※この記事は実践前の構想・備忘録です。今後、市民開発支援に携わる中で検証・更新していく予定です。
はじめに
これからPower Platformの市民開発支援に携わるにあたり、
「こんな仕組みがあったら面白いのでは?」
と考えていることを、備忘録として整理してみます。
現時点ではまだ構想段階です。
今後、実際の取り組みを通して検証しながら、内容をアップデートしていきたいと思います。
市民開発とは
市民開発(Citizen Development)とは、専門のエンジニアだけではなく、実際に業務を行っている社員自身が、ローコード/ノーコードツールなどを使って業務アプリや自動化の仕組みを作ることです。
Power Platformでは、例えば以下のようなツールを使って業務改善を行うことができます。
- Power Apps:業務アプリを作る
- Power Automate:定型業務や通知などを自動化する
- Power BI:データを可視化・分析する
市民開発の大きな特徴は、
「業務を知っている人が、自分たちで改善できる」
ことだと私は考えています。
例えば、
- 毎月同じメールを送っている
- 申請が来るたびにExcelへ転記している
- 期限が近づいたら担当者へ連絡している
こうした小さな業務課題は、実際にその仕事をしている人だからこそ気づけます。
Power Platformを使えば、その担当者自身が改善に取り組める。
これが、市民開発の面白さの一つだと思っています。
市民開発について考えるきっかけ
私が初めてPower Platformを使ったとき、最初に感じたのは、
「あれ? 思っていたより難しい……」
でした。
ローコード/ノーコードという言葉から、もっと直感的に作れるものを想像していました。
ところが実際にPower Automateを触ってみると、トリガーやアクション、動的なコンテンツなど、最初は操作にも少し慣れが必要です。
当時の私は、むしろ
「これならコードを書いた方が楽かも……」
と感じたこともありました。
もちろん、インターネットで検索すれば解説記事や動画はたくさんあります。
Power Automate自体にもテンプレートがあります。
でも初心者だった私は、
「で、どれを見ればいいの?」
「このテンプレートは自分がやりたいことに使えるの?」
「動画を最初から見るのも大変……」
と思ってしまいました。
情報がないわけではありません。
むしろ、情報はたくさんあるのに、自分が必要としている情報にたどり着くまでに時間がかかる。
ここに、市民開発を進めるうえでの一つのハードルがあるのではないかと考えました。
全員がゼロから作る必要はある?
そして、もう一つ疑問に思ったことがあります。
「市民開発者全員が、毎回ゼロから調べて、ゼロから作る必要ってあるのだろうか?」
例えば、
- Formsに回答があったらメールを送る
- 申請があったら承認を依頼する
- 期限が近づいたらTeamsで通知する
業務そのものは違っても、フローの基本的な構造が似ていることはあります。
これを料理に例えるなら、毎回材料を一から揃えて、レシピを調べて、下ごしらえから始めなくてもいいと思うんです。
忙しいときには、
「レンジで温めるだけ」
「お湯を入れるだけ」
くらい簡単に作れるものが欲しい。
Power Platformも同じように、
「このフローを使いたいなら、ここだけ変えればOK」
くらいの状態から始められたら、もっと気軽に市民開発に取り組めるのではないでしょうか。
だったら、すでに誰かが作った良いフローを参考にして、自分の業務に必要な部分だけ変更して使えるようにしたら、もっと市民開発のハードルを下げられるのではないか。
そこで考えたのが、
「TTPS」の考え方を市民開発に取り入れることです。
TTPSとは?
TTPSとは、
TTP:徹底的にパクる
そして、
S:進化させる
という考え方です。
「パクる」と言うと、少し聞こえが悪いかもしれません。
もちろん、ここで言いたいのは誰かの成果をそのまま自分のものにする、ということではありません。
すでにある良い仕組みを参考にして、自分の業務に合わせて改善・発展させていく。
毎回ゼロから考えるのではなく、すでにある知識や仕組みを再利用するという考え方です。
これをPower Platformの市民開発にも取り入れられないだろうか。
そこから考え始めたのが、
ゼロから作らない。TTPSで育てるPower Platform市民開発
という構想です。
今回は、TTPS型市民開発を考えるようになったきっかけについて整理しました。
次回は、この考え方をPower Platformでどう実現するのか、「フローレシピ」やナレッジ共有の仕組みについて、もう少し具体的に考えてみたいと思います。
まだ実践前の構想段階なので、実際に取り組んでみて「全然違った!」となるかもしれません。
それも含めて、今後記録していければと思います。