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VPPとアジャイル開発の共通点

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Last updated at Posted at 2026-05-27

はじめに

こんにちは。私はこの4月から、株式会社Shizen Connectでソフトウェア開発をしております。
エネルギー業界で働くのは初めてのことで、この度のご縁があるまで、私自身、電力がどのようにして安定供給されているのかについて、あまり深く考えたことはありませんでした。弊社が得意とするVPP (Virtual Power Plant: 仮想発電所)についても知識がありませんでしたが、調べていくほどに、興味深く、やりがいのある分野であると感じています。
前職にて、5年ほど前からアジャイル開発を導入することになり、勉強と実践とを試行錯誤しながら開発を進めていました。VPPのことを学んで感じたのは、VPPとアジャイル開発の目指すところはよく似ているのではないか、ということです。


VPPとは

VPPの説明としては、資源エネルギー庁のサイトにわかりやすく説明されていたため、紹介したいと思います。
VPP・DRとは - 資源エネルギー庁 - 経済産業省

IoTを活用した高度なエネルギーマネジメント技術により、工場や家庭などに分散する需要家側 (エネルギーの消費者側) のエネルギーリソースを束ね (アグリゲーション) 、遠隔・統合制御することで、電力の需給バランス調整に活用することができます。この仕組みは、あたかも一つの発電所のように機能することから、「仮想発電所:バーチャルパワープラント(VPP)」と呼ばれています。

私たちは東日本大震災後、計画的なものも含めて幾度の停電を経験をしてきました。昨今の世界情勢の不安定化により、エネルギー資源の確保にも不安定要素があります。AIの普及増加により、電力需要は増加が見込まれる一方、太陽光発電に代表される再生可能エネルギーは、気候によっては供給が過剰となってしまうこともあります。
VPPは、IoTやAIなどのテクノロジーで蓄電池やEVなどの各リソースを繋ぎ、電力の需要と供給の予測を判断して適切に制御することで、電力の安定供給に活躍することが期待されています。
image.png


アジャイル開発とは

アジャイル開発に関しては、様々な文献が存在しますし、解釈も様々存在すると感じています。
方法論としてスクラム、カンバン、XPなどが有名ですが、そもそも「アジャイル(Agile)」=「機敏な」という言葉が示すように、周囲の情勢や顧客の要求の変化に素早く柔軟に適応しながら、より良い価値を生み出すことを目指した考え方であり、その実現方法は各々の組織で最適化されるものなのだと思います。

アジャイル開発の考え方の規範となる「アジャイルソフトウェア開発宣言(Manifesto for Agile Software Development)」というものがあります。私個人的には、開発手法がアジャイルであろうがウォーターフォールであろうが、何でもいいと思っていますが、組織で働くためのマインドを保つための教科書として、このアジャイルソフトウェア開発宣言を定期的に読み直すようにしています。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) による解説を紹介しておきます。

アジャイルソフトウェア開発宣言の読みとき方 - IPA

アジャイルソフトウェア開発宣言は、4つの価値と12の原則で構成されています。
4つの価値は、下表の左側(青字)の事柄に価値があることを認めながらも、右側(赤字)により価値をおく、というものです。
image.png

変化に強く価値を生み出せるチームであるために、大切な要素が「自律」であると私は思っています。11番目の原則にも「最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織化されたチームから生み出されます」とあります。
個々のメンバーが意識を高く持ち、お互いに連携や協調して能力を高めながら、共通の目標に対しての取り組みが継続されることにより、自律型のチームからはベストな成果が生み出されることになります。


VPPとアジャイル開発の共通点

VPPとアジャイル開発は、どちらも自律分散型(ネットワーク型)のシステムで、個々のリソースを有効活用し、協調しあうことで価値を高め、全体として最適化することを目的としているかと思います。

VPPでいうと、リソースは需要家の所有する個々の蓄電池などが該当します。各々が適切に充放電制御され、全体として巨大なパワーを生み出します。IoTやAIなどのテクノロジーで、電力の需要と供給の予測を行い、天候による発電量の変動、社会情勢や顧客のニーズの変化にも対応し、レジリエンスの高いシステムとなります。
アジャイル開発で言うと、私たち開発者もリソースの一つです。各々が自律的に活動し、協調し合うことで、大きな価値を生み出すことができます。市場の変化や不具合にも対応できます。

VPPもアジャイル開発も、予測不可能で変化の激しい環境 (VUCA: Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity) を生き抜くための理想形の一つなのかもしれません。
エネルギーインフラを考える上でも、ビジネス組織を考える上でも、同じ思想に通じる点は、面白いと思いました。

ただ一つ、アジャイル開発には大きく異なる点があると思っており、それはリソースの多くが私たち人間であることです。人はモチベーションによって能力を大きく上げることができますが、逆に下げられてしまうこともあります。良好なコミュニケーション下では相乗効果を生み、チームとしてメンバー個々の能力以上の成果を発揮することが可能になりますが、お互いの連携や協調がなければ、チームに悪影響を与えることもあります。
コスパが重視され、AIが大活躍する開発現場ではありますが、良好なコミュニケーションを大切にして、人間の底力を信じていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました!


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