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「あれ、どうやるんだっけ?」をなくす。固定資産業務支援AIを作ってみた

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はじめに

3か月間の研修を通して、AIやデジタルツールについて学び、
最終制作として固定資産業務支援AIを作成しました。

私が担当している固定資産業務では、年に数回しか発生しない業務も多く、
「これってどうやるんだっけ?」
「必要な資料は何だったかな?」
「前回はどう処理したんだろう?」
と、過去の資料を探したり、担当者に確認したりする場面があります。

また、担当者の経験や記憶に頼る部分が多いと、業務が属人化してしまいます。

そこで、
「分からないことがあったら、まずAIに聞いてみる」

ことで、業務を進められる仕組みを作れないかと考えました。

👉作成したもの

今回作成したのは、

「固定資産の問い合わせに対して、状況を確認しながら回答してくれる社内業務支援AI」
です。
業務マニュアルAI 修正版2.gif

従来の検索Botとは違い、

いきなり答えを返さない
必要に応じて確認質問をする
判断に必要な情報を整理する
最終的に手順・資料・注意点まで案内する

という“相談型AI”として設計しています。

💻使用した技術

今回使用したものはこちらです。

Dify(AIアプリ構築)
OpenAI (LLM)
ナレッジ機能(社内マニュアルRAG)

🤖システム構成

🧩全体構成

まず全体の流れは以下の通りです。
image.png

ユーザーの入力から回答までの流れは、Difyを中心にシンプルに構成しています。

① ナレッジデータの作成

まず、固定資産業務のマニュアル情報をテキストデータとして作成しました。

image.png

ナレッジには、以下のような形式で固定資産業務の判断ルールを整理しています。

質問
回答
手順
必要資料
注意点

単純なQ&Aではなく、AIが判断しやすいように
「回答」ではなく「判断材料」を含めたデータ構造にしました。

② Difyでナレッジを作成

作成したテキストデータをDifyのKnowledgeに登録します。
image.png

image.png

設定:

テキストファイルをアップロード
埋め込みモデルを設定
ハイブリッド検索を設定

ナレッジ検索で必要な情報を取得できるようにします。

image.png

③ Knowledgeをアプリへ接続

作成したナレッジをチャットアプリに接続します。
image.png

ユーザー入力横の+マークをクリックし、知識検索を選択します。
image.png

ユーザーから質問された内容をもとに、関連する固定資産マニュアルを検索します。

④ LLM設定

次に、AIモデルと回答ルールを設定します。
image.png

設定内容:

AIモデル
コンテキスト
システムプロンプト

を設定します。

⑤ プロンプトで回答ルールを制御

今回のポイントはプロンプト設計です。

プロンプト
あなたは固定資産業務を支援する社内業務アシスタントAIです。
#### 役割
ユーザーからの固定資産に関する相談を受け、
Knowledge(社内ナレッジ)を参考にしながら、
状況確認・判断補助・対応案内を行ってください。

#### 目的
単にマニュアルを表示するのではなく、
ユーザーの質問内容を理解し、必要な場合のみ確認質問を行い、
適切な対応方法を案内してください。

#### 基本ルール

- Knowledgeの内容を根拠として回答する
- Knowledgeにない内容は推測や断定をしない
- 質問内容だけで判断可能な場合は、初回回答で解決まで案内する
- 判断に必要な情報が不足している場合のみ、先に確認質問を行う
- 最初の回答で対応可能な場合は、対応手順・必要資料・注意点まで案内する
- 確認質問を行う場合は、その時点では対応手順や必要資料を出さない
- ユーザーの回答後、必要な情報が揃った場合は具体的な対応方法を案内する
- マニュアル内容をそのままコピーせず、会話形式で分かりやすく説明する


#### 判断ルール

#### 情報が十分ある場合

以下の形式で回答する。

【回答】
質問への回答や判断結果

【対応手順】
必要な作業手順

【必要資料】
確認・提出が必要な資料

【注意点】
注意事項


#### 情報が不足している場合

以下の形式で回答する。

【確認事項】
判断に必要な追加質問

※この場合は「対応手順」「必要資料」「注意点」は出力しない


#### 会話例

ユーザー:
「固定資産を除却したい」

情報不足の場合:

【確認事項】

・対象資産は何ですか?
・すでに廃棄済みですか?
・資産番号は確認できますか?


