最近、「AIを業務にどう取り入れるか」という話題がどこでも出るようになりました。
ただ、実際に進めようとすると「トップダウンでやるべき?」「現場からボトムアップで?」といった導入スタイルの違いで迷うことも多いと思います。
この記事では、AI導入を考えるときに役立つフレームワークを2つ紹介します。
トップダウンか、ボトムアップか
まず、AI導入のスタイルには大きく2つあります。
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トップダウン型
経営層の判断で導入を目的に進めるやり方。予算や人員が確保されやすい一方で、現場とのギャップが出やすい。 -
ボトムアップ型
現場が自分たちの課題解決にAIを使い始めるやり方。小さな成功事例を積み上げやすい一方で、全社展開に時間がかかりやすい。
実際には「どちらか片方」ではなく、両者を組み合わせて進めることが多いです。やってみないとわからない部分が多いので、「トップダウンは悪い」「ボトムアップしか正しい」とは言えないのがリアルなところ。
フレームワーク①:NM法
定義
NM法(New Combination Method / 新結合法) は、「既存の要素を組み合わせることで新しいアイデアを生み出す」発想法です。
ゼロから何かを考えるのではなく、身の回りの要素や既存の仕組みを再構成することで新しい価値を見つけ出します。
なぜAIアイデアソンに向いているのか
AIの強みは「何かを全自動で置き換える」よりも、「既存の業務に組み合わせて拡張する」ことにあります。
- 「業務プロセス × AI」
- 「既存データ × AI」
- 「顧客接点 × AI」
こうした掛け合わせを考えるときに、NM法は非常に相性が良いです。AIを「単独の魔法」ではなく「既存の仕組みとの新結合」として捉えられるのがポイントです。
流れ
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要素の洗い出し
- 業務プロセス、データ、ツール、顧客接点などを列挙する。
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組み合わせを考える
- 「要素A × AI」だけでなく「要素A × 要素B × AI」など複数組み合わせもOK。
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アイデアを整理する
- 実現性・インパクト・コスト感で仕分けする。
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試作・検証
- 小さくPoC(概念実証)を回す。
注意点
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「何でもAIと掛け合わせればOK」ではない
→ 実際に業務課題がある領域を中心に考える。 -
アイデアの数=質ではない
→ 最後は優先度付けや実現可能性の見極めが重要。 -
組み合わせを“無理やり”にしない
→ 「AIありき」ではなく「課題ありき」で発想すること。
フレームワーク②:シックスハット法
定義
シックスハット法は、6種類の「思考の帽子」をかぶり替えて多面的に議論を行うフレームワークです。
- 白:事実・データ
- 赤:感情・直感
- 黒:リスク・問題点
- 黄:メリット・ポジティブ面
- 緑:創造・アイデア
- 青:議論の整理・ファシリテーション
なぜAI導入に向いているのか
AIの導入は「ワクワクする未来」と「セキュリティや精度への不安」が同居するテーマ。
シックスハット法を使えば、リスク(黒)と可能性(緑)を混ぜずに議論でき、感情論と事実論を切り分けて検討できるのが強みです。
流れ
- ファシリテーターが「今は黒の帽子で」と指定して進行。
- 参加者全員がその視点で意見を出す。
- 次に帽子を切り替えて議論を続ける。
- 青の帽子で全体を整理し、結論に近づける。
注意点
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帽子を同時にかぶらないこと
→ 「リスクを語る人」と「メリットを語る人」が同時に話すと衝突しやすい。 -
ファシリテーターの存在が必須
→ 誰かが青の帽子役を担い、議論を交通整理する。 -
時間配分に気をつける
→ 感情(赤)に時間を取りすぎると全体が重くなる。
NM法で「どんな組み合わせがあり得るか」を広げ、シックスハット法で「多面的に評価」する流れにすると、AI活用の議論がかなり進めやすくなります。
まとめ
- AI導入は トップダウン×ボトムアップのハイブリッド が現実的。
- NM法で新しい使い方を発想し、シックスハット法で多角的に検討すると議論が進みやすい。
- 「思いつき」から「戦略的な導入」へとステップアップするのに、フレームワークが役立ちます。
AI導入を「属人的な勘」ではなく「チームで話せるテーマ」に変えるのに、こうしたフレームワークはすごく便利です。ぜひ試してみてください!