まずは通貨について考えてみる
通貨のない世界でモノを手に入れるために機能するシステムは交換です。この交換システムの欠点は調整です。当事者同士でお互いが必要としているものを偶然持っていればニーズは満たされますがその限りではありません。ではこの問題を解決するために、信用と現金の二つのシステムが生まれました。
信用ベースのシステムと現金ベースのシステム
信用ベースのシステムは取引の段階で互いに必要なものが揃っていなくても、AさんがBさんにモノを与えへ貸しを作りBさんにその貸しを返してもらえばよいはずです。言い換えれば、BさんはAさんのほしいモノを手に入れ借りを返さなければいけません。
現金ベースのシステムはモノを売り現金を得て、得た現金でモノを買えば、個々の取引相手の買い手が現金を持っている限り、取引はどの順序で発生しても問題ありません。
2つのシステムについて考えると信用ベースのシステムは現金を分配するというブートストラップは不要だが、貸しを作った相手がリスクを引き受けます。一方、現金ベースのシステムでは、現金分配のブートストラップは必要だが、モノの価値を数値で正確に表現できます。
クレジットカード 信用問題
Webでよく使用されている決済方法はクレジットカード取引です。クレカ情報を入力して、オンラインショップに送るとオンラインショップ(販売業者)は、クレカ会社やその他仲介業者とやり取りを行います。販売業者にクレカ情報を渡しているのでセキュリティリスクになりえます。
paypalのような決済方法を利用すると、販売事業者と購入者の間に仲介企業が入る構造なので、販売事業者に直接クレカ情報を渡さなくてよいはずです。
しかしながら、現在では大半の人はクレカの情報を与えることも購入情報を集めてアクティビティを眺めている企業がいることにも慣れているはずです。
つい20年ぐらい前は、オンラインベンダーにクレカ情報を渡すことを躊躇していたはずです。評価のよくわからにオンラインベンダーにわたすなんて正気の沙汰ではなかったはずです。
だからこそ、当時仲介構造に関心が集まることになりました。
最初の仲介業者
1994年にFirstVirtualという会社が設立されました。この会社が提案したシステムは、まず、利用者はFirstVertualに利用者登録を行い、クレジットカード情報を渡します。利用者が何かオンラインで購入したい場合、販売事業者はFirstVertualに支払い情報を渡し、FirstVertualは利用者(購入者)にその支払いの確認を取り、使用者が承認すればクレジットカードに請求が回ります。当時HTTPSの暗号化プロトコルが出始めたばかりだったこともあり、このやり取りはすべて電子メールで行っていました。
仲介構造の新しいアプローチ SET
SETはFirstVirtualのシステムのように販売業者にクレカ情報を送らず、さらに、仲介業者に利用登録もしません。これはクレカ情報と取引情報を暗号化し、仲介事業者だけが複合化できるようにしたためです。また、販売事業者は送られてきた暗号化された情報には手をつけず、この情報に新たに取引情報を付与して仲介業者に転送します。仲介業者は、利用者と販売業者の取引情報が一致した場合のみ取引を成立させます。
SETがうまく機能しなかった理由
取引の暗号化のために証明書の取得を販売事業者のみならず、利用者全員が取得しなければいけなかったためです。
現金の匿名性
現金の利点の一つは、匿名性の高さです。クレカは利用者名義で発行されるので、銀行は支出を全て追跡できます。現金の支払いは銀行の出番はなく、販売業者側もあなたがだれか知る必要はありません。販売業者はポイントカードを提示させて特定しようとしてるけど、現金のみであれば追跡不可能です。
ビットコインはオンラインで買い物もでき、現金程ではないが匿名性も高いです。