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駆け出しエンジニアが「作れるだけのエンジニア」で終わらないために考えたこと

Last updated at Posted at 2025-12-20

はじめに

多くの方は始めましてwatnow3回生のりょうです。
1or2回生のどこかに影響を与えられたら嬉しいです。
行動したことは無駄にならないのでとりあえず何かに参加してみたり、やってみてください‼️
これからの時代で一番怖いのは情報が簡単にとれるが故に、自分が環境の中に入らず分かった気になることだと思います😞
今watnowに入ってる時点ですごいですし、いい環境にいると思うので外部にも足を踏み出してみてください。
少し長くなりますが、お付き合いください^^

目次


作れるようになった。でも、何かが足りなかった

僕は昔から、
「自分で思い描いたアイデアを形にして、自分の生活を豊かにし、それが多くの人の意思決定や行動に影響を与える」
そんなことを漠然とやりたいと思っていた。

大学2回生の冬、その構想していたアイデアをアプリとして実現しようと考え、
大学のエンジニアサークルである watnow に駆け込んだ。
確か「こんなの考えてるんですけど、めちゃめちゃおもろくないですか」と、
色んな人に言って回っていた。

今思えば、そのアイデアが本当に稼げると信じていたからか、
大人数にはあまり話さず、対応してくれた当時の先輩たちに
アイデアの押し付けと理想への共感だけを求める、
かなり変なことをしていた。

当時の自分は、そもそもそれが「作れるかどうか」すら判断できなかった。
ただ一方で、他にも作ってみたいものがいくつもあり、
「自分でモノを作れるようになること」がどれだけハードルを下げるかは強く実感していた。
だからまずは、サークルに参加して作れるようになろう、と思った。

入ってすぐにチーム開発が始まり、
API設計?DB?と、共通テストの漢文に触れたような気分だった。
その中で先輩から
「課題とペルソナを決めてからアプリを作れ」
と教えてもらった。

その後参加したハッカソンでは、途中参加だったこともあり、
すでにプロダクトの方向性は決まっていた。
流されるまま実装し、最後まで作り切った。

けれど、完成した瞬間にこう思った。
「……で、これって結局、何がしたかったんだっけ?」

ペルソナは自分に近い設定だったが、
自分がこれを使う姿はどうしても想像できなかった。
このとき、
ペルソナと漠然とした課題感だけでは足りない
そして
完成と、プロダクトが生む価値は別物だ
ということを初めて実感した。

その後も、面白そうな技術を使って個人開発を続けていたが、
あるアイデアを思いつき、
ペルソナを決め、機能を作り、
顧客にしたい人たちに実際に見せに行った。
(顧客→実際にサービスにお金を払う人)

反応は「面白そう」だった。
しかし、いざ売ろうとしたときに、足が止まった。

これは誰にとって価値があるのか。
本当にお金を払ってもらえるのか。
世に出ているプロダクトは、
もっと深く収益や価値を考えて作られているはずで、
自分のぱっと作ったMVPがそれらに並ぶとは到底思えなかった。
(MVP→最小機能)

なにより、
「誰が、どこに、いくらお金を払うのか」
それを自分の言葉で説明できなかった。

そこで一度、立ち止まることにした。
ビジネスモデルからちゃんと考え直そう。
そう思い、起業家育成プログラムに飛び込んだ。

価値に向き合ったら、それは「プロダクト思考」だった

参加したのは、Venture Café が主催する Community Campus というプログラムだった。
数ヶ月にわたってビジネスアイデアを考え、
顧客・ユーザー、課題、競合、コスト、収益モデルなどを整理し、
Lean Canvas に落とし込み、最終的にはピッチまで行う。

当初は、個人開発していたアプリとは別に、
視野を広げたいと思い、農業分野の課題を
アプリケーションで解決するアイデアを考えていた。

しかし、インタビューを進める中で気づいた。
その課題を強く感じていたのは、ほぼ自分だけだった。

この経験から、
「自分が困っている=他の人も困っている」わけではないこと、
都合のいい人にだけ話を聞いてはいけないこと、
そして
課題があることと、市場があることは別
だということを学んだ。

