IBM Workload Scheduler(以下IWS)の操作コンソールであるDynamic Workload Console(以下DWC)は導入後すぐにログイン可能ですが、ジョブ等の登録を始める前に初期セットアップが必要です。
ここではDWCの初期セットアップとコンソールの大まかな利用方法について紹介します。
ちょっと検証環境でDWCを使ってみたい、といった時の参考になれば幸いです。
DWCへのアクセス
導入時にポートなどを変更していない場合は、次のURLでアクセス可能です。ユーザー名とパスワードはDWC導入時に指定したものを使用します。
https://iwsserver_hostname:9443/console/login.jsp
(iwserver_hostnameはIWSサーバーのホスト名またはIPアドレス)
エンジンの設定
IWSへジョブの登録を行なったり、スケジュールされたジョブの状況を参照するためには、DWCからIWSサーバーへ接続する必要があります。
IWSサーバーへ接続するために「エンジン」の設定が必要です。「エンジン」設定にてIWSサーバーのホスト名(IPアドレス)や接続ユーザー名などを指定することで、IWSサーバーへの接続が可能となります。
エンジンを設定します。「管理」メニューより「エンジンの管理」を選択します。
各項目を入力します。入力内容については、スクリーンショットの下にある表を参照してください。
項目名 | 本記事での設定値 | 説明 |
---|---|---|
エンジン名 | IWS101ENV2 | 任意の名称を指定可能。複数のIWSサーバーが存在する場合、どのIWSサーバーへアクセスするかがわかるようにすると良い。(開発環境、本番環境など識別したい場合など。) |
ホスト名 | localhost | IWSサーバーのホスト名。DWCと同一サーバー上にIWSサーバーが導入されている場合は、localhostとしておくとよい。バックアップマスターが構成されている場合もlocalhostとしておくと切り替え後にエンジンの設定を変更する必要がないので使いやすい。 |
ポート番号 | 31116 | デフォルトは31116。導入時に変更している場合は、導入時に指定したものを入力する。 |
接続資格情報:ユーザーID | wauser | IWSサーバーへアクセスするためのユーザー名。本記事では導入時に指定した管理ユーザーを使用。DWCで行える操作は、ここで指定したユーザーに割り当てられた権限の範囲に制限される。 |
接続資格情報:パスワード | password | 上記ユーザーのパスワード |
報告用のDB構成:データベース・ユーザーID | db2inst1 | レポート機能を使用する場合は、DBへの接続ユーザーを入力する。導入時に指定したインスタンスユーザーとするか別途作成したデータベースユーザーを指定する。 |
報告用のDB構成:パスワード | password | 上記ユーザーのパスワード |
Self-Service Catalog Configuration | チェックしない | セルフサービスカタログを利用可能とする場合は、チェックボックスを選択する。 |
ダッシュボードで表示 | チェックする | ダッシュボードでこのエンジンの概要を表示するためにはチェックボックスを選択する。 |
接続テストに成功したらOKボタンをクリックします。接続に失敗した場合は、ホスト名やポート、接続ユーザーやパスワードに誤りがないか確認します。
「エンジン接続が正しく作成されました」というメッセージが表示されたらOKボタンをクリックします。
エンジンを作成することでIWSサーバーへのアクセスが可能となり、ジョブ登録などの操作を行えるようになります。エンジン設定は原則そのエンジンを作成したユーザーにのみアクセス可能ですが、他のユーザーに共有することも可能です。共有するかしないか、また、共有する場合に接続資格情報も共有するのか、など様々な選択が可能です。
エンジン設定をどのようにするのかは、セキュリティー要件や用意するユーザーの権限を踏まえて設計します。
よく使うメニューへのアクセス
ここではよく使うメニューへのアクセス方法と、それらのメニューへより簡単にアクセスできるようにするための設定について説明します。
Workload Designerへのアクセス
ジョブやその他定義の登録は「Workload Designer」から実施します。
「設計」メニューから「Workload Designer」を選択します。
「新規作成」ボタンをクリックすると様々な定義を登録できます。
次回ログインからWorkload Designerにすぐにアクセスできるようにしたい場合は、この画面をピン留めします。
画面左下の「ページ」セクションにある Workload Designer右側のアイコンをクリックし「固定」を選択します。
画面左上の「ピン留めされたページ」にWorkload Designerが追加され、次回ログイン時にここからWorkload Designerにアクセスできます。
ワークロードのモニターへのアクセス
もう一つ、よく利用される画面はジョブやジョブ・ストリームの状況を確認する「ワークロードのモニター」です。「モニターおよびレポート」のメニューから「ワークロードのモニター」を選択します。
エンジンとして参照したいIWSサーバーのエンジンが選択されていること、計画のリストに「current-plan」(現在の実動計画)が選択されていることを確認します。
「オブジェクト・タイプ」で参照したいオブジェクトを選択します。
このページを固定しておくことで、次回ログイン時からすぐにアクセスできるようになります。
なお、固定できるのはワークロードのモニターのトップ画面のみです。
ジョブなどのオブジェクト毎のリストは固定できませんが、下記のスクリーンショットのように「ブックマーク・ページ」機能でリンクをコピーしてブックマークしておくと当日のジョブ一覧等へすぐにアクセスできるようになります。また、リンクをコピーして他の人に共有することで当日のジョブの状況を素早く連携することもできます。
まとめ
本記事ではDynamic Workload Consoleの初期セットアップと、よく使う画面へのアクセス方法、そしてそれらの画面へ素早くアクセスできるようにする方法をご紹介しました。それぞれの画面の操作についてはまた別の機会にご紹介したいと思います。