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Microsoft Purviewとは

Microsoft Purviewを一言で言うと、社内外に散らばるデータを「見つけて・把握して・守って・正しく使わせる」ための統合データガバナンス/コンプライアンス基盤 です。

もう少し噛み砕くと、

  • どこにどんなデータがあるかを棚卸しして可視化(データマップ/カタログ)
  • 機密や個人情報を分類して、アクセスや利用ルールを管理
  • 監査・eDiscovery・DLPなどでリスク/規制対応まで一体でやる

など、「データの住所録+保管庫+ルールブック」をまとめたという感じ。

登場の経緯

Purview は最初から今の形だったわけじゃなく、「データを見つけて整理するガバナンス」と「データを守って監査するコンプライアンス」が別々に存在していた分断 を埋めるために統合されてきたサービスです。

まず Azure 側で、マルチクラウド/オンプレまで含めてデータ資産を棚卸し・可視化する 「Azure Purview」として 2021年9月にGAとなり、データカタログ/データマップの土台が整いました。

当時の解説記事を読むと、確かにAzure内に閉じた話ではあるものの、方向性は同じ。

一方で Microsoft 365 側には、機密分類・DLP・eDiscovery・監査などの情報保護/コンプライアンス機能群が別ブランドで存在していました。
そこで 2022年4月に Azure Purview と Microsoft 365 Compliance の系譜を「Microsoft Purview」へ一本化し、“見つける→理解する→分類して守る→監査まで”を一つの体験で扱える統合基盤として再編された、という流れです。

その後もAI時代の需要に合わせ、2024年9月1日に新しい Data Governance 体験(統合カタログやCopilot支援など)が GA して、統合ガバナンスの方向性がさらに強化されています。

参考:Google検索数

それでも話題になり始めたのは最近です。

  • データ統合基盤の進歩やデータレイクハウスの革新が登場し、
  • 必要性が先に叫ばれ、
  • 実装に向けて動いていく中で、
  • 少し遅れる形でガバナンスの重要性が叫ばれている

…という印象。


https://trends.google.co.jp/trends/explore?date=2021-08-01%202025-11-22&q=Microsoft%20Purview&hl=ja

利用料金

Purview の料金はちょっとクセがあって、「Microsoft 365 側のライセンス課金」と「Azure の従量課金」 が混在します。
「どの機能を」「どのデータ領域に対して」使うかで課金モデルが変わる、という前提で見るのが正しいです。

ライセンス課金(主に M365 系)

情報保護・DLP・eDiscovery・監査など “コンプライアンス寄り” の機能は、E5 などの ユーザー単位ライセンス が前提になるものがあります。

従量課金(Azure 側)

データガバナンスやデータセキュリティを Microsoft 365 外(Azure/AWS/GCP/SaaS/オンプレ)まで広げて使う場合、Azure サブスクに紐づけた従量課金が基本です。

Purview の “ガバナンス側(データカタログ/データ品質/データプロダクト)” は、
2025/1/6 から新しい従量課金モデルに切り替わりました。新モデルのポイントは2つ。

1) 「管理したデータ資産数」で課金

Purview の新しい Data Catalog では、“ガバナンス概念にひもづけた資産” だけが課金対象になります。

  • Data Map にスキャンで入っているだけの資産:課金されない
  • データプロダクトや重要データ要素として “管理対象” にした資産:課金対象

例:
500テーブルが Data Map にあるけど、200だけを「重要データ」として管理にひもづけた
課金対象は200だけ(残り300は無料枠扱い)

この設計はかなり現実的で、
「全部棚卸しはしたい。でも統治コストは重要なところにだけかけたい」
という企業の感覚に寄せられています。

2) データ品質など“ガバナンス処理”は DGPU で課金

データ品質チェックやヘルス管理のような計算が走る機能は、
DGPU(Data Governance Processing Unit)という処理単位で従量課金されます。

DGPU はPurview が1時間処理を回す計算資源の単位となっていて、
Basic / Standard / Advanced の性能SKUがあり、速く回したいほど単価も高くなるイメージです。

