前提
- 現在システム開発工程にPM補佐として入っているが、その際先輩から初学者向けのわかりやすい資料として教えてもらった。
- 私も先輩も東京都の関係者ではないし、本記事はPRでもない。
- 私と同じような 「システム開発・サービス開発のスタートラインに立ったばかりの方」 の役に立てると嬉しいと思い、情報共有の発信。
「サービスデザインガイド」とは
- サービス品質の再現性を高めるための機能別技術ガイドラインの1つ
- 「顧客視点でデザインする」ために必要な手順をまとめたもの
- サービスの全体像を描き、顧客視点のサービスを開発することを目指す。
以下ホームページ本文まま
「サービスデザインガイドライン」は、都のデジタルサービスの品質向上を図るため、職員が共有すべき価値観(行動規範)である「デジタル10か条」を具体的に実現し、品質の再現性を高めるための機能別技術ガイドラインの一つ として、2023年3月に策定されました。
その後、2024年3月に「ユーザーテストガイドライン」を統合した改訂版(Ver.2.0.0)をリリースしています。本ガイドラインは、職員が「顧客視点でデザインする」ために必要な手順をわかりやすくまとめたもので、「東京都サービスキャンバス」や「ユーザーテスト」を活用しながら、サービスの全体像を描き、顧客視点のサービスを開発すること を目指しています。
以下そのホームページ
東京都のサービスデザインガイドは「よくできた料理レシピ本」のようなものだなーと思っています。
料理を作るときに、単に「材料を混ぜる」とかだけではなく、
・どんな人が食べるのか
・どんな味が好まれるか
・どの順番で調理すると美味しくなるか
などを考えると思います。
東京都のサービスデザインガイドも同じで、行政サービスを提供するときに 「どうすれば都民がより使いやすく、便利に感じるか?」 を整理して考え、より良いサービスを作るための手順やコツが書かれています。
名前にデザインとついていますがUI/UXに限った話ではなく、
何かしらの"サービス"を開発する際に活きる考え方・行動 です。
ここ最近ビジネス本でも「デザイン思考」とかが流行っていますが、行政としても、これを組織的に取り組もうという意識が素晴らしいですね。
サービスデザインガイドはこちらから
このガイドのデザイン自体が綺麗すぎて、まずそこが勉強になります。
資料作成を行う立場としてもありがたい。
いくつか抜粋
開くのも時間がないという方のために、いくつか例を引用しておきます。
15p.サービス開発プロセスの全体像
47p.目指す成果の整理
63p.設計レビューのポイント
ユーザーテスト実施方法の付録
付録として、いくつかのフレームワークがついています。
これをどの現場でもそのまま実施しようとすると多少使い勝手の問題は出てくると思いますが、
あくまで思考の参考資料だと思っています。
「ここまで顧客やチームと共通認識取れていますか?」と問われている気がします。
サービスキャンパスの例
私たちはここまでできているか?
おそらくIT業界にいる大多数の方にとって、このサービスガイドデザインの内容は「そりゃそうやろ」みたいなことばかりです。基本的には既存のお手本のやり方を綺麗にわかりやすく整理しているのみで、初めて聞くやり方や画期的な手法はないと思います。
ただし、私たちが普段のプロジェクトを回していく中で、ガイドに記載されているようなところまでを考えることができていますでしょうか?
ディスカッションして、整理して、深部までチームの共通認識に落とし込むことができていますでしょうか。
おそらくできていない方も多いのではないかと思います。
それは優先順位だったり、時間のなさだったりが原因だと思います。
もちろん会社として価値を発揮するために、「期日」というものはつきものです。
スケジュールとの戦い話は本記事と趣旨がずれますが、
「こんなのやる時間もないし、だいたいみんなわかってるでしょ。」
という 暗黙知に頼る思考だけは「「「悪し!」」」 と思います。
このガイドは、行政の特性が含まれている要素もあると思いますが、ビジネスの現場でも活かせる考え方が多くあります。
考え方というよりは、意識の問題かもしれませんね。
私のような業界走りだしの人間にとって、どうしても技術のキャッチアップに時間を費やしたくなる(費やしている)ことが多いですが、こうした本質に関わるところも根底に持っておきたいなと思わされました
その他、関連情報
- デジタルサービスに係る行動指針
サービスデザインガイドの基になる「行動規範-デジタル10か条-」やその他関連分野のガイドラインが掲載されています。
- 担当者インタビュー
以下の言葉が刺さる企業・自治体は多そう。
これまで都庁では、デジタルサービスを各局がバラバラに作っている状況で、サービスの水準や品質管理が統一されていませんでした
- サービスデザインガイドを漫画形式。
読みやすくしてくれている。この手法は私が子どもの頃から変わっていないな~となんだか懐かしさも感じる。
補足
本記事の内容は筆者の個人的な見解であり、東京都の公式な意見や保証を示すものではありません。
また東京都からの依頼・報酬を受けたものではなく、筆者の自主的な調査に基づいて執筆しています。
本記事の情報をもとに生じた損害やトラブルについて、筆者は一切の責任を負いかねます。
この記事の情報は公開時点のものであり、情報は随時アップデートされています。
最新情報や内容に対する問い合わせは公式HPをご覧ください。
最後に、本記事内の画像・ロゴ・商標などは、それぞれの権利者に帰属しています。
問題がある場合はご連絡ください。