IBM Workload Scheduler(IWS) 10.1 Agent を RHEL8へインストールし、IWS Server(以下MDM)へ接続するまでの手順。
本手順では Fault Tolerant Agent(以下FTA) と Dynamic Agent(以下DA) の両方をインストールする。
構成
-
IWS Agent
- OS: RHEL 8.4
- 導入コンポーネント:Fault Tolerant Agent(FTA), Dynamic Agent(DA)
-
IWS Server(MDM, Agent 接続先)
- OS: RHEL 8.4
- 導入済みコンポーネント:IWS Master Domain Manager(MDM), Dynamic Workload Console(DWC)
インストール前提
インストールの前提要件はこちら参照。
Detailed system requirements for IBM Workload Scheduler, version 10.1.0
https://www.ibm.com/support/pages/node/6426839
インストールメディアの入手先
こちら参照。「IBM Workload Scheduler Agent V10.1, and Workload Scheduler for Applications for Linux on x86-64, Multilingual」をダウンロードする。
IBM Workload Scheduler, version 10.1.0 - Linux
https://www.ibm.com/support/pages/node/6426843
参考手順
マニュアル記載の手順はこちら。
https://www.ibm.com/docs/ja/workload-automation/10.1.0?topic=ia-agent-installation-procedure
インストール手順
- 操作は全てrootユーザで行う。
umaskの設定
- umask は 0022へ設定する。(これ超重要!)
umask 0022
前提 rpmの導入
- 前提チェックスクリプトを実行するために、bc コマンドをインストールする。
yum install bc
必要ユーザの作成
- 次のOSユーザを作成し、パスワードを設定しておく。(パスワードはインストール時に必要)
ユーザ名 | 所属グループ | 用途 |
---|---|---|
wauser | wauser | IWS管理ユーザー |
参考までにユーザー作成した時のコマンド
groupadd -g 1001 wauser
useradd -u 1001 -g 1001 wauser
passwd wauser
twsinst スクリプト(インストールスクリプト)の実行
- インストールイメージを展開したディレクトリへ移動し、twsinst スクリプトを実行する。
twsinst スクリプトのオプション詳細は下記を参照。
https://www.ibm.com/docs/ja/workload-automation/10.1.0?topic=agents-agent-installation-parameters-twsinst-script
下記例は /work/iws にインストールイメージを展開した場合の例。
cd /work/iws/TWS/LINUX_X86_64
./twsinst -new -acceptlicense yes -agent both -inst_dir /opt/wa -master IWSSVR21 -tdwbhostname iwssvr21.env2.com -tdwbport 31116 -thiscpu IWSDB21 -uname wauser
指定オプション:
オプション | 指定値 | 備考 |
---|---|---|
-agent | both | FTA,DA両方をインストール |
-inst_dir | /opt/wa | インストールディレクトリー |
-master | IWSSVR21 | FTA接続先MDMのワークステーション名 |
-tdwbhostname | iwssvr21.env2.com | DA接続先MDMのホスト名 |
-tdwbport | 31116 | DA接続先MDMのtdwbポート(デフォルト) |
-thiscpu | IWSDB21 | FTAのワークステーション名。この場合DAのワークステーション名は IWSDB21_1となる。 |
-uname | wauser | IWS管理ユーザー名 |
前提を満たしていることを確認できているにもかかわらず、前提チェックのエラーによりインストールへ進めない場合は、"-skipcheckprereq" オプションを指定して twsinst コマンドを実行する。
cd /work/iws/TWS/LINUX_X86_64
/twsinst -new -skipcheckprereq -acceptlicense yes -agent both -inst_dir /opt/wa -master IWSSVR21 -tdwbhostname iwssvr21.env2.com -tdwbport 31116 -thiscpu IWSDB21 -uname
DAをMDMへ接続する
DAのワークステーション定義は、DAインストール時に自動的にIWS DBに登録される。
MDM のグローバル・オプション "enAddWorkstation"の設定値により、DAが実動計画(Symphonyファイル)に追加されてジョブを実行可能となるタイミングが異なる。
以降の手順は全てMDMで実行する。
"enAddWorkstation"の設定値は、IWS管理ユーザーで次のコマンドを実行して確認可能。
optman ls | grep enAddWorkstation
DAを自動的に実動計画に追加するには"enAddWorkstation"の値をYESにしておく。
"enAddWorkstation"の値は次のコマンドで変更可能。(下記はYESに変更する場合)
optman chg aw = YES
enAddWorkstationの値がNOの場合
IWS DBへDAのワークステーション定義が自動登録された後、最初のFINALジョブストリーム実行または JnextPlan実行時に実働計画へDAが追加される。
導入後直ちにDAの接続確認を行いたい場合はIWS管理ユーザーで次のコマンドを実行する。ただし、このコマンドを実行すると全FTAへ実動計画の再配布が行われるため、本番稼働環境での実行は推奨されない。本番稼働環境での実行は推奨されない。その場合はFINALジョブストリームが実行されるのを待つ。
JnextPlan -for 0000
実動計画へDAが追加されたことを確認する。IWS管理ユーザーで次のコマンドを実行し、実行結果にAgent名と接続時刻が表示されていることを確認する。
conman sc
enAddWorkstationの値がYESの場合
IWS DBへDAのワークステーション定義が自動登録された後、数分後に実動計画にDAが追加される。
導入後に少し時間をおいてからIWS管理ユーザーで次のコマンドを実行し、実行結果にAgent名と接続時刻が表示されていることを確認する。
conman sc
FTAをMDMへ接続する
以下の手順を実行する。
FTAのワークステーション定義を登録する
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Dynamic Workload Consoleへログインし、「設計」>「ワークロード定義(新規)」>「Workload Designer」の順に選択する。
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画面右側の「プロパティー」タブで次の内容を入力する。記載のないものは特に指定がなければデフォルトのまま。値が指定されていなければ入力不要。入力後「保存」をクリックする。
項目 | 指定値 | 説明 |
---|---|---|
フォルダ | / | デフォルトは"/"。特に指定がなけれなそのまま。 |
名前 | IWSDB21 | FTAのワークステーション名。通常はホスト名と同一にする。 |
ドメイン | MASTERDM | FTAをMDMに直接接続する場合はMASTERDM。 |
タイム・ゾーン | Asia/Tokyo | システムで指定したタイムゾーンに合わせる |
ノード名 | iwsdb21.env2.com | FTAのホスト名またはIPアドレス |
FTAを実動計画に追加する
IWS DBへFTAのワークステーション定義が自動登録された後、最初のFINALジョブストリーム実行または JnextPlan実行時に実働計画へFTAが追加される。
導入後直ちにFTAの接続確認を行いたい場合はIWS管理ユーザーで次のコマンドを実行する。ただし、このコマンドを実行すると全FTAへ実動計画の再配布が行われるため、本番稼働環境での実行は推奨されない。その場合はFINALジョブストリームが実行されるのを待つ。
JnextPlan -for 0000
実動計画へFTAが追加されたことを確認する。IWS管理ユーザーで次のコマンドを実行し、実行結果にFTA名と接続時刻が表示されていることを確認する。
conman sc