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SchooAdvent Calendar 2024

Day 25

経験10年以上のCTOが、入社してやったこと

Last updated at Posted at 2024-12-24

クリスマスですね!Schoo Advent Calendar2024最終日の記事になります。

今回、新卒1年目の見事なリードでAdvent Calendarが始まり、開発だけでなく様々なメンバーの協力のお陰で、とてもあたたかいカレンダーとなりました。本当にありがとうございます!

最終日は、株式会社Schoo CTO加藤からお届けさせていただきます。今年の4月より参画したのですが、それまでの10年以上のCTO経験から入社して実施したことの一部を紹介いたします。

本記事は、これからCTOとして中期的な取り組みを始められる方の参考になれば幸いです。

最初の施策として

まず、開発の中長期ビジョン策定に着手することを決定しました。短期的な目標も重要ですが、長期的な視点で方向性を定め、ビジョンに基づいた戦略的な資源配分やリスク管理を行うことが、企業の持続的な成長に不可欠だと考えたためです。具体的には、人材育成、技術投資、組織構造の最適化など、様々な側面から検討し、将来の成長を支えるための指針を確立することを目指します。

今回ご紹介する内容は、このビジョン策定の前段階として実施した『プロダクト開発と開発組織における現状分析』についてです。

なぜその施策を選んだのか?

中長期ビジョンを策定するためには、現在の状況を正確に把握し、課題を明確にすることが不可欠です。そのため、プロダクト開発と開発組織の現状分析を最も初期のステップとして実施しました。この分析を通じて、今後の開発の方向性を定めるための羅針盤となる情報を集めることを目的としました。

施策の具体的な内容(何をどのように行ったか)

プロダクト開発と開発組織では、全く要素が異なるため、それぞれで必要な項目を洗い出しました。

プロダクト開発の評価項目としては

  • チーム構成とスキルセットの現状
  • 開発プロセスの現状
  • 技術スタックとツールの現状
  • コード品質とテストの現状
  • デリバリーとリリースの現状
  • 保守と運用の現状
  • 改善とイノベーションの現状

開発組織としては

  • チーム構成の現状
  • コミュニケーションとコラボレーションの現状
  • 文化とモチベーションの現状
  • トレーニングと成長機会の現状
  • パフォーマンス評価の現状
  • リーダーシップの現状

次に、項目が荒すぎて具体に落とし辛かったため、サブ項目を設定しました。

  • プロダクト開発
項目 サブ項目
チーム構成とスキルセット チームの規模と構成
スキルマトリックス
経験と背景
多様性と包括性
教育とトレーニング
開発プロセス 開発手法の適用度
プロジェクト管理の成熟度
スプリント計画と実行の精度
技術スタックとツール 最新技術の採用度
技術的負債の有無
開発ツールの適用度
コード品質とテスト コードレビュープロセスの有無
テストカバレッジ
バグ管理
デリバリーとリリース リリース頻度
デプロイメントの安定性
リリース判定
保守と運用 運用プロセスの整備度
障害/不具合の対応/管理
改善とイノベーション フィードバックループの効率性
新技術の導入
  • 開発組織
項目 サブ項目
チーム構成 チームのサイズと役割
各メンバーの責任範囲
採用力
コミュニケーションとコラボレーション コミュニケーションの質
クロスファンクショナルなコラボレーション
内部コミュニケーションの方法
情報共有のプロセス
文化とモチベーション 社内文化の評価
社員のモチベーション向上策
トレーニングと成長機会 成長機会の提供
キャリアパスの明確化
パフォーマンス評価 評価基準の透明性
フィードバックの質
リーダーシップ リーダーシップのスタイルと評価
マネジメントの効率性

と項目を細分化したものに対して、1-5点で採点をしつつ、ヒアリングした内容や競合の調査状況も踏まえてコメントも記載していきました。

施策実施の目的(何を達成したかったか)

本施策を通しての達成したかった目的としては、以下の内容になります。

  • 現状把握
    • 現在のプロダクト開発と開発組織の詳細な評価を通じて、強みと弱みを明確にする
    • 評価項目ごとに点数化し、データに基づいた分析を行う
  • 課題の特定
    • 各評価項目における課題を具体的に特定し、影響度を評価する
    • 他社との比較を通じて、競争力の強化ポイントを明らかにする
  • 改善の方向性提示
    • 明確に特定された課題に対する改善策を提案し、実行可能なアクションプランを示す
    • 短期、中期、長期の視点での改善計画を策定するための基礎データとする
  • 将来の戦略策定への基盤構築
    • 中期(3年)の開発戦略策定のための基盤を構築し、今後の方向性を明確にする
    • 持続可能な成長を実現するための戦略的アプローチを支援する
  • 関係者への情報提供
    • 経営層や関連部署への明確な情報提供を通じて、組織全体の理解と協力を促進する

特に課題の特定には大きく寄与でき、優先順位を定めて順次課題を進めていくことが出来たと感じており、この施策の効果の大きさを実感できました。

最後に

繰り返しにはなってしまいますが、CTOとして中期的な取り組みを始められる方の参考になることを考え、内容をお伝えしました。この施策は起点となり、実施の目的に記載した通り、次のステップにつながる大きな取り組みとなります。まずは、現在地点を正しく"知る"ことがとても重要であり、この取り組みを定点で実施していくことにより、プロダクト開発と開発組織が成長しているのか、停滞しているのかなども把握することができるでしょう。皆さまが今後も良いプロダクト、良い組織作りをしていけること願ってます!最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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