TL;DR
Cursor Proプラン最高!でも気を抜くとめっちゃ請求されるよ!
誰に向けた記事か
最近Cursorに課金して、Proプランを使い始めました。
これを機に、AIコードエディターの「Cursor」のProプランを選択した後の料金体系やモデル選択について解説します。
Cursorに関する紹介記事や「ここがすごい!」の記事は多数ありますが、コスト面の記事はあまりありませんでした。私と同じ、潤沢に資金を回せる立場ではない方の役に立てればと思い、コストに特化した情報備忘録として共有します。
読んで欲しい人
- Cursor Proプランの契約を検討している方
- Proプランを使い始めたばかりで使い方を最適化したい方
- 高速リクエストと低速リクエストの違いを理解したい方
- どのAIモデルを選べばいいか迷っている方
- 月間の高速リクエスト制限に達しそうで心配な方
読まなくてもいい人
- すでにCursorを熟練レベルで利用している方
- フリープランのみを使用予定でProプランに興味がない方
- 公式ドキュメントをすでに詳細に読み込んだ方
料金プラン
まず、Cursorの基本料金体系は以下の通りです。
本記事ではProプランの内容を中心に記載しています。
Proプランの特徴
Proプランでは、以下の特典が含まれています。
- 月に500回の高速プレミアムリクエスト
- 無制限の低速プレミアムリクエスト
- 高度なAIコード生成・編集機能
- プライベートリポジトリのインデックス作成
AIコード生成機能やプライベートリポジトリ機能の詳細は本記事では割愛します。
プレミアムモデルとは?
Cursor には 「プレミアムモデル」「無料モデル」の2種類のモデルがあります。
Proプランで使用できるプレミアムモデルには以下の高性能AIモデルが含まれています。
- GPT-4、GPT-4o
- Claude 3.5/3.7 Sonnet
- Grok-2 など
特徴としては以下が挙げられます。
- 高度な性能:無料モデルよりも高精度な回答を生成
- 長いコンテキスト対応:長文や大規模なコードベースの理解が可能
- 複雑なタスク向け:より論理的な推論やプログラミング補助が得意
- エージェント機能対応:CursorのAIエージェント機能を最大限活用できる
プレミアムモデルは 月に500回の高速リクエスト と 無制限の低速リクエスト が可能です。上限を超えた場合は、追加課金が発生する場合があります。(下に詳細記述します)
プレミアムモデルの知っておきたいこと
- 有料プランのみ利用可能。無料プランでは使えない。
- 月間クォータ(使用量制限)があり、超過すると追加課金が発生する。
- モデルごとに消費リクエスト数が異なる。
プレミアムモデルの「高速リクエスト」と「低速リクエスト」
Cursorでは、プレミアムモデルを利用する際に 「高速リクエスト」 と 「低速リクエスト」 という2種類のリクエスト方式があります。
高速リクエスト
- 有料プランでのみ利用可能
- プレミアムモデルの高品質な出力
- バックエンドで最優先処理されるため、応答が迅速
- 月500回までの制限あり
低速リクエスト
- 無制限に利用可能、無料プランでも可能
- サーバー負荷が高い時間帯にはリクエストが待機列に入る可能性あり
- 出力の品質はプレミアムモデルと同じだが、応答時間が遅くなる場合あり
比較項目 | 高速リクエスト | 低速リクエスト |
---|---|---|
利用条件 | 有料プランのみ | 無料でも利用可能 |
処理速度 | 速い(優先処理) | 遅い(混雑時に待機) |
使用制限 | 月間500回まで | 無制限 |
品質 | 高品質な回答 | 同じ品質(待機時間あり) |
オススメの使い方 | 開発中のコード補完 | クォータ節約、待機OKな作業 |
基本的には高速リクエストを使いつつ、クォータを節約したいときに低速リクエストを活用するのがオススメです。
どちらも使用してみたのですが、低速リクエストがめちゃくちゃ不便ということはありませんでした。もちろん使用時間帯の状態や試したいタスクによるかと思います。
1回の使用とカウントされる操作
プレミアムモデルを使用する際、以下のような操作が 1回分のリクエストとしてカウントされます。
操作内容 | カウント例 |
---|---|
エディタ内のAI補完(コード生成) | コード補完が発生するごとに1回 |
チャットで質問する | 1回の送信(プロンプト)ごとに1回 |
