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リレー回路で信号機を再現する

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リレー回路で信号機を再現する

概要

パワーリレーとタイマーリレー、LEDを組み合わせて信号機の挙動を再現してみました。

リレー回路の写真

背景

最近PLCという機械に興味を持って調べています。PLCのプログラミングでは、「ラダー図」という記法が使われています。

ラダー図の例

このラダー図は左右に電源母線が引かれ、その間にリレーやコイルなどの回路を配置する構成になっています。物理的にリレーを組み合わせて制御回路を作成していた時代から引き継がれているそうですが、私はリレー回路というものを作ったことがありません。そこで、まずは実際に回路を組んでみようと思い立ちました。分かり易いので、自動車用信号機の制御をターゲットにします。

信号機の写真

この実験に当たっては、石橋正基著「基本からわかるシーケンス制御」という書籍が大いに参考になりました。

自動車用信号機制御のざっくりした年代軸

ちなみに、日本国内に新設される信号機をリレー回路で制御していた期間は、1920年代から1960年代までのようです。リレー制御の信号機がなくなった時期については調べられませんでした。

  • 1910〜1920年代前半
    • 電気式信号機が登場するが、多くは警官がレバーで切り替える手動式で、まだ「自動制御器」というほどのものではない。
  • 1920年代後半〜1930年代
    • タイムスイッチ(電動タイマ)や同期モータを用いた自動式コントローラが広まり、内部は電動タイマ+リレーの組み合わせで構成されるようになる。
    • 日本でも1933年に「ケーブル式協調制御(グリーンウェーブ)」が導入されており、この種のシステムは当時リレーとタイマ回路で構成されていたとされる。
  • 1930年代〜1950年代末
    • 進行方向別のタイマ、フラッシャ、歩行者用などをすべてリレー・カムタイマ・回転カムで構成した電気機械式(エレクトロメカ)コントローラが主流。
    • 日本では1938年に「系統信号制御装置」が登場し、本格的なシステマチック制御は戦前から戦後にかけて長くリレー式で行われた。
  • 1960年代
    • 1960年代に入ると各国で電子式/コンピュータ式制御への移行が始まり、トランジスタやIC、さらにはミニコンピュータを使った信号制御が出てくる。
    • 日本では1964年に「自動応答形系統信号制御装置」が登場し、以降プログラム交通制御など電子化が急速に進む。

必要資材

まとめ買いしているので正確ではありませんが、全部で¥20kほどかかりました。

品名 数量 備考
スイッチング電源 1 DC24V20A
パワーリレー 3 4回路DC24V(MY4MJ互換品)
タイマーリレー 3 4回路DC24V30秒(H3Y-4互換品)
リレーソケット 6 14ピン
DINレール 1 300mmアルミ
LED(赤) 1 24Vφ6mm
LED(黄) 1 24Vφ6mm
LED(緑) 1 24Vφ6mm
プッシュスイッチ 1 φ8mm
コード(6色) 2m 18AWG
U字端子 38 SV1.25-3

作業手順

素人なので開発の正しい手順は分かりませんが、こんな順番で作業しました。

1. タイムチャートを描く

信号機の時間順の状態変化をまとめたタイムチャートを作成します。3つのLEDを点灯させるパワーリレーを、タイマーリレーで順番に制御します。

機器 記号
パワーリレー R1, R2, R3
タイマーリレー TLR1, TLR2, TLR3
LED L1, L2, L3

タイムチャート

2. シーケンス図を描く

シーケンス図では、タイムチャートで設計した状態遷移を実現する回路をパワーリレー、タイマーリレー、LED、接点などを組み合わせて設計します。自己保持回路、タイマー回路、繰り返し動作回路といった構造を組み合わせて、必要な機能を実現します。

シーケンス図

この実験では4回路が入った14ピンのリレーを使います。リレー制御スイッチには、リレーの電磁石に通電されるとONになるメイク接点(-m)とOFFになるブレーク接点(-b)があります。リレーは端子台のついたソケットに差して結線します。

パワーリレーの写真

タイマーリレーには待機時間を設定するダイアルがついていて、電源が入ってから設定時間が経過した後にリレー制御スイッチがON(あるいはOFF)になります。電源には極性があるので注意が必要です。写真にはデジタル式のタイマーリレーも写っていますが、この実験では使いません。

タイマーリレーの写真

3. 回路図を描く

ラダー図だけで実際の回路を組むのは難しいので、回路図を作成します。ラダー図の全結線が、漏れなく反映されていることを確認します。

回路図

部材表

結線に必要なコードを作るために、コードの接続点、色、長さと本数、圧着端子の有無を部材表にまとめて確認します。

Terminals Color Code Length(mm) / Terminal type
Power, ST-BS, R1-5, R1-6, TLR1-5, R2-5,
R2-6, TLR2-5, R3-5, R3-6, TLR3-5 (11)
300(U-)x3, 50(U-U)x8
ST-BS, R1-9, TLR1-13, R2-4, TLR3-9 (5) 300(U-)x1, 200(U-U)x1, 100(U-U)x2
R2-9, TLR2-13, R3-4, TLR1-9 (4) 100(U-U)x3
R3-9, TLR3-13, R1-4, TLR2-9 (4) 200(U-U)x1, 100(U-U)x2
R1-12, R3-14 (2) 200(U-U)x1
R2-12, R1-14 (2) 100(U-U)x1
R3-12, R2-14 (2) 100(U-U)x1
R1-10, L1 (2) 300(U-U)x1
R2-10, L2 (2) 300(U-U)x1
R3-10, L3 (2) 300(U-U)x1
GND, R1-13, TLR1-13, R2-13, TLR2-13,
R3-13, TLR3-13, L1, L2, L3 (10)
300(U-)x5, 50(U-U)x5

4. 回路を組み立てる

LEDを並べて配置するシャシーを鉄板で作り、開けた穴にボタンとLEDを固定します。

リレーソケットとコネクタをDINレール上に配置し、結線します。リレーソケットの端子は上下二段になっているので、下の段を先に結線する必要があります。

結線中の写真

すべての結線が終わったら、接続ミスやショートがないかマルチメータで確認します。リレー内のブレーク接点で回り込みが発生するので、結線の確認はリレーを外した状態でないと上手くできません。問題がなければパワーリレーとタイマーリレーをリレーソケットに差し込みます。

最後に24Vのスイッチング電源を接続します。

5. 動作を確認する

プッシュスイッチを押して、リレー動作が開始され、想定通りのタイミングでLEDが切り替わっていくところを確認します。タイマーリレーの設定ダイアルを回して各LEDの点灯時間が変わることも確認します。

まとめ

元々やりたかった事から脇道に逸れた実験でしたが、なかなかに得難い体験でした。リレーがカチカチと切り替わっていく様には、電子回路にはない妙味があります。

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