また、既存のビジネスモデルを分析する中で、
Webプロダクトが価値提供の中心になっている事例も多く目にした。
そうした経験を通じて、次第に考え方が変わっていった。

誰が顧客で、誰がユーザーなのか。
どこで、どんな課題を感じているのか。
それは本当にアプリで解決すべきなのか。
他にもっと良い方法はないのか。
収益は誰が、どれくらい払うのか。

こうした問いを立てること自体が癖になっていった。

その中で私は、
事業の立ち上げ方には、
プロダクトドリブンとビジネスドリブン
という二つの考え方があるのではないか、と整理するようになった。
(ハイブリッドやフェーズで変化などもあるが、方向性としてあるよねということです)

プロダクトドリブンは、
プロダクトそのものが価値提供と成長の中心になる考え方。
これは、もともと自分がやりたかった方向性に近い。

一方でビジネスドリブンは、
収益や成立性を起点に、数字ベースで意思決定を行う考え方だ。

どちらが良い・悪いという話ではない。
ただ、自分がやりたいのは明らかに前者であり、
おそらくエンジニアなら、
価値や体験を起点にしたものづくりに惹かれる人は多いと思う。

プログラム参加後、
個人開発でも顧客・ユーザーインタビューを重ね、
本質的な課題はどこにあり、
自分のプロダクトのコアでどう解決するのかを
より強く意識するようになった。

ちょうどその頃、就職活動が始まり、
「プロダクト思考」という言葉をよく耳にするようになった。

調べてみると、
ユーザーの課題は何か、なぜ作るのか(Why)、
何を(What)、どう作るのか(How)を考え、
機能ではなく価値と成果に焦点を当てる考え方らしい。

それを知ったとき、正直こう思った。
当たり前じゃないか???

自分がずっとやろうとしていたことが、
名前のついた考え方として整理され、
世の中で求められていることに気づいた。

プロダクト主導のビジネスモデルで動くなら、
ビジネスモデルを理解した上でプロダクトを作る必要がある。
その当たり前を突き詰めた結果が、
「プロダクト思考」と呼ばれていたのだと思う。

僕は、プロダクト思考は、
身につけるべきスキルではなく、
価値に向き合おうとした結果、
自然と行き着く考え方だと思う。

だから今、エンジニアとして何を選ぶのか

こうした経験を通じて、
エンジニアという役割の捉え方も変わってきた。

AIによって、機能の実装自体はますます簡単になっている。
その中でエンジニアが出せる価値の一つは、
上層レイヤーでの意思決定力なのではないかと感じている。

何を作るのか。
事業をどう進めるのか。
技術を踏まえた上で、人やお金をどう使うのか。

ただし、これは技術力が不要になるという話ではない。
むしろ、
スケールを見据えた設計ができること、
複数の実装選択肢を持てること、
データを適切に扱えること。
こうした判断を支える技術力は前提として必要だと思っている。

だから就職活動では、
・若いうちから責任ある意思決定を回せる環境か
・技術力が高い水準で身につくか
・自分の進みたいキャリアを実践している人がいるか

といった点を意識してきた。

今後、人間が出せる価値の一つは、
「人間にしかできない判断」の部分に
ますます集約されていくと思う。

プロダクトドリブンな事業において、
どう作るかに責任を持てる技術力を前提に、
何を作るのか、
それは何のためなのかを考えることは避けて通れない。

そのとき必要になるのが、
ドメイン理解とビジネスモデルへの理解だ。

少なくとも自分は、
ビジネスモデルを考える過程に触れたことで、
プロダクトの見え方が大きく変わったと感じている。

もしこの記事を読んで、
「作ることは楽しいけど、何か物足りない」と感じた人がいれば、
一度だけ、
作る側から“決める側”に視点をずらしてみてほしい。

そして、そのために活動したことは確実に力になると思う。

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