#人員リソース拠出の問題
Covid-19対応をするために、臨時的なシフト勤務体制変更を余技なくされる部署が少なからずあると思います。具体的には、Covid-19用に、人員リソースを拠出し、少なくなったスタッフ人数で廻すことが求められている病棟があると思います。想定人数でやれるかどうかを判断するには、過去の知見があればよいのですが、そうでない場合、仮想的にも想定人数でのシフト勤務表を作成してみないと、なんとも言えないのではないでしょうか?
#シミュレーションによる机上検討の方法
そこで、仮想的なモデル勤務表を作成して、実際のシフト勤務表を見て検討する方法を紹介します。
#今あるプロジェクトファイルを変更して、自職場に条件を近づける
スケジュールナースのサンプルプロジェクトには、シフトパターンの標準パターンとして
1.2交代
2.3交代深準
3.3交代正循環
が入っています。国公立病院で比較的多いシフトパターンである3交代深準型を例にして、その方法を説明します。
##人員拠出前後の仕様
|項目|拠出前|拠出後(想定仕様)
|:---|:---:|:--:|--:|
|スタッフ数|看護師長含め25名(夜勤可能24名)|看護師長含め17名(夜勤可能16名) |
|休祝日の日勤数|6名|5名|
|平日の日勤者数|13名以上|9名以上|
##スケジュールナースのインストール
下記サイトよりダウンロードします。(Windows10 64ビット版でのみ動作します。)
https://www.nurse-scheduling-software.com/download.html
##サンプルプロジェクトの読み込み
下記の通り読み込みます。
##求解 動作確認
求解ボタンをクリックして動作確認を行います。
##プロジェクトファイルの変更
###検討月に合わせる
2021年3月の勤務表にします。2021年3月1日を選択して設定ボタンをクリックします。
###休み希望を組み込む
ランダム予定生成で休み希望をシミュレートします。一番上の看護師長だけは、公休日は日祝と決まっているので、予定として入力してしまいます。
休日に公休3個、平日に公休2個を入れてみました。
###休みをソフト制約とする
休み希望をハード制約としてしまうと解がないかもしれません。なので、看護師長以外は、ソフト制約とします。
###求解 人員変更前のエラー数を確認
予定制約:1の適用にチェックを入れて求解しました。
重み1のエラーが4個発生していることが分かります。4個の公休希望が通っていません。
###人員変更を行う
変更前スタッフ定義です。
変更後スタッフ定義です。上記から行削除しました。
###列制約変更を行う
夜勤人数3→2、休日人数6->5,平日日勤者数13→9
###評価
人員変更前後で、休み希望が通らなかった数は、ほぼ同じであること、他のソフトのエラーの増加も認められないことから、変更後において、勤務表を同程度の難易度で作れると推測できます。本評価は、個々のスタッフの働き方志向(例えば、
https://japanese.nurse-scheduling-software.com/publications/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%95%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%91%E3%83%86%E3%82%A3%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E9%9B%86.xlsx
)のような精緻な勤務表ではありませんが、とにかく自病棟のシフトパターンによる勤務表が出力されるのでイメージし易くなります。より精度の高い判断に結びつくのではないかと思います。
操作動画
https://www.youtube.com/watch?v=JCagRMyLqzo&feature=youtu.be
#まとめ
想定人数でのシフト勤務表例を作成し、変更前に比べ格段に難しくなることはなさそうだ、という感触を得ることができました。
上記ソフトを活用することで困っている看護師長さんの助けになるかもしれません。