エージェント機能の実行 | 各リクエストごとに1回 |
コードの説明を求める | 1つのコードブロック解析ごとに1回 |
バグ修正の提案を依頼 | 1つのリクエストごとに1回 |
リファクタリングの提案を依頼 | 1回のリクエストごとに1回 |
これが1ヶ月の間、合計500回までがプランの内容です。やってみるとわかるのですが、意外と早く無くなります。
カウントされないケース
エラーで結果が返らなかった場合 は基本的にカウントされません。ただし、部分的に処理された場合 はカウントされることがあります。
例外的にカウントされるケース
状況 | カウント有無 |
---|---|
AIがコード生成に失敗し、何も返さなかった | ❌ カウントされない |
コードが途中で切れて不完全な状態で返った** | ✅ カウントされることがある |
リクエスト自体が送信エラーになった(ネットワークエラーなど) | ❌ カウントされない |
リクエストが処理されたが、コードにバグが含まれていた | ✅ カウントされる |
長すぎるプロンプトでエラーになった(トークン制限オーバーなど) | ✅ カウントされることがある |
低速リクエストに変更する方法
以下の手順により、モデル使用を低速リクエストに制限することができます。
- Cursorのエディタを開く
- 左下の「Settings(設定)」をクリック
- 「Models」タブを選択
- 「Use Slow Requests(低速リクエストを使用)」のオプションを探す
- 「Enable Slow Requests(低速リクエストを有効にする)」をONにする
- 設定を保存(自動で適用される場合もあり)
低速リクエストを使うメリット
上記内容と重複しますが、低速リクエストを使用することで以下のメリットがあります。
- 無制限にプレミアムモデルを利用可能(回数制限なし)
- プレミアムモデルの高品質な回答を得られる(応答速度が遅くなるだけ)
- クォータ(高速リクエストの500回など)を節約できる
注意点
- 低速リクエストにすると、リクエストの処理が遅くなる(特に利用者が多い時間帯)
- 高速リクエストに戻したい場合は、同じ設定画面でオフにすればOK
- 低速リクエストは無料プランでも利用可能
利用状況の確認方法
Proプラン使用時のダッシュボードは、以下のような表示です。
今月のプレミアムモデルの使用回数を確認することができます。
こちらはアプリ上ではなく、ブラウザ上の確認です。
「Current Usage」セクションでは、履歴などの詳細も確認できます。
- 直近のリクエスト履歴
- 使用したモデル
- リクエストの種類(高速/低速)
月間500回のプレミアムモデル使用上限を超えた場合
高速リクエストの上限に達した場合、2つの選択肢があります.
- 低速リクエストとして引き続きプレミアムモデルを利用(追加料金なし)
- 使用ベースの料金設定を有効にして高速リクエストを継続(追加料金あり)
使用ベース料金設定のオンオフ方法
- Cursorアプリの右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「Settings」を選択
- 「Billing」タブに移動
- 「Enable usage-based billing」を確認
Cursorの「Enable usage-based billing」の設定をオンにすると、使用したリソースに基づいて料金が発生する仕組みになります。一方、オフにすると、固定料金制になります。
利用可能なモデル一覧
*2025/3/16現在情報
Cursorでは、様々なプロバイダーから提供される多様なAIモデルが利用可能です。
デフォルトでは人気のあるモデルたちが有効になっていますが、追加のモデルは「Cursor設定」>「モデル」から有効化できます。
モデルによって追加課金の価格も変動しますので、こちらも要確認事項です。
以下は、利用可能な主要モデルとその詳細です。
モデル名 | プロバイダー | プレミアム | エージェント対応 | 価格 |
---|---|---|---|---|
claude-3.7-sonnet | Anthropic | ✓ | ✓ | $0.04 |
claude-3.7-sonnet-thinking | Anthropic | ✓ | ✓ | $0.08 |
claude-3.5-sonnet | Anthropic | ✓ | ✓ | $0.04 |
claude-3.5-haiku | Anthropic | ✓ | $0.01 | |
