AIを利用した爆効率UP勉強方法
〜紙・画像・PDF教材を“検索可能な知識”に変える〜
はじめに
資格勉強や技術書学習で、こんな課題を感じたことはないだろうか。
紙の参考書やスキャンPDFが検索できない
「あの単語どこに書いてあったっけ?」を探すのに時間がかかる
ChatGPTに聞きたいのに、教材が画像PDFで渡せない。勉強や仕事において、そのような時間は無駄である。
本記事では、
OCR × AI を使って、既存教材を“検索・要約・質問可能な状態”に変える方法を紹介する。
実際に CCNA 教材(日本語・900ページ超)をOCRし、文字検索可能な状態とするところまでを今回は対応したので記事にする。
全体像(今回やったこと)
やったことはシンプルで、次の3ステップ。
事前準備:教材をデータ化
STEP1:OCR環境をローカルに構築
STEP2:日本語PDFを検索可能PDFに変換
STEP3:AI活用前提の教材に変換
今回利用する技術スタックは以下。
・OCRエンジン:Tesseract
・PDF OCR:ocrmypdf
・補助:Ghostscript / Python
活用先:ChatGPT、全文検索、要約
前提:なぜ OCRmyPDF を選んだか
今回教材をOCRし、文字検索する。教材には画像が埋め込まれているため精度の高いOCRが必要。また、OCR結果はテキストデータではなく、PDFで検索可能な状態とすることが、最適であるため、ocrmypdf を採用。
<理由>
・PDFを 検索可能PDFとして再生成できる
・ページ構造を壊さない
・並列処理で高速
・日本語対応が安定している
・「OCR結果のテキストだけ欲しい」ではなく、
・“教材として使い続けられるPDF” を作れるのが最大の利点。
事前準備:教材をデータ化
用意する学習教材の媒体によって、手間は異なります。
一番楽なのは「PDFデータでの購入」
正直、これが一番ラクです。
最近は技術書や資格教材でも、
最初からPDFで買えるものがあります。PDFで購入できる場合はPDFで購入しましょう。
電子書籍の場合
ちょっと手間です。今回私が勉強に利用した、教材の媒体はこちらに該当します。
電子版を購入して一枚ずつスクリーンショットを撮りながら、ページをめくっていく、、。人力です。
900ページ越えでしたが、20分ほどでできたかと思います。(1スクリーンショットにつき2ページなので450回スクリーンショット。)
あとは調べれば出てきますが、写真アプリから街頭写真を選択→共有→プリント→PDFでダウンロードですね。
※操作環境はipadです。
ここまででPDF化が完了します。1か月くらい勉強に利用するものと考えれば20分程度事前投資としては回収できる範囲かなーと思います。
Step1:環境構築(Windows想定)
必要なもの
・Python(64bit)
・Tesseract(日本語学習データ込み)
・Ghostscript(64bit)
※ すべて CLI ツール。GUI は不要。
それぞれ参考にしたサイトは以下。
https://note.com/super_koala9347/n/na888d4767c47
https://kb.seeck.jp/archives/12520
いずれも大して難しい作業ではないかな。エラーになりそうなポイントだけ以下に記載。
~エラーになりそうなポイント~
①pip が PATH に出ない問題
→ python -m pip で解決
'pip' は、内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されていません
pip自体は入っているけど PATH に出ていないだけ、というケースがほとんど。
解決策(覚えておけば一生使える)
python -m pip install ocrmypdf
pip を直接叩かず、python 経由で pip を呼ぶのが正解。これで大体すべて解決します。
できなかったら、チャッピーに聞いてね。大体教えてくれる。
② Ghostscript が無いと ocrmypdf は動かない
Ghostscript not found
ocrmypdf = Tesseract だけでは動かない。
ocrmypdf は内部で Ghostscript を使ってPDFを再構築しているので、依存関係あり。
インストールに当たって、Ghostscriptを入れてもgswin64c が通らない。PATHが通っていない。
ということになった。インストール後は、必ずこれを確認。
gswin64c --version
上記でバージョン情報がでてこなければ、ocrmypdfは動きません。
Ghostscriptをインストールしても、 gswin64c が通らない場合、おそらく環境変数問題
Ghostscript はだいたいここに入ります。
C:\Program Files\gs\gs10.xx.x\bin
このフォルダの中に、
gswin64c.exe
があれば、本体は入っています。まずは下記コマンドでフルパスで動作するか確認。
"C:\Program Files\gs\gs10.xx.x\bin\gswin64c.exe" --version
これが動けば、PATHが通っていないだけです。
やることは単純で、以下のパスを PATH に追加するだけ。
C:\Program Files\gs\gs10.xx.x\bin
<手順(Windows)>
windowsの検索窓から「環境変数」と入力。
↓
「環境変数を編集」をクリック
↓
「環境変数」→「Path」→「編集」の順にクリック
↓
新規をクリック
↓
「C:\Program Files\gs\gs10.xx.x\bin」 を入力し、OK
※上記のフォルダパスは前段で確認したインストールフォルダのパスに修正。
Step3:実際のOCR実行コマンド
今回対象にした教材:
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301.pdf
実行したコマンドはこれ。
python -m ocrmypdf -l jpn+eng ^
--deskew ^
--rotate-pages ^
--optimize 3 ^
"シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301.pdf" ^
"CCNA_200-301_OCR.pdf"
※当方はCドライブ直下にocr-workフォルダを作成し、そこで作業をしてます。
作業フォルダに移動していなければ移動してから入力しないとファイル見つからないので移動するもしくはフルパス
cd C:\ocr_work
オプションの意味
-l jpn+eng:日本語+英語混在対応
--deskew:傾き補正
--rotate-pages:自動回転
--optimize 3:品質と容量のバランス
ログで出た警告について
実行中、以下のようなログが出た。
[tesseract] lots of diacritics - possibly poor OCR
これは エラーではなく注意ログ。
図・表が多いページ
文字が小さいページ
などでよく出る。
処理は正常継続するので無視して問題なし。
正常に完了する場合は下記のようになるはず。全量終わってから、該当のファイルを開いて、文字検索が実施できるか試してください。

#事後報告
OCR後、教材は次の状態になった。
PDF内全文検索が可能
Ctrl+F で即座に該当箇所へジャンプ
ChatGPTにテキストを渡して質問・要約可能
ノートアプリにコピペして再構成可能
体感としては、
「紙の参考書」→「検索可能な知識ベース」
に変わった感覚。
AI活用との相性が爆発的に良い理由
OCR後のPDFは、
章ごとに要約させる
わからない用語だけ抜き出す
問題集部分をQ&A化する
自分用チートシートを生成する
といった AI前提の勉強が一気に可能になる。
「読む」から
「検索する」「聞く」「再構成する」学習へシフトできる。
まとめ
OCRは「スキャンを読むため」ではなく
「学習効率を最大化するため」
ocrmypdf + Tesseract で日本語教材も実用レベル
AI時代の勉強は
教材を“AIが扱える形”に変換するところから始まる
資格勉強、技術書学習、社内資料整理など、
一度環境を作ると使い回しが効くので非常におすすめ。