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【Kotlin】Sequenceオブジェクト生成方法7種

Last updated at Posted at 2019-02-03

Kotlin の Sequence オブジェクトの生成方法を7種紹介します。
(2019-04-06 1種追加して6種に。)
(2019-04-13 1種追加して7種に。)

この記事で最もお伝えしたいのは、最も強力でありながら最も知られていないと思われる、sequence 関数 を使う方法です。
ぜひそこをお読みいただいて、活用していただければと思います。

asSequence 拡張関数

Sequence を使ったことがある方は皆さんご存知でしょう。
List インターフェイスなどが継承している Iterable インターフェイスや、 ArrayIntArray などの配列系クラス。それらの拡張関数 asSequence を使うことで、それらを Sequence 化できます。

    val sequence = listOf('A', 'B', 'C').asSequence()
    sequence.forEach { print(it) } // > ABC

なお、関数名は toSequence ではなく asSequence です。
asSequence 関数で生成した Sequence オブジェクトには、元となるオブジェクトへの変更が反映されます。

    val mutableList = mutableListOf('A', 'B')
    val sequence = mutableList.asSequence()
    mutableList += 'C'
    sequence.forEach { print(it) } // > ABC

toList 関数などでは、元となるオブジェクトへの変更が反映されません。
この違いが関数名に現れているのでしょう。

sequenceOf 関数

引数で与えられた要素から Sequence オブジェクトを生成します。

    val sequence = sequenceOf('A', 'B', 'C')
    sequence.forEach { print(it) } // > ABC

emptySequence 関数

空(要素数が 0)の Sequence オブジェクトを生成する関数です。
シングルトンになっているため軽量です。

ですが、引数なしで sequenceOf を使ってしまっても構いません。
要素数が 0 の場合は自動的に emptySequence() が呼ばれるようになっています

Sequence インターフェイスの拡張関数

filtermap などの、Sequence オブジェクトを加工して別の Sequence オブジェクトを生成する、Sequence インターフェイスの拡張関数です。
コレクション系の型の拡張関数と同じ感覚で使えます。

    val sequence = sequenceOf(0, 1, 2)
        .map { 'A' + it }
    sequence.forEach { print(it) } // > ABC

Sequence 関数(フェイクコンストラクター)

Sequence 型はインターフェイスなのでコンストラクターを持ちませんが、このSequence 関数をコンストラクター代わりに使うことができます。

    class CharIterator : Iterator<Char> {
        private var char = 'A'
        override fun hasNext(): Boolean = char <= 'C'
        override fun next(): Char = char++
    }

    val sequence = Sequence { CharIterator() }
    sequence.forEach { print(it) } // > ABC

Sequence インターフェイスはメンバとして、Iterator オブジェクトを返す iterator 関数だけを持っています。
Sequence 関数は引数として受け取った関数を、その iterator 関数の実体として使用します。

generateSequence 関数

要素を生成する関数1から Sequence オブジェクトを生成します。
関数が null を生成すると終端するため、要素に null を含む Sequence オブジェクトは生成できません。
また、生成した Sequence オブジェクトは一度しか使えません。
このような制約があるものの、ある程度自由に手軽に Sequence を作成できます。

    var char = 'A'
    val sequence = generateSequence {
        if (char > 'C') null
        else char++
    }
    sequence.forEach { print(it) } // > ABC
    sequence.forEach { print(it) } // IllegalStateException をスローする。

sequence 関数

本記事で最もお伝えしたい方法です。
任意の Sequence を簡単に作成できます。

    val sequence = sequence {
        var char = 'A'
        while(char <= 'C') {
            yield(char++)
        }
    }
    sequence.forEach { print(it) } // > ABC
    sequence.forEach { print(it) } // > ABC

使い方

sequence 関数の引数である関数(以下、 block と表記)の中で yield 関数を呼び出すごとに、yield 関数に引数として渡した値が、生成した Sequence オブジェクトの要素となります。
block の処理が終了すると終端します。

yield 関数を呼び出して要素を生成すると、次の要素が要求されるまで block の処理は停止します。
そのため、終わりがない数列を表す Sequence オブジェクトを生成するような場合でも、必要な計算のみが行われます。

解説

blockSequenceScope クラスをレシーバーとする拡張関数です。
したがって、block 内では this.yield(もしくは this. を省略して yield)とすることで、SequenceScope#yield メソッドを呼び出せます。

yield 関数は中断関数(suspending function)です。
中断関数は、呼び出されてから処理を返すまでの間に処理を「中断」することができます。
「中断」すると、続きの処理は非同期で行われることになります。
中断関数は Kotlin 1.3 で正式に採用された Coroutines の機能に関連するものです。詳しくはこの辺りをご覧ください。→ Coroutines Overview

例:フィボナッチ数列

    val fibonacci = sequence {
        var a = 0
        var b = 1
        while (true) {
            yield(b)
            val c = a + b
            a = b
            b = c
        }
    }
    
    fibonacci
        .take(10)
        .forEach { println(it) }
出力 ``` 1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 ```

おわりに

以上、Sequence オブジェクトの生成方法を6種紹介しました。
一通り網羅したつもりですが、他にもあればご教授ください。

  1. ラムダ式を使う場合がほとんどでしょう。

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