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都市スケールARでPLATEAUを扱うときに押さえておきたい座標の基礎

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都市スケールARでPLATEAUを扱うときに押さえておきたい座標の基礎

はじめに

都市スケールのARを作るとき、多くの場合まず考えるのは演出や体験設計です。

しかし、実在の都市に3Dモデルを正確に重ねる段階になると、避けて通れないのが「座標」の問題です。

PLATEAUの都市モデルを扱う場合、見た目の華やかさとは対照的に、非常に地味で繊細な座標処理が品質を左右します。

この記事では、実務の中で特にハマりやすかったポイントを、基礎に絞って整理します。

1. 緯度・経度は必ず「十進法度」で確認する

緯度・経度の表記には、主に次の2種類があります。

  • 度分秒形式:35°10'30"
  • 十進法度:35.175000

地図サービスや資料によっては度分秒形式で表示されることがありますが、多くの変換ツールやSDKでは十進法度での入力が前提になっています。

度分秒形式の値を十進法度として誤って扱うと、数百メートル単位で位置がずれます。

しかも、数値自体はそれらしく見えるため、原因の特定に時間がかかりがちです。

緯度・経度を扱う際は、「いま扱っている数値がどの形式なのか」を必ず確認することが重要です。

2. 平面直角座標系の「系番号」を確認する

日本の平面直角座標系は、地域ごとに複数の系に分かれています。

以下は国土地理院が公開している系番号の区分図です。

image.png
画像引用:国土地理院 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/jpc.html

たとえば、東京は第9系、大阪は第6系に属します。

この系番号を誤ると、座標そのものが大きくずれます。

平面直角座標系は、地域ごとの地平面の傾きに合わせて定義されています。都市が変われば、前提となる系も変わります。

たとえば、札幌と博多では地平面が約12.8度傾いています。これは無視できないズレです。

モデルを扱う前に、対象都市がどの系に属しているのかを確認することが基本になります。

3. 平面直角座標とUnity座標の軸は一致しない

国土地理院の平面直角座標では、

  • X軸:北方向
  • Y軸:東方向

という定義になっています。

一方、Unityのワールド座標系では、

  • X軸:東方向
  • Z軸:北方向

となります。

この対応関係を整理せずに数値をそのまま適用すると、モデルが意図しない方向に配置されたり、回転して見えたりします。

特に、オフセット値をコードで扱う場合は、どの軸がどの方向を意味しているのかを明確にしておくことが重要です。

4. メッシュの軽量化は精度とのトレードオフ

都市モデルは非常に大規模で、データ量も大きくなります。

そのため、Blenderなどでメッシュのリダクション(頂点削減)を行いたくなりますが、ここには注意が必要です。

たとえば、2km規模の都市モデルに対して0.1%の形状変形を許容した場合、理論上は最大で約2mの誤差を含むことになります。

オクルージョン用途では、この数メートルの誤差が視覚的な違和感として顕在化します。

見た目が大きく変わらないように見えても、実写映像と重ねたときにズレが目立つことがあります。

軽量化と精度のどちらを優先するのかは、用途に応じて慎重に判断する必要があります。

まとめ

都市スケールARでは、

  • 緯度・経度の表記形式
  • 平面直角座標系の系番号
  • 座標軸の対応関係
  • メッシュ精度

といった、一見すると地味な要素が体験の品質を左右します。

演出と座標処理はどちらも重要ですが、座標が不安定な状態では、どれだけ演出を磨いても意図した体験は実現できません。

PLATEAUを扱うのであれば、まずは座標の基礎を正しく押さえること。

それが、都市スケールARを成立させるための土台になります。

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