同じアプリをAndroidとiOSで出したら、広告収益に120倍の差がついた話
はじめに
個人開発の宝くじアプリ「当選祈願」をAndroidとiOSの両方でリリースしています。
同じアプリ、同じ広告SDK(AdMob)、同じ広告フォーマット。なのに、広告収益に圧倒的な差が生まれました。
この記事では、プラットフォーム間の広告収益の差と、その原因として考えられることを書きます。
🔗 Google Play / App Store
衝撃の数字
アクティブユーザー数
| Android | iOS | |
|---|---|---|
| アクティブユーザー | 約3万 | 約250 |
| 比率 | 1 | 約1/120 |
ユーザー数に約120倍の差があります。
広告収益(eCPM)
ユーザー数の差だけでなく、1表示あたりの広告収益(eCPM)にも大きな差がありました。
| Android | iOS | |
|---|---|---|
| eCPM(比率) | 1(基準) | 約1/5 |
同じAdMob、同じ広告フォーマットなのに、iOSのeCPMはAndroidの約1/5です。
つまり...
ユーザー数の差(120倍)× eCPMの差(5倍)= 広告収益の差(600倍)
同じアプリなのに、広告収益に数百倍の差がつきました。
なぜこうなったのか
正直、明確な原因は1つに特定できていません。ただ、いくつかの要因が重なっていると考えています。
要因1:Androidの先行者利益が大きかった
Android版は2014年にリリースしました。当時、宝くじ関連アプリの競合はほとんどいませんでした。
やったことは:
- 競合になりそうなアプリをすべてインストールして研究
- 各アプリの良い機能を全部載せた状態でリリース
- 競合が少ないうちにストアでのポジションを確立
結果、Google Playの宝くじカテゴリで上位に定着でき、自然流入でユーザーが増え続ける好循環ができました。
一方、iOS版はリリースが遅れたため、すでに競合がいる中での参入になりました。
個人開発では「いつリリースするか」が収益を大きく左右する。 早ければ早いほど有利です。
要因2:ストアのランキング制度の違い
Google PlayとApp Storeでは、ランキングのアルゴリズムが異なります。
| Google Play | App Store | |
|---|---|---|
| ランキング更新頻度 | 比較的緩やか | 頻繁に変動 |
| 新規アプリの優遇 | ある程度あり | 厳しい |
| 定着しやすさ | 一度上がると維持しやすい | 常に変動する |
Google Playでは一度上位に入ると比較的安定してポジションを維持できます。Android版が長年アクティブユーザーを保てているのは、この仕組みの恩恵も大きいと感じています。
要因3:ATT(App Tracking Transparency)の影響
iOS 14.5以降、Appleは**ATT(App Tracking Transparency)**を導入しました。
これにより、ユーザーの広告追跡がオプトイン制(ユーザーが許可しない限り追跡できない)になりました。多くのユーザーは追跡を拒否するため、広告のターゲティング精度が低下し、eCPMが下がる原因になっています。
ATT導入前後で比較したわけではありませんが、iOS全体の広告単価低下は業界でも広く報告されています。
数字から見える現実
個人開発者にとっての示唆
| 学び | 詳細 |
|---|---|
| 🕐 リリース時期が最重要 | 競合が少ないうちに出せば、先行者利益で長期的にユーザーを獲得できる |
| 📱 プラットフォーム選択 | 同じアプリでもAndroidとiOSで収益が大きく異なる覚悟が必要 |
| 🎯 iOSの収益期待値 | Androidと同じ収益を期待するのは危険。ATTの影響も大きい |
| 📊 eCPMだけじゃない | eCPMの差(5倍)よりも、ユーザー数の差(120倍)の方が影響が大きい |
iOSを出す意味はあるのか?
収益だけ見ると「iOSは出さなくていいのでは?」と思うかもしれません。
ただ、iOS版を出している理由はあります:
- ポートフォリオとしての価値 — 両プラットフォームで開発できることの証明
- 将来性 — iOSユーザーの獲得は今後の施策次第
- 開発コスト — AIを使えば両プラットフォームの開発は以前ほど大変ではない
- ユーザーからの要望 — 「iPhone版はないの?」という声に応える
まとめ
同じアプリをAndroidとiOSで出した結果:
| Android | iOS | |
|---|---|---|
| アクティブユーザー | 約3万 | 約250 |
| eCPM比率 | 1 | 約1/5 |
| 広告収益の差 | 基準 | 数百分の1 |
最大の要因は先行者利益です。2014年にAndroid版を出せたことが、10年経った今でも効いています。
個人開発者へのアドバイスとしては:
「完璧にしてからリリース」ではなく、「最速でリリースして改善」の方が、長期的な収益では圧倒的に有利。
特にニッチなカテゴリ(宝くじ、特定のゲーム、特定の業界ツール等)では、早い者勝ちの傾向が強いです。
🔗 Google Play / App Store
タグ: 個人開発 AdMob Android iOS 広告収益