はじめまして。日本マイクロソフトのサマーインターン生の坪井星汰です!
現在は、カスタマーサクセスという部署でCloud Solution Architect (CSA) として経験を積ませていただいています。CSAの皆さんは歴戦のエンジニアの方が多く、これまでのお仕事の内容を伺うだけでも時間があっという間に過ぎてしまいますし、自分の質問にも丁寧に教えていただけるので最高の環境で成長できていると実感しています。
今日はAzureの認定資格の一つである AZ-305 という試験に合格したので、その勉強過程で思ったことをまとめて記事にしたいと思います。
本当は自分みたいにAzureを本格的に使い始めてまだ2〜3週間みたいな人間がこんな記事を書くのは気が引けるのですが、逆にそれくらいの立場の人が書くのも意味があるのではと思い筆を取りました。
試験について
AZ-305はMicrosoftの公認資格の一つで、インフラ構築や設計に関する資格です。
Azure Solution Architect Expert というバッジを貰うために必要な資格の1つで、Azureにおけるインフラ設計の方針や思想について問われる試験です。試験範囲も、ネットワーク、ストレージ、セキュリティ、ガバナンス、監視などと多岐にわたり、これらの要素をどう組み合わせてシステム全体を最適に設計するかに重点が置かれています。
実はMSのインターン生はMicrosoftの公式資格を無料で受けることができます(回数とかの条件はあるけれど)。
それで、自分はマネージャーに「インターン期間でaz-305取ります!!」と宣言をした(今思うと、「してしまった!」と言ったほうがいいかも笑)ので、なんとしてもこの夏の間に取りたかったんです。自分はAzure自体ほとんど触ったことがなくてPaaSのサービスをほんの少しという感じでした。今振り返るとかなりの挑戦でした(笑)
肝心の試験結果ですが、 844/1000 というスコアで合格することができました。わーい!僕の質問に答えてくださった社員の皆さん、本当にありがとうございます。
勉強のやり方について
詳しい勉強法はインターネットにたくさん書いてあるので割愛しますが、一応自分がやったことを簡単にまとめると以下の通りです。
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本を読んだ
Microsoft認定試験 AZ-305:Microsoft Infrastructure Solutionsの設計 テキスト&問題集 -
Udemyの過去問をやって、わからないところは Microsoft Docs を読んだ
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それでもわからなかったら AIに聞く、それでもわからなかったら詳しい人に質問する
とはいえ、それだけじゃあどうしてもしんどいです。
みなさんご存知の通りAzureには 300近くのサービスと製品 があり、それぞれに料金プランや設定があります。試験の合格には全部を網羅的に勉強する必要があります。
Azureは歴史として楽しむ!
ここでタイトルに戻ります。
僕も初めAZ-305の勉強を始めた時、絶望しました。
「範囲、広すぎだろ!!! 」
ストレージ機能ひとつとっても、マイグレーションのサービスひとつとっても10個くらいある!もしかして自分はとんでもない宣言をしてしまったのでは、と不安になりました。
そんな時に社員さんがおっしゃっていたのが、
「自分たちが初めてAzureを触った時はこんなに製品やサービスはなかったんだよね。それで自分たちが使って『これもうちょっと良くならないかなー』とか『こういう機能があったら便利なのになー』みたいに思ってたのがどんどん改善されて今に至ってる。」
というお言葉でした。
Azureは2010年に正式リリースされてから毎年どんどん新しい機能やサービスが生まれ続けています。でももちろんその変化は無秩序ではありません。そこはMicrosoft、そのすべての変化に理由があるわけです。その時に必要な需要があったから製品やサービスを開発してリリースしているんだと思います。
それなら、自分もそういう風に捉えればいいじゃないかと思い立ちました。
たとえば
ストレージ分野
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従来の Blob Storage はフラットなオブジェクトストレージで、機械学習やビッグデータ解析のような階層化・高速クエリには不向きだった
→ Data Lake Storage Gen2 が登場(階層構造・POSIX互換・大規模分析に最適化) -
アーカイブ需要の高まりから
→ ストレージアカウントの階層化(Hot, Cool, Cold, Archive) が追加
データベース分野
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「グローバル展開したいけど、SQL Database はリージョンをまたぐ SLA が弱い」
→ マルチリージョン分散・99.999% SLA を備えた Cosmos DB が誕生 -
RDBMS では扱えないスケールや柔軟なスキーマニーズが出てきた
→ NoSQL 系ワークロードの高まり に対応
ネットワーク分野
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当初はシンプルな Load Balancer しかなく、レイヤー7のルーティングやWAFは提供できなかった
→ Application Gateway の登場 -
グローバル負荷分散・SSL終端・静的コンテンツキャッシュの要望
→ Front Door が追加 -
DNS ベースのトラフィック分散はあったが、低遅延ルーティングが求められた
→ Traffic Manager
など。
もちろんそれだけで全てを乗り切れるほど甘くは無いですが、Azureを一つの歴史として捉え、クラウド活用や大規模分析、AIなど多様な技術的ニーズに合わせて発展してきた歩みを楽しむことで最後まで楽しく勉強できました!
最後に
ここまで楽しく勉強したという話を書いてきましたが、テスト前日は過去問をひたすら解き続けて、最後は詰め込みでした。気合も大事ですね。合格した時はとっても嬉しかったです。
改めて僕の質問に対応してくださった皆さん。ありがとうございました!
あと、Solution Architect Expertのバッジには AZ-104 も必要らしいですね...
知らなかったー、近日中に頑張ります
資格勉強を経て思うことですが、まだまだ本当に何にもできないです。やっぱり手を動かして試して、設計のために頭を捻る、そしてまた試す。そういう繰り返しと実務がないとなかなか実戦では使えないなぁと...
とはいえ、良いこともあります。Microsoftでは、社員の方々のミーティングに参加させていただくことが、実際の業務を知る一番の近道です。ありがたいことに、皆さん快く誘ってくださるので積極的に参加しています。
資格を取る前は、サービス名や用語すら理解できず、社員の方にできる質問も基礎的な知識レベルにとどまっていました。ですが、2週間かけて用語や基礎知識を頭に詰め込んだことで、最近はある程度内容も理解できるようになり、実務に即した具体的な質問ができるようになってきた(かもしれない)と感じます。これは資格勉強をして本当によかった点です。
実は今日がインターンも折り返し地点。ここからが正念場といったところでしょうか!僕自身まだまだやりたいことも、経験したいこともいっぱいあります。始まる前に社員さんが終わってみるとあっという間だという話をしていたのを思い出します。本当にその通りだと実感しています。
残りの時間を大事にして、ここからも頑張っていきましょう!