要約
AWSの試験を受けると
より多くの技術が自分ごとになるよ
おまけで資格がついてくるよ
AWSの認定試験とはなんですか
パブリッククラウド上でのアプリケーションの開発・運用基盤を提供する
クラウドサービスの最大手 AWS が実施する資格試験のこと
AWSの提供するサービスについての理解度を試験を通して確認・証明するためのしくみですが
後述のとおり「AWSの知識証明」にとどまらない受験メリットもあるよ
AWS認定試験はこんな人にオススメ
- 社会人になってからプログラミングを始めた
- 要件をみたすプログラムを自力で書ける程度の力がついてきた
- 開発者としてのキャリアパスにいまひとつ自信がない、悩んでいる
このあたりに当てはまるなら、
AWSの認定試験を受けてみることは、ポジティブな結果を期待できるかも
おもなオススメ理由
- 「クラウド」の利点をより深く理解できる
- 問題をアーキテクチャで解決する思考訓練になる
- ネットワーク技術知識のキャッチアップになる
1. 「クラウド」の利点をより深く理解できる
クラウドサービスの代表的な利点のひとつは、物理的なハードウェアの導入・保守コスト(運搬、配線工事、災害対策など)を放棄しながら
ハードウェアの機能のみを、物理的制約を超えてより柔軟に享受できることにあります。
(ネットワークつなぐのにLAN線要らず、Webの管理画面上の接続操作で作業完結、とか)
資格試験は、このクラウドの利点を軸に『非クラウドの運用上の問題を、クラウドで解決するためにはどうする?』という観点がしばしば含まれます。
クラウドじゃないとこんだけ困る!
クラウドだったらこうなる!
…という組で理解していくことになるので、クラウドの利点を、具体的な事例をもって理解に落としこめます。
各社サービスで機能差はあれど、主要なメリットは等しくカバーされるでしょうから、
クラウドサービス一般に通用する納得感が(運用経験なしに)得られるのは、資格受験の強みであるように思えます。
###2.問題をアーキテクチャで解決する思考訓練になる
認定試験においては、アプリケーションの動作基盤であるインフラの信頼性(極力ダウンしない、復旧が早い など)を確保する方法についての問題が多く出題されます1。
インフラにおける信頼性は、おもに(機能自体の実装というよりは)機能どうしをどういう構成で配置するか、というアーキテクチャによって実現されます。
アーキテクチャによって信頼性を担保するという発想は、プログラムの記述においても非常に重要です。
プログラムが拡張性やトラブル耐性(不具合が出たときの影響範囲の限定能力とか)といった要素を獲得するためには『ソースコードをどうまとめ、まとまりをどう組み立てるか』というアーキテクチャ思考の寄与するところが大きいためです。
プログラムの話はプログラム向けの書籍を読む、が手っ取り早いかもしれませんが、
AWSの試験は前述のとおりケーススタディが多いという点で理屈をつかみやすく、考え方をとらえる良い題材になりえるように思えます。
###3.ネットワーク技術知識のキャッチアップになる
1.に近い観点で、主にWeb系のかた向け。
たとえばかけだしWebエンジニアなら、多くの場合、ネットワークプロトコルを理解しなくても業務を遂行できる状況にあるでしょう。
一方で、これらの知識はWebアプリケーションにとっては大前提ですから、たとえば技術選定などのフェーズにおいては、これらの知識は選定基準の裏付けになりえます。
仕様から固める、技術を選ぶ、といったフェーズに職務範囲を広げたい方には避けがたい領域…と考えると
嫌でもネットワーク周辺の知識に触れることになるAWSの認定試験は、勉強のいい口実になってくれるでしょう。
おわりに
たまたま機会があったのでAWS SAAの試験を受けたのですが、
調べることを後回しにしてきたこと/まったく知らなかったこと、どちらも学ぶいい機会になったと感じたので、過去の自分に書くような気持ちで書きました。
AWSの資格取得はあくまで選択肢のひとつですが、
・実施のハードルが低め( 一人でできる、出版物多い、難度選べる )
・履歴書に書けるおまけつき
...という点で、実現性と実用性にすぐれるように思えます。
将来のために何をすればいいかわからない、とっかかりがほしいと望んでいるエンジニア(とくにWeb系)の方は、やらないよりは大方ハッピーな結果になると思います。ご検討ください
※AWS からお金をもらって書いたわけではありません お金ください
GCPやAzureにも同じような資格制度があります。興味があるものを受けるといいと思います
-
私が受けたSolution Architect Asociateの試験はこれが主要なトピックのひとつでした。ほかの資格タイプだと、あまり問われないかもしれません。Solution Architect(SA)がいちばん領域的には広く扱うようなので、資格種に悩むなら、サービス全体を鳥瞰できるSA受験がいいのかなと個人的に思っています。 ↩