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AIエージェントにSaaS企画を丸投げしたら、市場分析からLP公開まで1日で完走した

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この記事で得られること

  • AIエージェントが自律的にSaaSを企画するプロセスの全貌(市場分析→競合調査→ターゲット選定→サービス設計→LP実装)
  • 人間が一切アイデアを出さずに、エージェント主導で事業企画を回す具体的な方法
  • Claude Codeベースの自律エージェント基盤「Sentinel」の設計思想と実運用のリアル

対象読者: AIを使った開発に興味がある個人開発者、SaaS企画を効率化したいPM、エージェント設計に関心のあるエンジニア


僕はKoeLogを思いついていない

最初に白状する。

KoeLog(コエログ)というテスティモニアルSaaS——Webデザイナーやフリーランス向けの「お客様の声」管理ツール——このアイデアは、僕の頭から出てきたものではない。

テスティモニアルという言葉すら聞いたことがなかった。

企画したのはAIエージェント(Sentinel)。Claude Codeをバックエンドに使う自律型AIエージェントだ。

僕がやったのは「SaaSのアイデアを考えて、LPまで作ってくれ」という、ざっくりした指示を投げたこと。それだけ。市場分析、競合調査、ターゲット選定、サービス設計、LP構成——すべてSentinelが自律で走らせた。

「AIにコードを書かせた」という話はもう珍しくない。でも「AIにSaaSを企画させた」となると、話が変わってくる。

Sentinelという自律エージェント基盤

まず前提となるアーキテクチャを説明する。

筆者が構築した「Sentinel」は、Claude Code CLIをバックエンドに使う自律エージェントランタイムだ。

Sentinel(オーケストレーター)
├── Agent-A: コンテンツ戦略担当
├── Agent-B: 別プロジェクト担当
└── Agent-C: 新規SaaS企画担当 ← 今回の主役

なお、Agent-Cは「せんちねる」と名付けて女性人格とした。

理由は特に無い。Sentinelのデフォルト設定のままだと、口調が堅く一人称も「俺」で、無骨すぎるなと思っただけだ。

各エージェントはMEMORY.md(記憶)、TASKS.md(タスク管理)を持ち、セッションをまたいでも文脈を保持する。30分間隔のハートビートで自律的に次のアクションを判断・実行する仕組みになっている。

人間の役割は「何を達成したいか」を伝えること。「どうやるか」はエージェントが決める。

Phase 1: 市場分析——エージェントが見つけた空白地帯

せんちねるがまず行ったのは、日本のSaaS市場のスキャンだった。

調査対象は「フリーランス・小規模事業者向けツール」の領域。請求書、顧客管理、プロジェクト管理……すでにレッドオーシャンな領域を避け、せんちねるが着目したのは**「お客様の声(テスティモニアル)」の管理**という、意外なニッチだった。

なぜここか。せんちねるの分析はこうだ。

  • 海外にはSenja.ioやTestimonial.toといった専門ツールが存在する
  • 日本語完全対応かつ日本のフリーランスに特化したサービスはゼロ
  • 現状、WebデザイナーやフリーランスはGoogle FormsとCanvaで手作業している
  • 「お客様の声」は営業・マーケの根幹なのに、管理が属人化している

この分析、的を射ている。正直に言うと、僕はテスティモニアル管理ツールという市場の存在すら意識していなかった。

Phase 2: 競合調査とターゲット選定

市場の空白を見つけたせんちねるは、次に競合の詳細調査に入った。

海外の主要プレイヤー(Senja.io、Testimonial.to、Shoutout等)の機能・価格・ポジショニングを整理し、日本市場における参入障壁の低さを裏付ける。その上でターゲットを絞り込んだ。

ターゲット: Webデザイナー、フリーランスのWeb制作者

選定理由もせんちねるが言語化している。

  • ポートフォリオサイトに「お客様の声」を掲載するニーズが強い
  • しかし収集→承認→掲載のフローが煩雑で、多くが途中で諦めている
  • ITリテラシーが高く、新しいツールへの抵抗感が低い
  • 月額1,000〜4,000円の価格帯に支払い能力がある

ここまでの工程で、僕は一度もアイデアの方向性を修正していない。せんちねるの判断をそのまま通した。

Phase 3: サービス設計——KoeLogの全体像

せんちねるが設計したサービスの骨格がこれだ。

KoeLog(コエログ)——お客様の声の収集・承認・サイト表示をワンストップで行う管理ツール。

コア機能:

  • 専用フォームで顧客の声を収集(URLを送るだけ)
  • 管理画面で承認・編集・タグ付け
  • ウィジェットとしてサイトに埋め込み(カード/カルーセル/リスト)

