市民開発を進めていたら、本を書こうと思うまでになった話
こんにちは、サヤゴンです。
今回は、市民開発者の育成について考えながら研修資料を作っていたら、気づけば
「これ、本にできるのでは?」
となり、実際に出版を目指すところまで来た話です。
まだ出版はしていませんが、本の内容や構成はある程度固まっていて、現在は実際の画面を使った手順書を作成しています。
完成後は、Kindle Unlimited対象として出版予定です。
始まりは、市民開発者向けの研修資料
最初は、Power Platformを使う市民開発者向けに、研修資料や手順書を作ろうとしていました。
でも研修を考えているうちに、一つ疑問が出てきました。
研修で一つのフローを作れるようになったら、市民開発者を育成したことになるのか?
研修では講師と一緒に作れたとしても、自分の業務に戻れば、作りたいものは人それぞれです。
そこで色々な業務をPower Automateの処理として分解してみると、業務名は違っても、使っている処理には共通点が多いことに気づきました。
たとえば、
契約期限の通知も
資格更新の通知も
設備点検日の通知も、
Power Automateで考えれば、
定期実行 → データ取得 → 日付判定 → 通知
という似た構造になります。
だったら、毎回ゼロから作らなくてもいい。
「ゼロから作らない」市民開発
そこで考えたのが、
基本レシピ → アレンジレシピ → 実務レシピ
という考え方です。
まず、
- メールを送る
- Teamsへ投稿する
- Formsの回答を取得する
- Excelからデータを取得する
といった、よく使う処理を基本レシピとして覚える。
次に、
- 条件によって処理を変える
- ○日前を判定する
- 承認結果によって処理を分ける
といったアレンジレシピを覚える。
最後に、それらを組み合わせて実際の業務フローを作る。
つまり、
基本を覚える
→ 少し変える
→ 組み合わせる
→ 自分の業務に使う
という考え方です。
ゼロから全部覚えるのではなく、
使えるものをTTPS(徹底的にパクって進化させる)。
そんな市民開発があってもいいのではないかと思いました。
市民開発者には、本来の仕事がある
市民開発者の育成というと、
- 外部研修への参加
- 社内勉強会
- コミュニティの設立
- ハンズオン
など、さまざまな方法があります。
もちろん、どれも有効な方法だと思います。
でも、市民開発者には本来の業務があります。
普段の仕事をしながら研修に参加して、勉強会にも参加して、コミュニティで情報交換して、さらに自分でも勉強する。
そこまで時間を確保するのは、なかなか難しいのではないでしょうか。
そもそも市民開発は、自分たちの業務を効率化するために行うものです。
それなのに、
業務を効率化するための市民開発を学ぶことで、別の仕事が増えてしまう。
それでは少し本末転倒です。
だから私は、
「Power Platformを勉強してから業務改善する」のではなく、
「業務改善をしながら、必要なものを覚えていく」
そんな育成方法があってもいいのではないかと考えるようになりました。
全部覚えなくてもいい。
必要になったときに必要なレシピを探す。
まず使ってみる。
自分の業務と少し違えば変えてみる。
足りなければ、別のレシピと組み合わせる。
そうやって実際に自分の業務を改善しながら、少しずつできることを増やしていく。
そんな市民開発者育成を目指しています。
研修資料を作っていたら、本になった
最初は研修資料を作るだけのつもりでした。
ところが、
基本操作 → 基本レシピ → アレンジレシピ → 実務レシピ
と整理していくうちに、どんどん内容が増えていきました。
そして気づけば、
「これ、一冊の本としてまとめられるのでは?」
と思うところまで来ていました。
現在は、本に入れる内容や構成はある程度固まっています。
あとは、初めてPower Platformを触る人でも実際に再現できるように、操作手順書を一つずつ作り込んでいく段階です。
表紙もこんな感じで作りました。長すぎてもしかしたら、3部に分けるかもですが・・・。

※表紙・タイトルは制作中のため、変更する可能性があります。
完成後は、Kindle Unlimited対象として出版予定です。
Power Platformをこれから使う方はもちろんですが、特に、
「市民開発者の育成を任されたけれど、どう育てればいいんだろう?」
と悩んでいる方にも、ぜひ読んでいただきたいと思っています。
最後に
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今回ご紹介した方法が、すべての組織にとっての正解だとは思っていません。
会社によって業務も違えば、市民開発の進め方も、育成に使える時間も違います。
でも、もしこの記事を読んで、
「これなら、うちでも実践できそうだな」
と思っていただけたなら、
すぐさま実行に移してください!!
まず一つ、よく使うフローをレシピにしてみる。
既に誰かが作ったフローがあるなら、他の人も再利用できる形にしてみる。
そして、そのレシピを少しアレンジして、別の業務にも使ってみる。
最初から完璧な研修制度を作る必要も、立派なコミュニティを作る必要もないと思っています。
小さく始めて、使って、改善して、横に広げていく。
それも、市民開発の進め方の一つだと思います。
そして、本当に出版までたどり着けたら次は、
「市民開発を進めていたら、本当に本を出版することになった話」
を書こうと思います。