概要
Spring Bootは、データベースアクセスにSpring Dataを使用します。
Spring Dataは、JPAやMongoDBなどのデータストアへのアクセスを抽象化する層です。
自分はJPAを使います。
作らなくちゃいけないもの
Entityクラス
データベースのテーブルへ対応するクラスです。
すでにデータベースが用意されているのであれば、NetBeansの機能を使って生成するのが簡単です。
[File]>[New File]メニューから、Persistence > Entity Classes from Databaseとたどれば、データベースのテーブルからEntityクラスを生成できます。
Repositoryインターフェース
Entityを操作するインターフェースです。org.springframework.data.repository.Repository<T, ID extends Serializable>
の派生インターフェースにします。
派生インターフェースとして、あらかじめ次のものが用意されています。
インターフェース | 解説 |
---|---|
CrudRepository | 一般的なCread/Read/Update/Delete操作が定義されています |
PagingAndSortingRepository | ソートとページング付きの全検索が定義されています。CrudRepositoryを継承しています。 |
使い方
Repositoryインターフェースに対して@Autowired
等で依存しておくと、Springが自動的にプロキシインスタンスを作成してくれます。
@Component
public class SomeClass {
// ...
@Autowired
private SomeRepository someRepository;
// ...
}
あとは定義されているメソッドを呼び出せばよいです。
CRUD以外の操作をしたい
CrudRepository
にあらかじめ用意されているCRUD以外の操作をしたいときのやり方です。
方法1 - 命名規約にそったメソッドを実装
以下の命名規約にそったメソッドを実装すると、メソッド名に応じて振る舞いが用意されます。
find...By
read...By
get...By
query...By
-
stream...By
Java 8のStreamを返します。 count...By
exists...By
delete...By
remove...By
最初に出てくるBy
より後ろが検索式になります。
...
の副式部分にはDistinct
や、リレーション先のEntity名等が入ります。
検索式いろいろ
あらかじめいろいろなものが用意されています。
2016/11/11追記 【Spring Data JPA】自動実装されるメソッドの命名ルール に解説がありました。
検索式 | 例 |
---|---|
2項目をAndで結ぶ | findByFirstnameAndLastname(String lastname) |
2項目をOrで結ぶ | findByFirstnameOrLastname(String firstname, String lastname) |
2項目の間 | findByCreateDateBetween(Date since, Date to) |
After/GreaterThan | |
GreaterThanEqual | |
Before/LessThan | |
LessThanEqual | |
IsNull | |
IsNotNull | |
NotIn | |
In | |
StartingWith/EndingWith/Containing | |
NotContaining | |
Like | |
NotLike | |
大文字小文字を無視 | findByFirstnameIgnoreCase(String firstname) |
ソート |
findAllOrderByFirstnameAsc() findAllOrderByFirstnameDesc()
|
副式...
に入るもの
副式 | 解説 |
---|---|
Distinct |
SQLのDISTINCTと一緒です。 |
Top<数字> / First<数字>
|
先頭から<数字> レコード分を返します。 |
エンティティ名 | リレーション先のエンティティを返します。 |
方法2 - @Query
をつけたメソッドを実装
例えば、このようになります。
@Query("SELECT u FROM User WHERE u.firstname = :firstname")
List<User> findByFirstname(String firstname);
@Query
の中身はJPQLでよいのかな?
Spring Expression Languageも使えます。
方法3 - Customクラスを作る
命名規約やJPQLでは足りない機能を実装するときには、Customクラスを作ります。
例えば、もともとこんなRepositoryインターフェースがあったとしたら、
public interface UserRepository extends CrudRepository<User, Long> {}
まずは独自の機能をもったインターフェースを作ります。
public interface UserRepositoryCustom {
public void executeSomeOperation(User user);
}
もともとあったインターフェースに継承させます。
public interface UserRepository extends CrudRepository<User, Long>, UserRepositoryCustom {}
さらに実装を作ります。
public class UserRepostitoryImpl implements UserRepositoryCustom {
public void executeSomeOperation(User user) {
// なにか特別な処理
}
}
もう少し詳しく書きました。 > Customクラスを使用してデータベースアクセスする
テストする
Repositoryインターフェースをテストします。
テストにはHSQLデータベースを使用します。
pom.xmlを変更
テストのスターター、JDBCドライバ~~、いつものjunit~~を依存ライブラリに追加します。
2016/11/11編集 junitとhamcrestは、スターターに入っていたので不要でした。
<dependency>
<groupId>org.springframework.boot</groupId>
<artifactId>spring-boot-starter-test</artifactId>
<scope>test</scope>
</dependency>
<dependency>
<groupId>org.hsqldb</groupId>
<artifactId>hsqldb</artifactId>
<scope>test</scope>
</dependency>
テスト用アプリケーションクラスの作成
アプリケーションクラスがなければ作成します。
package com.example;
import org.springframework.boot.autoconfigure.SpringBootApplication;
import org.springframework.data.jpa.repository.config.EnableJpaRepositories;
@SpringBootApplication
@EnableJpaRepositories("com.example.repository")
public class TestApplication {
}
普通は@SpringBootApplication
だけで足りるのですが、Repositoryクラスが別にあるので@EnableJpaRepositories
を付けています。
テストクラスの作成
@RunWith
を付けて、テストランナーを指定します。
@SpringBootTest
と@Transactional
は何をやっているのかわかりません。
2016/11/17 追記 @SpringBootTest
と@Transactional
は不要でした。@DataJpaTest
を付けるだけでよいです。これをつければSQLもログ出力してくれます。
package com.example.repository;
import com.example.entity.User;
import java.util.Date;
import java.util.List;
import java.util.Optional;
import org.junit.After;
import org.junit.Before;
import org.junit.Test;
import static org.junit.Assert.*;
import org.junit.runner.RunWith;
import org.springframework.beans.factory.annotation.Autowired;
import org.springframework.boot.test.context.SpringBootTest;
import org.springframework.test.context.junit4.SpringRunner;
import org.springframework.transaction.annotation.Transactional;
@RunWith(SpringRunner.class)
@DataJpaTest
public class UserRepositoryTest {
@Autowired
private UserRepository instance;
@Before
public void setUp() {
// 初期データの用意等
}
@Test
public void testFindSomething() {
// テストを書く
}
}