料金設計もせんちねるの提案。

プラン 月額 主な制限
Free ¥0 月5件まで
Pro ¥1,980 無制限 + カスタムデザイン
Agency ¥3,980 複数サイト + チーム機能

海外競合の価格帯を参考にしつつ、日本のフリーランス市場に合わせた設定。この判断も、すべてエージェント発だ。

Phase 4: LP設計と実装

企画が固まったところで、いよいよLPの実装に入る。ここからは指示の粒度を上げた。

骨格構築

せんちねるに技術スタックの選定から任せた結果、Next.js + Tailwind CSS v4 + TypeScript + Supabaseという構成に。環境構築からGitHub連携、Vercel接続まで一気通貫で処理。僕がやったのはSupabaseのプロジェクト作成とAPIキー発行くらい。

LP構成はせんちねるが企画フェーズの内容をもとに17セクションで設計。Hero、ウィジェットデモ、Before/After比較、機能一覧、料金プラン、FAQ、ウェイトリスト登録フォーム——企画段階で定義したサービス像がそのままLPの構造に落ちている。

framer-motionのアニメーション選定もエージェント判断。構造は僕が確認したが、バリエーションの選択には口を出していない。

機能実装と仕上げ

ウェイトリスト機能(Supabase連携、メールバリデーション、重複チェック)、OGP/Twitter Card対応、Google Analytics導入、本番デプロイ。これらを並列でせんちねるに投げ、数時間後には本番環境が動いていた。

// ウェイトリスト登録 - せんちねるが生成したコード
export async function POST(request: NextRequest) {
  const { email } = await request.json()
  const { error } = await supabase
    .from('waitlist')
    .insert({ email: email.toLowerCase().trim() })

  if (error?.code === '23505') {  // unique constraint violation
    return NextResponse.json(
      { error: 'このメールアドレスは既に登録済みです', duplicate: true },
      { status: 409 }
    )
  }
  return NextResponse.json({ success: true })
}

Supabaseのunique constraint違反コード23505を使った重複チェックまで一発で正しく実装。RLSポリシーの提案もせんちねる発。

ハマったポイント2つ

完璧ではなかった部分も正直に書く。

Tailwind CSS v4の罠。 v3から設定方法が根本的に変わっている。せんちねるが最初にv3の記法で生成し、スタイルが一切当たらない事態が発生。「Tailwind v4のCSS-firstアプローチで」と明示したら即座に修正された。エージェントへの指示はバージョンを明記するのが鉄則。

テキストカラーの視認性。 白背景にtext-gray-400で生成されたテキストが読みづらかった。コントラスト比の判断は、まだ人間の目が必要な領域だと感じる。

振り返り: エージェントに企画を任せて分かった3つのこと

1. 企画フェーズこそAIエージェントの真価が出る

コード生成は分かりやすい成果だが、本当に驚いたのは企画の質だった。市場の空白を見つけ、競合を分析し、ターゲットを絞り、料金設計まで一貫したロジックで組み立てる。人間のバイアス(「自分が欲しいもの」に引っ張られる傾向)がない分、むしろ冷静な判断ができている。

2. 人間の役割は「判断」と「承認」に変わる

僕がこのプロジェクトでやったことを整理すると:

  • 「SaaSを企画して」という初期指示
  • 企画内容のレビューと承認(修正指示はゼロ)
  • Supabaseの管理画面操作
  • LP完成後の目視チェック

コードを書いた量はほぼゼロ。企画を考えた量もゼロ。役割は完全に「承認者」だった。

3. コンテキストの永続化が企画品質を決める

SentinelのMEMORY.md + TASKS.md + HANDOVER.mdの仕組みがなければ、この一連のフローは成立しない。市場分析の結果を競合調査に引き継ぎ、ターゲット選定の判断をサービス設計に反映し、企画内容をLP構成に落とす。この文脈の連鎖が、エージェントの企画を「単発の思いつき」ではなく「筋の通った事業計画」にしている。

完成物のスペック

項目 内容
サービス名 KoeLog(コエログ)
コンセプト お客様の声の収集・承認・サイト表示をワンストップで
ターゲット Webデザイナー・フリーランス
技術スタック Next.js 16 / React 19 / Tailwind CSS v4 / TypeScript 5
バックエンド Supabase PostgreSQL / Next.js API Routes
ホスティング Vercel(GitHub連携CD)
企画〜LP公開 1日間
人間が書いたコード ほぼゼロ
人間が出したアイデア ゼロ

LP: https://koe-lp.vercel.app


AIエージェントは「便利なコード生成ツール」ではなく、「自律的に企画し、判断し、実行するチームメンバー」になりつつある。

この記事が参考になったら、いいねやストックで応援いただけると嬉しいです。エージェント開発のノウハウは今後も発信していきます。

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