目次
企業での生成AI利用ガイド(1)~ガイダーAIの現場から
企業での生成AI利用ガイド(2)~RAGで「宇宙際タイヒミュラー理論」を読み解く!?
企業での生成AI利用ガイド(3)~夏目漱石と対話?社内知識ベースを活用し、AIで温故知新なるか
企業での生成AI利用ガイド(4)~2024年のAIまとめ、そして「時間と量子もつれの不思議な関係」
この1年を振り返って
この一年は毎日AIの最新情報をウェブで追いかけ、実際に音声認識や議事録作成が当たり前のように企業内でも利用されていくのを目の当たりにする1年でした。自社でも、お客様との会話や会議のほとんどは、AIに議事録をまとめてもらっています。単に発言内容の要約だけでなく、その会議の評価までAIが入れてくるのはなかなか興味深い結果です。また、今、どんなAIが企業で必要となっているのか、お客様の現場で毎日お伺いしていると、今年は過度の期待ではなく、AIができることを理解した上で実際の業務に落とし込もうとされている人が増えたことを感じていました。どうやってAIを使って営業技術を向上させ、文書を効果的に作成するのか。写真を分析する、会話音声を分析する、動画を分析する、そこから知見を取り出して、お客様にさらにより良いサービスを提供できるようにする、その手法を皆さん考えておられました。
単に人間がこれまでインターネットに蓄えてきた文字情報をAIがまとめている、ということでなく、それぞれの人の個別の状況に合ったアドバイスをしたり。あるいはAIが気を使ったり、空気を読む、そんな仕方で人を助ける現場も目にしました。アドバイスやコンサルティングなどにもさらにこれから使われていきそうです。私たちが思う以上に、これからAIは私たちにとってますます身近なものになりそうだと感じる1年でした。
会議(動画)を文字起こしするお勧めアプリ(無料のもの)
これは一番手軽で誰にでもお勧めです。
- MS365を利用している方は、Microsoft Streamに動画を入れれば、文字起こし(トランスクリプト)を作れます。
https://stream.office.com/
Microsoft Storeからダウンロードできますし、話者分離(スピーカーの判定)までできますので便利です。Whisperを使ってみたい、と言われたらまずはこれ。
- (Windowsなら) aTrain
https://apps.microsoft.com/detail/9n15q44szns2?hl=ja-jp&gl=JP
MacとWindowsの両方使っているとかいう人には
作者が日本の方。文字起こししているそばから結果が出力されてストレスが減ります。編集もできるし、よくできています。(話者分離がないので、そのうち自分で追加してプルリクしたい…)whisperのモデルを自分でダウンロードできるくらいの人が使いこなせます。
- pothook
※ちなみに、pothookで使用するモデルは下記からダウンロードできます。
https://huggingface.co/ggerganov/whisper.cpp/tree/main
AIで自分の知らない分野の論文を読む、という試み
同時に趣味としては、これまですごい論文が出たというニュース記事を見かけても読むことまではせず、そのニュース記事の解説だけで満足していたのに、今ではArxivなどの論文サイトから実際に論文を取ってきて。RAGに読み込ませ。実際にその内容についてAIと対話しながらなんとか理解しようと読み進めてみるところまで行動できるようになったのは、自分にとって大きな収穫です。例えば、以前から量子力学の最新論文を読みこみたいという気持ちがありましたが、AIを使ってだいぶそれができるようになりました。本当に内容を理解しているかどうかわかりませんが。少なくともそうした行動が起こせるようになったということは、AIを使い始めた効果として、価値があったと考えています。
一例として)
"時間は「量子もつれ」の副産物に過ぎないとする研究結果"という記事を見かける
ちょっとどういうことだろうともう少し深堀りしたくなりました。この記事には、元論文へのリンクも含まれています。
でもダウンロードするにはログインが求められてしまうので、どうしようかなーと思ったら、arxiv.org にもありました。こちらの"View PDF"からダウンロードしてみます。
https://arxiv.org/abs/2310.13386
自社で販売している gidr.ai のRAGに入れて、様々なLLMと対話してみます。いきなり例えを使って説明してくるので驚きました。
時間は単なる幻想、または感覚的なものだと主張しているのでしょうか?
提供された文脈では、時間が単なる幻想や感覚的なものだと直接的に主張しているわけではありません。ただし、文脈は量子力学における時間の扱いに焦点を当てており、特に「Page and Wootters (PaW) メカニズム」というアプローチを通じて、時間を量子観測可能量として扱う試みについて議論しています。このメカニズムでは、時間を外部パラメータとしてではなく、量子系の一部として再定義しようとしています。
文脈の中で、時間の概念が量子力学や古典物理学においてどのように扱われるべきかについての議論が展開されています。特に、時間を記録する「時計」が古典的なシステムとして記述される必要があることや、時計と進化するシステムのエネルギースケールの関係が重要であることが述べられています。
したがって、この文脈では時間が幻想であると断定するのではなく、時間の物理的な性質やその定義が量子力学の枠組みの中でどのように再解釈されるべきかを探求していると言えます。
時間を量子系の一部として再定義する、とはどういう意味ですか?高校生でも理解できるように分かりやすく教えてください。
量子力学では、時間は通常「外部のパラメータ」として扱われ、観測可能な物理量(例えば位置やエネルギーなど)とは異なります。しかし、この考え方には問題があり、「時間の問題」として知られています。これを解決するために、時間を量子系の一部として再定義しようという試みがあります。
簡単に言うと、「時間そのものを量子力学の中で扱えるようにしよう」ということです。具体的には、時間を「時計」として機能する量子系(例えば磁気系や振動子)に関連付けて考えます。この時計は、他の量子系(例えば振動する物体)の動きを記述するための基準として使われます。
例え話で説明
イメージとして、時計を持った友達(量子系C)と、動いているボール(量子系Γ)を考えてみてください。通常の物理では、時計はただの道具で、ボールの動きを記録するために使います。しかし、量子力学では、時計そのものも量子系として扱うことができます。つまり、時計とボールの両方が量子力学のルールに従って動き、互いに影響を与え合う可能性があるのです。
この考え方では、時計(時間を表すもの)とボール(動く物体)の間に特定の関係を設定することで、時間を量子力学の中で自然に定義しようとしています。
重要なポイント
時計(C)は、非常に大きなエネルギースケールを持つ「古典的な」システムとして扱われることが多いです。これにより、時間を安定して測定できるようになります。
ボール(Γ)は、量子力学的な動きをするシステムとして扱われます。
この2つのシステムが絡み合う(エンタングルする)ことで、時間と動きの関係が生まれます。
このようにして、時間を量子力学の中で再定義することで、従来の物理学と量子力学の間のギャップを埋めようとしています。
AIと2025年
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