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【超初心者】Apple Vision ProのUnityサンプルアプリを実機で動かしてみた

Last updated at Posted at 2024-12-24

はじめに

はじめまして!現在、社内の研究開発チームでXR領域の研究をしている上野です。
この記事では、2024年に発売されたApple Vision Pro向けアプリ開発の基礎となるUnityのPolySpatialサンプルアプリを実機で動かした体験を共有します。

Unityを用いてVision Pro向けのアプリを開発する手順は、まだ情報が少なく、手探りの部分が多いかと思います。そのため、この記事が同じように始めてみたい方の参考になれば幸いです。

今回はhttps://qiita.com/advent-calendar/2024/nes の一環として執筆しています。

Apple Vision Proとは

Apple Vision Proは、Appleが開発した次世代型の空間コンピューティングデバイスです。AR(拡張現実)とVR(仮想現実)を融合させたMR(複合現実)の体験を提供します。

発売日

  • アメリカ:2024年2月2日
  • 日本:2024年6月28日

詳しい情報は公式ページを参照してください:

Apple Vision Pro

UnityのVision Pro用テンプレートアプリを動かしてみた

今回のApple Vision Pro用のアプリ開発では、UnityのPolySpatialパッケージを使用します。このパッケージにはApple Vision Pro向けのサンプルシーンが含まれており、開発の参考になるデモが豊富です。今回はその中の一つである「BalloonGallery」を動かす手順を解説します。

開発環境

手順

  1. Unity の公式ページ( https://docs.unity3d.com/Packages/com.unity.polyspatial.visionos@1.0/manual/TutorialCreateFromTemplate.html )から visionOS Template ページに遷移し、visionOS用テンプレート(例:visionOSTemplate-2.1.2)をダウンロードします。

  2. プロジェクトの読み込み
    Unity Hubを使用して、ダウンロードしたプロジェクトを開きます:

    1. Unity HubのAdd > Add project from diskを選択。

    2. ダウンロードしたテンプレートフォルダを指定。

      image.png

  3. サンプルシーンの準備

    1. Windows > Package Managerを開き、Poly Spatialを選択。

    2. SamplesタブからUnity PolySpatial SamplesをImport。

      image (2).png

    3. サンプルシーン(例:BalloonGallery)をAssets/Samples/PolySpatial/ScenesからAssets/Scenesに移動。

      image (1).png

  4. プラットフォームの設定

    1. Edit > Build Profilesを開きます。

      image (1) (1).png

    2. visionOSタブを選択し、Switch Platformをクリック。

      image (3).png

  5. サンプルシーンをビルドに追加

    1. Scene ListでAdd Open Scenesをクリックし、使用するサンプルシーン(例:BalloonGallery)を追加。チェックボックスをオンにします。

      image (4).png

  6. Project Settingsの調整

    • Edit > Project Setting > PlayerのCompany NameとProduct Nameがデフォルトに以下のようになっているので任意のものに変更する

      image (5).png

    • Edit > Project SettingのXR Plug-in ManagementのProject ValidationのIssuesがあればFix Allをする

      image (6).png

  7. ビルドフォルダの作成

    1. Buildのためのフォルダを新しく作る。

    2. Build ProfilesからBuildする。(このときTarget SDKがDevice SDKになっていることを確認)

      image (7).png

  8. Xcodeプロジェクトの準備
    Unityでビルド後、生成されたXcodeプロジェクトをXcodeで開きます:

    • Xcode > Open Existing Projectからプロジェクトを選択。

      image (8).png

  9. Vision ProとMacのペアリング

    1. Xcode:Window > Devices and Simulatorsを開き、ペアリングを実施。
    2. Apple Vision Pro:設定>リモートデバイスから開発しているMacの選択する
    3. Xcodeにデバイスが表示されるので手順に従ってペアリングをする
    4. Apple Vision Pro:設定>プライバシーとセキュリティからデベロッパーモードをオンにする
  10. Xcodeでアプリの実行

    1. XcodeのプロジェクトでSingning & CapabilitiesのTeamをApple Developer Programに登録しているアカウントを選択する。

      image (9) (1).png

    2. Product > Scheme > Edit Schemeで、Executableをターゲットアプリケーションに変更。

  11. Edit Schemeの編集

    1. Product>Scheme>Edit Scheme

      image (10).png

    2. Run>Info>Executableをnoneからターゲットアプリケーションに変更

      image (11).png

    3. Runボタンを押してビルドを実行。

  12. 実機でアプリケーションを起動

    1. 実機上で、手動でインストールしたエンタープライズアプリの開発元への信頼を確立する

    2. 実機でアプリケーション起動

      • 以下のようなアプリが起動される

        image (13).png

まとめ

Unityを使用したApple Vision Proアプリ開発の初歩的な手順をまとめました。PolySpatialサンプルには他にも多彩なシーンが含まれており、それらを組み合わせることで独自のアプリ開発に役立てることができます。

Vision Proの可能性を探りながら、皆さんもぜひ自分のアイデアを形にしてみてください!
(※投稿内容は個人の意見であり、所属組織の公式見解ではありません。)

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