この記事は2026年7月の Laravel News を、月の途中(7/7公開分まで)で先行してまとめたものだ。以降、新着が出しだいこの記事を更新していく。月末に「今月ぶんが揃った版」にする前提の、途中経過のスナップショットとして読んでほしい。
7月頭は、コア 13.18 のキュー/スケジューラまわりの運用改善に加えて、AIを本番で回すためのパッケージ(タスク化のオーケストレーションと、AIエージェント向けのAPI課金)が続いた。
出典はすべて Laravel News の各記事。バージョン番号やメソッド名は原文に合わせている。
TL;DR
- コアは 13.18。
WorkerStoppingにワーカーメトリクス、schedule:workのグレースフル停止(K8s向け)、artisan devの優先度登録。 - AI運用の層が厚くなってきた。AIタスクを同期/キュー/ストリームで回す Laravel AI Tasks、AIエージェントにAPIを従量課金する Laravel MPP(HTTP 402 Payment Required)。
- 品質とローカル開発のツールも。重複コードをCIゲート化する phpcpd-next、無料の開発スタック EnvKit。
- ※これは月内の途中経過。7月分の続きは随時この記事に追記する。
Laravel コアの進化(13.18)
13.18:ワーカーメトリクスとグレースフル停止
WorkerStopping イベントが、ワーカーがシャットダウン前に何をしたかを表す2つの値を持つようになった。jobsProcessed(生存中に処理したジョブ数)と lastJobProcessedAt(最後に処理したジョブの microtime)で、正常停止でも kill でも設定される。ジョブループを自前で計装せずに、ワーカーごとのスループットを記録できる。
use Illuminate\Queue\Events\WorkerStopping;
Event::listen(function (WorkerStopping $event) {
$event->jobsProcessed; // int|null
$event->lastJobProcessedAt; // microtime、何も処理していなければ null
});
schedule:work が SIGINT / SIGTERM / SIGQUIT を捕捉するようになった。シグナルを受けると新しいスケジュール実行の開始を止め、進行中の schedule:run の完了を待ってから終了する。queue:work と同じ挙動で、Pod が停止時に SIGTERM を受け取る Kubernetes のようなコンテナ環境で効く(実行中タスクの中断を防ぐ)。
artisan dev の dev コマンド登録が優先度ベースになった。由来(アプリ / vendor / フレームワーク)を追跡し、名前が衝突したらアプリの登録が vendor に、vendor がフレームワークに勝つ。サービスプロバイダのブート順序によらない。あわせて artisan dev は --kill-others-on-fail 付きで動き、1プロセスが落ちたら残りも止まる。
use Illuminate\Foundation\Console\DevCommands;
DevCommands::artisan('reverb:start --host="0.0.0.0"', 'reverb');
ほかに、Number::forHumans() / Number::abbreviate() / Number::fileSize() が INF / NAN でクラッシュしなくなり、HEADリクエストのキャッシュヘッダ、デバウンスジョブのキャッシュ読み取り、TaggedCache のラベル衝突などの修正が入った。
出典: https://laravel-news.com/laravel-13-18-0
注目パッケージ(テーマ別に厳選)
AI・エージェント運用
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Laravel AI Tasks:Laravel AI SDK をトランスポート層として、その周りの運用部分を足すパッケージ。AIの処理を再利用可能なタスククラスにまとめ、同期実行、キュー投入、ストリーミングの3モードで回せる。監査ログ、テナント別予算、
/ai-tasksのダッシュボードが付く。OpenAI / Anthropic / Gemini / DeepSeek / Groq / Mistral / xAI / Ollama にマルチプロバイダ対応し、実行時切替とフォールバックチェーンを持つ。キュータスクは冪等キーで重複排除される。
use Fomvasss\AiTasks\Facades\AI;
$response = AI::send(new SummarizeTask($text)); // 同期実行
$runId = AI::queue(new SummarizeTask($text)); // キュー(run ID を返す)
AI::stream(new SummarizeTask($text), function (string $chunk) {
echo $chunk; // ストリーミング
});
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Laravel MPP:Machine Payments Protocol を実装するミドルウェア。保護ルートへのアクセスをAIエージェントに課金する。支払い無しのリクエストには署名付きチャレンジ付きの
402 Payment Requiredを返し、支払えるエージェントは決済してから再試行する。決済レールは Stripe Shared Payment Tokens と Tempo pathUSD の2つ。ルート単位/従量課金、原子的なメーター制セッション、支払い前に弾くプレコンディションを持つ。MPP と Stripe SPT はまだプレビュー仕様。
Route::get('/resource', MyPaidResource::class)
->middleware('mpp:0.50,USD');
// 属性で価格を宣言することもできる(grants で1回の支払いに複数アクセスを付与)
#[RequiresPayment(amount: '5.00', currency: 'USD', grants: 10)]
public function report() { /* ... */ }
品質・CI
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phpcpd-next:PHPコードの重複(コピー&ペースト)を検出するCLI。Sebastian Bergmann のアーカイブ済み
phpcpdの後継で、同じphpcpdコマンドのドロップイン置き換え。完全一致だけでなく、行が並べ替えられた重複や、間に文が挿入/削除された Type-3 の重複も拾う。出力は console / PMD-CPD XML / JSON / SARIF 2.1.0(GitHub Code Scanning 連携)。ヘッドレスAPIと、重複をテスト表明に変える PHPUnit トレイトも同梱。PHP 8.5+、Composer実行時依存ゼロ、Laravel プリセットあり。
composer require --dev phpcpd-next/phpcpd
vendor/bin/phpcpd --preset=laravel app/Services --min-tokens=60
// PHPUnit で重複を回帰チェックにする
$this->assertNoDuplication(__DIR__ . '/../app', minTokens: 70);
ローカル開発環境
- EnvKit:Webサーバー、PHP、各種DBを1つのコントロールパネルにまとめた Windows/macOS 向けデスクトップアプリ(ベータ)。Nginx か Apache を選べ、MySQL/MariaDB、PostgreSQL、MongoDB、Redis を管理UI付きで同梱する。位置づけは無料の Herd/Laragon 代替で、Laragon プロジェクトを無変更でインポートできる。組み込みの MCP サーバーを持ち、エディタのAIアシスタントがスタック状態を読んで診断できる。プロプライエタリ(全権利留保)だが利用は無料。
今月のトレンド(途中経過)
1. AIを「作る」から「運用する」へ。 6月の USAIGE(AIリクエストのコスト可視化)に続き、7月は AIタスクをキューやストリームで回して監査ログとテナント別予算を持たせる Laravel AI Tasks が出た。生成AIを使う案件で、コスト管理と実行制御が標準の関心事になりつつある。
2. AIエージェント経済とHTTP 402。 Laravel MPP は、AIエージェントがAPIを叩く前提で、機械向けにAPIを従量課金する仕組みを最小実装で示した。まだプレビュー仕様だが、API事業やエージェント連携の企画で押さえておきたい方向性。
3. コアはキュー/スケジューラの運用改善。 13.18 は派手な新機能より、ワーカーのスループット計測と schedule:work のグレースフル停止という、コンテナ運用で効く地味な改善が中心だった。
その他の新着
今月はここまで、収録した5記事をすべてハイライトで扱った。7月分の続き(月内の新着)は、出しだいこの節や各セクションに追記していく。
まとめ
7月の Laravel は、コア(13.18)の運用改善と、AIを本番で回すためのパッケージ(AI Tasks / MPP)が立ち上がりから続いた。この記事は月内の途中経過で、以降も新着を随時足していく。月末には7月ぶんが揃った版になる予定だ。詳細は各出典リンクから。