重要なのは、「カタログで管理する数(Governed Assets)」と「品質/ルールをどれだけ回すか(DGPU)」が別メーターで課金される ということ。

3) Data Map(クラシック)課金

一方で、現在 Classic Data Catalog(旧UI) を使っている場合は、課金は旧モデルのままです。 今から始める組織ならUnified Catalog が前提になるため、Classic Data Map のCU課金やスキャンvCore課金を気にする必要はほぼほぼないですが、切り替える組織は同意の作業が必要です。
詳細は以下。

ざっくり見積もり

2025年11月24日時点におけるPurview(Unified Catalog / 新課金モデル)について、
「まず1ドメインレベルでPoC的に始めるとき」の費用目安を算出してみました。

想定条件(PoC規模)

  • Governed Assets:200個

    • イメージ:部門が業務で本当に重要と判断したテーブルやファイルだけをCDEとして管理対象
    • 例:KPIの源泉テーブル、横断で使う基幹マスター、AI/RAGやレポートで必ず参照されるファクト、規制・監査に引っかかる可能性があるもの等
  • DGPU:20/月

    • イメージ:重要領域にだけ軽い品質ルールを週1〜日1で実行する
    • 例:特に重要領域の20資産に対して週1でNULL率とフォーマットをチェック、自由度の高い10資産に対して週3でルールを色々試す等

計算の考え方

Japan East の単価を使って、ざっくり次で見積もる。

  • Governed Assets:¥2.5 / 資産・日 → 月30日換算で ¥75/ 資産・月
  • DGPU(Basic):¥2,265 / DGPU

よって、

  • Governed Assets費
    200 × ¥75 = 約¥15000 / 月
  • DGPU費
    20 × ¥2,265 = 約¥45000 / 月

合計: 約¥60000 / 月

200資産くらいの統治と軽い品質運用なら、コストは大きく跳ねない印象です。

コスト設計の考え方

1. まずは全部スキャン⇒棚卸しする

上で述べている通り、新モデルなら “スキャンするだけ” は課金対象外です。
以前(Classic)だと、スキャンや Data Map 維持だけで CU/vCore 課金が走っていたので、
「棚卸ししたいけどコストが気になって進まない」という壁がありました。
探索フェーズのコストが0に近いのは大きいですよね。

  1. 接続できるデータソースを広めに登録して粗くスキャン
  2. Data Map 上で資産分布と自動分類(PII/機密の有無)を眺めて現状把握
  3. この段階では“Govern(管理対象化)”はしない

みたいなイメージです。

スキャンはデータソースに対して Microsoft Purview MSI 閲覧者アクセス権 を付与しないと失敗します。 他にもデータソースの所有者でない場合、またはユーザーアクセス共同作成者がいない場合、接続の作成に対する承認が求められ、スキャンは失敗します。
適切な権限が必要な作業となるので、要確認です。

2. ガバナンス対象は「重要な資産」に絞る

データ製品やCDEなど “ガバナンス概念にリンクされたテーブル/ビュー” が Governed Assets としてカウントされ、課金対象になるので、「価値/リスクが高いところだけ統治する」 のが自然に最適解になります。

  • 経営KPIや部門横断で使われる“共通の数値の源泉”
  • 個人情報/機密など規制・漏えいリスクが高い領域
  • AI/RAGやレポートで大量に再利用される基盤データ

このような “外に出た瞬間の損失が大きい or 全社価値が大きい 箇所からGovernするのが筋と思われます。

3. DGPU は「段階設計」とする

DGPU は「計算処理を回した時に消費される処理単位(60分単位)」で、Basic/Standard/Advanced の性能レベルがあります。
どの領域でもそうですが、初期から全域・高頻度・重いルールを回すと無駄が出やすいので、段階設計すると無駄が出にくいです。

とても簡単なイメージですが、

  • 探索期:週1や月1で重要領域だけ軽いルール
  • 重点期:CDE/プロダクト領域は日次に引き上げ
  • 成熟期:全社展開+自動化

のように、頻度・範囲・ルールの重さを段階的に上げるのが DGPU 最適化の王道と思われます。

4. 見積もりは公式 Pricing Calculator でやるのが確実

Purview は更新・アップデートが早く、今後もこの波は続きそうなので、
最終的な実額は公式Pricing/Calculatorで確認しましょう。

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