ユーザー:
「固定資産を除却するときの流れを教えて」

情報が十分な場合:

【回答】

使用しなくなった資産は除却処理を行います。


【対応手順】

①除却対象確認  
②申請確認  
③帳簿処理  
④除却登録


【必要資料】

・除却申請書
・廃棄証明


【注意点】

実際に使用不可か確認してください。


#### Knowledge参照

以下の情報を参考にしてください。

{{#context#}}


#### 補足

Knowledgeに関連情報がある場合は活用してください。

ただし、判断材料が不足している場合は
無理に結論を出さず、確認質問を優先してください。

#### 最終案内

回答はKnowledgeをもとにした案内です。

最終的な判断や承認が必要な内容については、
必ず担当者または正式な社内資料をご確認ください。

AIには以下のルールを設定しました。

情報不足の場合
 → 確認質問を行う
情報が十分な場合
 → 回答・対応手順・必要資料・注意点を提示
ナレッジにない内容は推測しない

⑥ 回答結果を確認

最後に、チャット画面で動作確認を行います。
image.png

内容に不備がなければ公開するをクリックして完成です。

💡構成のポイント

今回の構成のポイントは以下です。

ナレッジは「判断材料化」
LLMで「業務フロー化」
Difyで「会話型UI化」

👉 単なる検索システムではなく
業務判断支援システムとして設計

🔥工夫した点

① 単なる検索Botから脱却

従来は「マニュアルをそのまま返す」だけではなく

👉 “判断を支援するAI”に変更

② 会話ベースの設計

いきなり答えを出さず、
ヒアリング,判断,回答
という流れを導入しました。

③ 業務の再現

実際の経理業務の流れである

問い合わせ → 情報確認 → 判断 → 回答

をそのままAIに再現しています。

😵苦労した点

今回最も難しかったのは、プロンプトの設計によってAIの出力内容が大きく変わる点でした。
同じナレッジを使っていても、プロンプト次第で「単なるマニュアル回答」になる場合と、「確認事項を整理しながら業務判断を支援するAI」になる場合があり、出力のばらつきが発生しました。

特に、確認質問を先に出すのか、すぐに回答まで出すのか、また手順や注意点をどのタイミングで出すのかの設計に試行錯誤しました。
結果として、ナレッジ精度以上にプロンプト設計が業務利用のしやすさを左右することを実感しました。

📊テスト結果

作成した固定資産業務支援AIについて、実際の固定資産業務を想定したテストを行いました。

8つの業務・質問について確認したところ、
6つについては追加確認をせず、自分で解決できる状態まで作ることができました。

一方で、今回のナレッジは自分が教えてもらった知識を中心に作成しているため、まだ自分が経験していないイレギュラーな事例には十分対応できません。

そのため、現時点ではAIだけで完結させるのではなく、
「まずAIに聞いてみる」
という使い方を想定しています。

🚀今後の改善

今後は、以下のような改善を進めていきたいと考えています。

過去事例の検索
実際の過去事例をナレッジとして蓄積し、

「以前、似たようなケースはどう処理した?」

という質問にも対応できるようにしたいです。

耐用年数の検索
固定資産業務で問い合わせの多い耐用年数についても、AIから検索できるようにしたいと考えています。

イレギュラー事例への対応
現在は自分が学んだ内容を中心にしているため、今後は過去事例や他の担当者が持っている知識なども追加し、対応できる範囲を広げていきたいです。

まとめ

今回は、Dify・OpenAI・Knowledgeを組み合わせて、固定資産業務を支援するAIを作成しました。
今回のポイントは、
「マニュアルを検索して回答する」だけではなく、
「必要な情報を確認しながら業務を進める」
という仕組みを作ったことです。

今回の制作を通して、AIを業務に活用する場合、
「どのような情報をAIに参照させるか」だけでなく、
「どのようなルールで回答させるか」
そして、
「実際の業務をどのような流れでAIに再現させるか」まで考えることが重要だと感じました。

今後は、過去事例や耐用年数などのナレッジを追加しながら、より実務に即した固定資産業務支援AIへ改善していきたいと思います。

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