gpt-4o | OpenAI | ✓ | ✓ | $0.04 |
gpt-4o-mini | OpenAI | ✓ | ||
o1 | OpenAI | $0.40 | ||
o1-mini | OpenAI | $0.10 | ||
o3-mini | OpenAI | ✓ | ✓ | $0.01 |
grok-2 | xAI | ✓ | ✓ | $0.04 |
ポイント:
-
claude-3.7-sonnet-thinking
は2倍の高速リクエストとしてカウントされます -
claude-3.5-haiku
は1/3の高速リクエストとしてカウントされるためお得です -
o3-mini
は高い推論能力を持ちながらリクエスト消費が少ないモデルです - コスト効率を重視するなら
claude-3.5-haiku
やo3-mini
がおすすめです
各モデルの特徴と得意分野
Claude系モデル
- claude-3.7-sonnet: 高度な推論と複雑なコード生成が得意
- claude-3.7-sonnet-thinking: より深い思考プロセスを示すため、複雑な問題解決に最適
- claude-3.5-sonnet: バランスの取れた性能と効率性
- claude-3.5-haiku: 高速で効率的、単純なコーディングタスクに最適
OpenAI系モデル
- gpt-4o: 汎用性が高く、幅広いコーディングタスクに対応
- gpt-4o-mini: 軽量で高速、日常的なコーディング補助に最適
- o3-mini: コスト効率が良く、基本的なコード生成や編集に最適
- o1/o1-mini: 最新の高性能モデルですが、追加料金が発生
xAI
- grok-2: 汎用AIで幅広いプログラミング言語に対応
モデルの選択方法
AI入力ボックスの下にあるドロップダウンメニューから、使用したいモデルを簡単に選択できます。表示されていないモデルがある場合は、「Cursor設定」で有効化または無効化が可能です。
自動選択モデル機能
Cursorには「自動選択モデル」機能も備わっています。
この機能は、リクエスト内容に応じて最適なAIモデルを自動的に選択してくれる仕組みです。
これによりコストを抑えつつ、高速かつ高品質な応答を得ることができます。
- タスクの内容や過去のパフォーマンスに基づいて、最適かつ安価なモデルを自動選択
- 軽い処理(短いコード補完など) → **安価なモデル(GPT-3.5など)を使用
- 複雑な処理(高度なコード生成、大規模なコンテキストを含むもの)→ 高性能モデル(GPT-4oやClaude 3.5)を使用
- 設定から無効にして常に手動選択することも可能
と言いつつ、自動選択モデルには注意点があります。
注意点
-
思ったより高性能なモデルが使われる可能性もある
→ 高度なリクエストをすると、自動的にGPT-4oやClaude 3.5が選ばれ、プレミアム回数を消費することがある。 -
コスト管理がしにくい
→ どのリクエストで何回消費したのか、明確に把握しにくい。 -
遅延の変動
→ モデルによって応答速度が変わるため、一貫性がないことがある。
コストを抑えるためのおすすめ設定
- モデルを手動で選択する(Auto SelectをOFFにする)
- 低速リクエストを活用する(Slow RequestsをONにする)
- 短い補完はGPT-3.5を使うように設定する
コストを気にするなら「Auto Select」をOFFにして、手動でモデルを選択するのがベストかと思います。
まとめ
以下、重要ポイントを整理しています。
- デフォルトでは、月500回の上限を超えると追加課金が発生する可能性がある
- 追加課金を防ぐために「Enable usage-based billing」をオフにするか、支出上限を設定する
- 急ぎでないタスクには低速リクエストを活用して節約する
- タスクの複雑さに応じて、自動選択をオフにして適切なモデルを選ぶ(簡単なタスクには軽量モデル)
- ダッシュボードで定期的にリクエスト使用状況をチェックする
Cursorの高性能AIモデルをうまく活用することで、コストを抑えながら開発効率を大幅に向上させることができます。自分の開発スタイルや予算に合わせて設定を最適化し、AIコーディング支援ツールの恩恵を最大限に受けましょう。
(使用してみた所管やできたサービスはまた別記事で記載しようと思います。)
参照
最新の情報については、以下のリソースをご参照ください: