、OneNote が使えます。Mac でも Windows でも Webでも、という形でマルチプラットフォームで使えて素晴らしいのですが、それぞれ弱点があります。
筆者は、今回のEvernoteの騒ぎの前から、他のアプリへの移行を進めていたのですが、今回、Evernoteを完全廃止し、OneNoteと併用する形で、DEVONthinkに移行しました。
Evernoteの代わりに、DEVONthinkを使うのは、特定の筋には強くオススメでききるので、ここでは、経緯と利点欠点について、ざっくりと、まとめておきたいと思います。
筆者のノートテークアプリの使い方
基本的に、ノートというよりは、Web Clipperのストレージとして使っている側面が強くて、80% がWebのクリッピング、15%が、メールなどでやってきたファイルとか、スキャンしたドキュメントをファイルする場所、あと 5% がメモという感じです。
デバイスとしては、Mac複数台、iPad と iPhone と AppleWatch を常時使っている感じで、AppleWatchはともかく、他のデバイスは適切に同期していないと困ります。
Evernote の強みと弱み
Evernote の強みは、どこでも使えること、1年単位の支払いで、ほぼ無制限に使える事に尽きるとおもいます。
また、同期が、ほぼ安定していることも良い点です。
一方、弱点は、個人的な理由でありますが、運営組織に対する信頼感の低下と、技術力という点の以前からの不安です。
信頼感については、ここ暫くで起こった事と、かつて起こった、収益性の確保からの様々な動きなどから来る総合的なものです。すくなくとも、lock-in されている状態は危険だと思っていました。
技術的には、 最近は落ち着いたけれど、WebClipperの動作が不安定だったこと、ある時期に、技術的な問題で同期が失敗する時間が継続して起こっていたこと(これは、サポートとやりとりして、最終的には解決)等です。
OneNote の強みと弱み
OneNote の強さは、同じく(今や)マルチプラットフォームになっこと、iPad のノートテークアプリとして、ペンも使えて便利なのは特筆に値します。
弱点は、4点。一つ目は、OneDriveに依存してるためか、同期が不安定かつ遅いこと。いつまで同期がかかるのか、さっぱり読めません。
二つ目は、Webのクリッピングで、クリップ後にテキスト選択できないのが痛いこと、iOS でクリップすると、スマホでのページサイズでクリップされてしまうこと、クリップフォーマットが他に無いことです。三つめの弱点は、一つ目と関係しますが、数百程度のエントリを作っただけで、ちっとも同期されなくなる点です。4つめの弱点は、ノートブック単位での管理で、ノートブックが多くなったり、ノートブック内のタブが多くなったりした場合に、非常に使い勝手が悪い点です。
DEVONthink
一ヶ月ほど前に、DEVONthink の使い方についてのebookが出ていることに気づき、これを使うのもありかなということで、検討を始めました。昔から、何度かトライしようかと思いつつ、それなりの値段するので躊躇してました。試しに使ってみたところ、すくなくとも Web Clip するには最高で、Evernote も OneNote (Evernote経由)もファイルをインポートできるので、最終的にコレに乗り換えました。
使い出して、まだ一月弱なので、使いこなしているとはとても言えない状態ですが、利点と思ったところを列挙します
- Safari, Chrome, Firefox 用のextensionがあって、WebArchive 形式、URL、テキスト等、様々な方式でクリップできる
- Print ダイアログから、直接PDFを作ってインポートできる
- Bookmarklet を使い、DEVONthink に PDF 生成させてクリップすることもできる
- Import機能が充実している。インストールされて同期されているEvernoteから、丸ごとファイルをインポートできる
- OCR 機能があり、ScanSnapから直接突っ込める。ただし、OCRは日本語サポートなし(残念)
- データベースを複数作れる。データベース毎に同期設定が可能
- データベース内に、階層フォルダを作れる。それと別にタグを付けられる。
- 中にあるファイルには、メタ情報がついている。たとえば、ダウンロードしたファイルをDEVONthinkに突っ込むと、参照もとのURLがメタデータとして入る
- 同期はDropbox, Box, CloudMe, WebDAVサーバ、iCloud 等から選べる。私はDropbox経由。トランザクションの過程をDropbox上に作り、DEVONthink自身がDropboxと直接通信し、同期する。Dropbox で同期されたファイルを直接いじることはないので、同期ポイントを Dropboxクライアントでは同期しないように設定することで、編集するたびに、Dropboxが同期するメッセージでイライラすることがない
- フォルダをインデックス対象とすることができる(中身をコピーしないで済む)。 私の場合は、OmniOutlinerをメモにつかっているので、このファイルを入れているフォルダをインデックスしてます。便利
- AppleScript で、Scriptableで、色々なスクリプトが提供されている。たとえば、iOSデバイスではURLをクリップしておき、Macで同期後にバッチでPDF変換とかが可能かつスクリプトが予め用意されている
- Mail.app のエクステンションを入れると、Mail.appから、メールあるいはメールボックス単位で、インポートできる。インポートは、メールメッセージとして内部では扱われる(コレ故に、Mail.appを再び使うハメに)
- インポートが安定している。Evernote -> DEVONthink は、とても安定動作しますが、一つづつノートを出力してインポートしているらしく、結構処理がシンドイです。なので、2000ノートぐらいづつインポートするのが無難に思いました。ただ、放置しておけば終わります。
OneNoteからは、一旦Evernoteにしてもってくるしかありません。Windows版のEvernoteにはOneNoteからのインポート機能があるので、それを使います。このためだけに別にアカウントを一つ掘って、一ヶ月分600円だけ課金してファイル移行しました。前のEvernote->OneNoteの地獄と考えると大変安定していて素晴らしい
欠点と思ったところ
- MacとiOSのみで、Windows、Web で使えない
- 同期は完全だが、iOSデバイスでの同期がちょっと時間かかるので鬱陶しい
- お値段
- ノートテークアプリとして考えると、少々貧弱かもしれない(機能は充分あるのだけど)
- 暗号化機能が弱い
使い方については、別途まとめようとおもいますが、上記見てメリットあると思ったら、試しに使ってみると良いでしょう。
Macユーザで、かつ、Macと心中する覚悟があるなら、試す価値はあります。