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IBM Workload Scheduler(以下IWS)の操作コンソールであるDynamic Workload Console(以下DWC)は導入後すぐにログイン可能ですが、ジョブ等の登録を始める前に初期セットアップが必要です。
ここではDWCの初期セットアップとコンソールの大まかな利用方法について紹介します。

ちょっと検証環境でDWCを使ってみたい、といった時の参考になれば幸いです。

DWCへのアクセス

導入時にポートなどを変更していない場合は、次のURLでアクセス可能です。ユーザー名とパスワードはDWC導入時に指定したものを使用します。

https://iwsserver_hostname:9443/console/login.jsp
(iwserver_hostnameはIWSサーバーのホスト名またはIPアドレス)

スクリーンショット 2023-03-22 10.18.09.png

ログインすると下図のようなトップ画面が表示されます。
スクリーンショット 2023-03-22 10.18.27.png

エンジンの設定

IWSへジョブの登録を行なったり、スケジュールされたジョブの状況を参照するためには、DWCからIWSサーバーへ接続する必要があります。
IWSサーバーへ接続するために「エンジン」の設定が必要です。「エンジン」設定にてIWSサーバーのホスト名(IPアドレス)や接続ユーザー名などを指定することで、IWSサーバーへの接続が可能となります。

DWCからIWSサーバーへの接続イメージを下図に示します。
DWC_Engine.png

エンジンを設定します。「管理」メニューより「エンジンの管理」を選択します。
スクリーンショット 2023-03-22 10.20.07.png

「新規」ボタンをクリックします。
スクリーンショット 2023-03-22 10.21.28.png

各項目を入力します。入力内容については、スクリーンショットの下にある表を参照してください。
スクリーンショット 2023-03-22 10.24.01.png

項目名 本記事での設定値 説明
エンジン名 IWS101ENV2 任意の名称を指定可能。複数のIWSサーバーが存在する場合、どのIWSサーバーへアクセスするかがわかるようにすると良い。(開発環境、本番環境など識別したい場合など。)
ホスト名 localhost IWSサーバーのホスト名。DWCと同一サーバー上にIWSサーバーが導入されている場合は、localhostとしておくとよい。バックアップマスターが構成されている場合もlocalhostとしておくと切り替え後にエンジンの設定を変更する必要がないので使いやすい。
ポート番号 31116 デフォルトは31116。導入時に変更している場合は、導入時に指定したものを入力する。
接続資格情報:ユーザーID wauser IWSサーバーへアクセスするためのユーザー名。本記事では導入時に指定した管理ユーザーを使用。DWCで行える操作は、ここで指定したユーザーに割り当てられた権限の範囲に制限される。
接続資格情報:パスワード password 上記ユーザーのパスワード
報告用のDB構成:データベース・ユーザーID db2inst1 レポート機能を使用する場合は、DBへの接続ユーザーを入力する。導入時に指定したインスタンスユーザーとするか別途作成したデータベースユーザーを指定する。
報告用のDB構成:パスワード password 上記ユーザーのパスワード
Self-Service Catalog Configuration チェックしない セルフサービスカタログを利用可能とする場合は、チェックボックスを選択する。
ダッシュボードで表示 チェックする ダッシュボードでこのエンジンの概要を表示するためにはチェックボックスを選択する。

入力後、「接続のテスト」をクリックします。
スクリーンショット 2023-03-22 10.24.01_2.png

接続テストに成功したらOKボタンをクリックします。接続に失敗した場合は、ホスト名やポート、接続ユーザーやパスワードに誤りがないか確認します。
スクリーンショット 2023-03-22 10.24.13.png

OKボタンをクリックします。
スクリーンショット 2023-03-22 10.24.23.png

「エンジン接続が正しく作成されました」というメッセージが表示されたらOKボタンをクリックします。
スクリーンショット 2023-03-22 10.24.31.png

これでエンジンが作成されました。
スクリーンショット 2023-03-22 10.47.11.png

エンジンを作成することでIWSサーバーへのアクセスが可能となり、ジョブ登録などの操作を行えるようになります。エンジン設定は原則そのエンジンを作成したユーザーにのみアクセス可能ですが、他のユーザーに共有することも可能です。共有するかしないか、また、共有する場合に接続資格情報も共有するのか、など様々な選択が可能です。
エンジン設定をどのようにするのかは、セキュリティー要件や用意するユーザーの権限を踏まえて設計します。

よく使うメニューへのアクセス

ここではよく使うメニューへのアクセス方法と、それらのメニューへより簡単にアクセスできるようにするための設定について説明します。

Workload Designerへのアクセス

ジョブやその他定義の登録は「Workload Designer」から実施します。
「設計」メニューから「Workload Designer」を選択します。
スクリーンショット 2023-03-22 10.58.43.png

Workload Designer画面が表示されます。
スクリーンショット 2023-03-22 11.08.46.png

「新規作成」ボタンをクリックすると様々な定義を登録できます。
スクリーンショット 2023-03-22 11.09.58.png

次回ログインからWorkload Designerにすぐにアクセスできるようにしたい場合は、この画面をピン留めします。
画面左下の「ページ」セクションにある Workload Designer右側のアイコンをクリックし「固定」を選択します。
スクリーンショット 2023-03-22 11.11.22.png

画面左上の「ピン留めされたページ」にWorkload Designerが追加され、次回ログイン時にここからWorkload Designerにアクセスできます。
スクリーンショット 2023-03-22 11.11.33.png

ワークロードのモニターへのアクセス

もう一つ、よく利用される画面はジョブやジョブ・ストリームの状況を確認する「ワークロードのモニター」です。「モニターおよびレポート」のメニューから「ワークロードのモニター」を選択します。
スクリーンショット 2023-03-22 11.18.12.png

エンジンとして参照したいIWSサーバーのエンジンが選択されていること、計画のリストに「current-plan」(現在の実動計画)が選択されていることを確認します。
スクリーンショット 2023-03-22 11.20.39.png

「オブジェクト・タイプ」で参照したいオブジェクトを選択します。
スクリーンショット 2023-03-22 11.23.37.png

実行をクリックします。
スクリーンショット 2023-03-22 20.36.25.png

選択したオブジェクトの現在の状況が一覧表示されます。
スクリーンショット 2023-03-22 11.24.45.png

このページを固定しておくことで、次回ログイン時からすぐにアクセスできるようになります。
スクリーンショット 2023-03-22 11.33.50.png

なお、固定できるのはワークロードのモニターのトップ画面のみです。
ジョブなどのオブジェクト毎のリストは固定できませんが、下記のスクリーンショットのように「ブックマーク・ページ」機能でリンクをコピーしてブックマークしておくと当日のジョブ一覧等へすぐにアクセスできるようになります。また、リンクをコピーして他の人に共有することで当日のジョブの状況を素早く連携することもできます。
スクリーンショット 2023-03-22 11.37.51.png
スクリーンショット 2023-03-22 11.38.05.png

まとめ

本記事ではDynamic Workload Consoleの初期セットアップと、よく使う画面へのアクセス方法、そしてそれらの画面へ素早くアクセスできるようにする方法をご紹介しました。それぞれの画面の操作についてはまた別の機会にご紹介したいと思います。

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