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【積まれたタスクをさばく!】人事システム保守担当が実践する、「即パス」で流れを止めない効率化戦略

Last updated at Posted at 2025-12-16

この記事はLITALICO Engineers Advent Calendar 2025 カレンダー3 の16日目の記事です

はじめに

こんにちは!
LITALICOコーポレートエンジニアリング部コーポレートグループに所属している @seki_n です。
コーポレートエンジニアリング部コーポレートグループは主に社内人事システムの運用保守業務を担当しています。

皆さんは気が付いたらタスクが溜まってしまっていた!、ほかの人から業務の引継ぎを行ったところ、溜まっていたタスクがたくさん出てきた!なんてこと、ありませんか?(ありますよね)

タスクが溜まっているといっても、自分がすっかり忘れてしまっていた、誰かの確認中で止まっている、業務が立て込んでおり手が付けられない‥など様々な理由があると思います。
本記事では、私が溜まったタスクを解消する際に意識していることをご紹介したいと思います。

1.なぜ、私たちのタスクはたまり続けるのか?

弊社で利用している人事システムは、導入から数年が経過しているためメンテナンスが行き届いていない部分も多く、設定・運用に関する問い合わせ対応が私たちの日常業務の大きな部分を占めています。

私たちが対応するタスクは、大きく分けて以下の3つです。

  1. 制度改定や法改正に伴う大規模な設定追加・変更
    (年度初めや期首に1〜3人月規模の対応や、月に一件ほどの新規申請作成依頼など)
  2. 勤怠締めや給与計算期間中に発生する随時問い合わせ
  3. 日々発生する軽微〜複雑な問い合わせ
    (上司設定の修正、申請の制御や承認フローの確認、その他挙動確認など)

特に3については件数がかなり多く、1や2に比べて優先度も低いことが多いため、タスクが溜まりがちになってしまいます。
これらの対応すべきタスクの量に対して、弊社で利用している人事システムの設定知識を持つ担当者が私含め2名しかおらず、問い合わせの量に対して人が足りていないというのが現状です。
また、弊社で利用している人事システムは設定が細かく、既存設定の理解に時間がかかるため、簡単に人を増やすことも難しいという 「属人化と専門性の高さ」 というジレンマを抱えています。

2.タスク長期化の真の原因は「部門間の調整」

軽微な問い合わせであればすぐに解決しますが、タスクが長期化する要因は、主に 「他部署との連携や確認」 が必要なためです。

例えば、「この人の上司をBさんに変えてほしい」という一見軽微に見える依頼でも、単に手動で設定を変えるわけにはいきません。

  1. まず、現在の 「上司自動決定の条件」 を確認する
  2. その条件が 「現在の弊社の運用」 に合っているか、人事グループに確認する
  3. 条件修正が必要であれば対応する

このように、私たちの業務の根幹は、設定そのものよりも、 関係部署を挟んだ「条件の調整」 にあります。

私たちは人事システムの設定担当者ですが、実際にそれを利用し、運用しているのは社員や人事部門です。「どのように運用されているか」 を把握しなければ、迅速な対応は絶対にできません。
これが、私たちがタスク消化のために 「他部署の業務理解」 から始めることになったきっかけです。

3.「業務イベント」ごとのプロセス徹底理解

タスクを効率的に消化する鍵は、他部署の業務プロセスを 「業務イベント」 という単位で理解することにありました。

人事システムの設定が複雑になるのは、複数の部署が絡み合う 「ライフイベント/業務イベント」 (入社、退職、異動、休職、復職など)に対応する必要があるからです。

プロセス理解の具体例:入社イベント

担当部署 主な業務 人事システムへの影響
採用グループ 採用申請の提出 社員情報のもとになる個人情報の提供
人事グループ 申請の承認と発令発行 社員権限や社員属性の管理
給与グループ 勤怠管理と給与計算 社員情報や勤怠情報を元に勤怠管理や給与計算の実施

このように、特定の部署に焦点を当てるよりも、「入社」「退職」といったイベントを軸に、部署間の連携やデータの流れを理解することが、タスクのボトルネック解消に最も役立つのです。

業務知識の獲得方法(実態と反省)

正直なところ、体系的なヒアリングの時間を確保できてはいません。

  • 現状:「問い合わせ対応の中で、都度運用をヒアリングする」という形で、実践的に知識を積み重ねています
  • 反省: 今後は一連の流れを資料化し、俗人化解消に向けてチーム内で共有していく必要があると考えています

4.「ボールを短く持つ」ためのタスク管理術

業務分析を進めた結果、タスクが非効率になる最大の原因は、 一連の作業の中で担当部署が変わる際の「情報共有の断絶」 にあると発見しました。意図不明な作業が、下流工程(例:給与計算)に悪影響を及ぼすリスクも潜んでいます。

この状況を打開するため、私たちはタスク管理において 「自分がボールを持つ時間を短くする」 ことを最重要視しています。

タスク消化のための具体的な工夫

  1. 意図的に待ち時間を作り出す: 他部署やベンダーへの確認依頼を出すことで、 「私ボールじゃない時間」 を積極的に作り出します
  2. 隙間時間の有効活用: この待ち時間(隙間)に、別のタスクへ着手する
  3. 課題管理ツールでの徹底管理: 問い合わせ関連のタスクはすべて課題管理ツールで管理し、10〜20個同時並行になっても、常に進捗(誰がボールを持っているか)を自己把握します

この 「待ち時間を発生させる→別のタスクを処理する」 という多重対応を可能にしているのは、まさに 「部門間の業務理解」 です。業務プロセスが分かっているからこそ、どの部署に、何を、どのように確認依頼すれば、手戻りなくボールを渡せるかが分かるのです。

さいごに

この経験を通じて、私が皆さんに最も伝えたいことは、部門間の連携や業務理解は「業務効率化のための事前準備」ではなく、「タスク処理」そのものだということです。

私は、タスク消化を促進するために、 「できるだけ自分がボールを持つ時間を短くする」 ことを意識しています。

そして、そのボールを短く持つために、問題が発生したタイミングで、その原因となった部門間の連携や業務プロセスを意識的におこなうようにしています。

皆さんも、ご自身のタスクが長期化しそうな時は、ぜひ「ボールがどこで止まっているか?」、そして「その部門の業務は何で、どうなれば先に進めるか?」という視点で、他部署の業務に目を向けてみてください。

部門を超えた理解が、きっとあなたのタスク消化力向上につながるはずです。


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