Scrum Fest Sapporo Day 2 「未経験者中心のチームとベテラン中心チーム、Management 3.0のプラクティスはどう作用したのか?」
2020/11/07に開催されたScrum Fest Sapporoの発表です。
https://confengine.com/scrum-fest-sapporo-2020/proposal/14155/management-30
チーム参加してきました
aslead Agile のチーム「オキザリス」にて参加してきました。
チーム7人中、4人で参加して、その場で実況しつつ、記事も作っています。
アイスブレイク
これまでに最高だった上司を思い浮かべて。それはなぜかを考えよう。
こんな意見がでました
- 魚の釣り方を教えてくれる上司(答え出なく調べ方とかを教えてくれる)
- いま現在の上司
- メンバーを信頼して任せてくれる
- 失敗しても許してくれる心理的安全性がある
- 部下の提案をちゃんと聞いて受け止めてくれる
- きちんと話を聞いてくれる(頭ごなしに指摘してこない)
Management3.0 のワークショップをやってるのはステファンさんぐらいとのこと。
Management3.0とは
- 1.0
- トップダウン
- 2.0
- トップダウンアプローチは変わらない。時々間違ったアプローチを適用している。
- ノー残業デーなど「残業が発生するな!」とはいうけど、残業が発生する原因には興味がないなど
- 3.0
- マネジメントをグループの責任とする。自己組織化により高い内発的動機づけが可能になり、従業員の満足度が向上する。従業員の満足と組織目標を同時に達成する最も効率のいい方法とされています。フレームワークではなくマインドセット
現場でやってみましたという話
- Celebration Gridを使ったふりかえり
- Delegation Poker
などなど
どんな現場?
とある大手流通業の基幹システム開発のテストチーム
五月雨式にできてくる機能をどんどんテストしてゆく
システム関連系が主なテスト対象
テスト実施チーム
なんと実施者の殆どのメンバーが未経験者
先入観、知識/スキルがない
テスト設計チーム
大ベテラン。業務/システムのこともよく知っている。
運用保守の通常業務と兼任
今回の発表内容の仕事
このテストの進行をマネジメントしてくださいというのが請け負った仕事。
テストなので、前工程が遅れるとスケジュールがかなり厳しくなる。
テスト未経験のチームで進めることになるためパワーを注ぐ
未経験者だらけのチームではシステム、業務などわからないことばかり。
なのですべてがTry。進化しかないので楽しみもあった。
絶対に空気の悪いチームにはしたくなかったので以下のようなことをやってみた
- パーソナルマップを書いて自己紹介
- MovingMotivatorsで仕事のモチベータ、価値観を知る
- 心理的安全性を知らないチームだったので「やっとむさんの心理的安全性ゲーム」をやってみた
Moving Motivators
仕事におけるモチベーションって何?をお互い表明するというもの
Celebration Grid
やったことを分類。
失敗、実験、プラクティスをSuccess/Failerでマッピングしたもの
成功を祝うためのもの
プラクティスを実施した感想
- やったことを整理して評価するのはとても良いと感じた。
- また、行動から学ぶということがチームとして習慣となった。
テスト設計チームなどは大ベテランが集まっているので、お任せすれば問題なく進行すると思っていた。
実際は
・「お願いした作業」はやってくれる
・「相談すれば」答えてくれる
という感じで受け身なチームであった。
M3.0のDelegation Pokerをやってみた
- 権限移譲のレベルを合意するためのツール
- 7つのレベルで決めていく
やってみても「レベル1:決めてくれ」ばかりの受け身な意見ばかかと思ったが、ポジティブな意見が多かった。
もっと発言してくれればよいのにというジレンマ。
M3.0のプラクティスを実施したことによる気付き
メンバーは単純に「消極的」というわけではなく、「言ってもよいのか」という迷いや「ベテランに任せればよい」と考えていたということ。
Delegation Pokerで全員意思表示させることで、全員に発言を促し、考えを知ることができたのが大きな成果。
今回の仕事の中でのしくじり
ベテラン中心チームはある程度自分たちで進めることができると思い放置してしまったことであった
ワークショップ
Moving Motivators、Delegation PokerのワークショップをMURALで体験した。
PDFを無料ダウンロードできるので活用してくださいとのこと。
無料ダウンロードはこちら
Moving Motivators
やった感想
でた意見の例)
・自由、好奇心、関係性
・好奇心、関係性、需要
・受容、関係性、ゴール
このチームは好奇心や関係性を重要視するメンバーが多かった。
自分の大事ししていることを言語化することで気づけるので、改めて自分のことを分析するのにも使えそう。
また、チームメンバーのモチベーションの傾向を把握できるので、チームが成長するためにはどうアプローチをしていくべきか、という方針決めなどにも使えそうだと感じた。
Delegation Poker
やった感想
・意見がバラバラになると議論が広がって面白う
・各自の考えが強制的に言語化されるので「何も言わない」という選択肢が排除されるのがよい
・見積もりポーカーのように同時にレベルを提示するので、周りを見て同調することをさせないのがよい
感想
(チーム全員の感想をまとめています)
- 通常であれば組織の課題はリーダーなり誰かが勝手に決めるでしょ、と思いがちだが、それをチーム全体で考えるための枠組みとして提供されているのは面白い
- 「消極的」と思ってた人が実はポジティブなことを考えていることもある。やはりアウトプットすることが大事であり、無理なくアウトプットできるプラクティスは必要なんだと感じた。
- 各自の意見を引き出すためにも、M3.0のプラクティスは有効だと感じました。できればチーム立ち上げ初期に各自の意見を吸い上げて合意。その後も継続的に各自の意見を吸い上げて共有していくことで、心理的安全性のあるチームになりそうだと感じます。
- 企業の役員陣がこのプラクティスを行う場を全社員が見ることができると面白いなぁと思いました。難しいでしょうけどね。