最近AIを利用することが増え、業務ではもちろん、個人でもChatGPTを有料にし、Codexもインストールして活用するようになりました。
そこで気になるのが 使用量 です。
Codexは便利ですが、ちょっとしたフォルダ整理やドキュメント整理までCodexに任せると、少しもったいない気がします。
今回は、Codexの使用量を節約する目的で、VS Code拡張機能の Cline を無料範囲で使ってみました。
今回やりたいこと
ルート直下に散らばっているMarkdownファイルを、用途ごとにフォルダ分けします。
整理前は、日報、引継ぎプロンプト、調査メモ、作業指示、進捗メモなどが同じ階層に置かれていました。
イメージとしては、以下のような整理です。
整理前
[プロジェクトフォルダ]/
├── 日報系md
├── 引継ぎ系md
├── 調査系md
├── 作業指示系md
├── 進捗系md
├── バックアップ用sh
└── 壊れたファイル名のファイル
整理後
[プロジェクトフォルダ]/
├── daily-reports/
├── docs/
│ ├── handovers/
│ ├── investigations/
│ ├── progress/
│ └── work-orders/
└── scripts/
Clineをインストールする
VS Codeの拡張機能から Cline をインストールします。
今回はGoogleアカウントでアカウントを作成し、無料モデルとして表示されていた deepseek-v4-flash を利用しました。
まずはPlanモードで整理案だけ出してもらう
いきなり移動や削除をさせるのは怖いので、まずは Planモード で確認だけしてもらいます。
今回使用したプロンプト
このプロジェクトのフォルダ構成を確認してください。
まだファイル移動・削除・編集・コマンド実行はしないでください。
まずは以下だけ出してください。
1. 現在のフォルダ構成の概要
2. 整理できそうな場所
3. 移動候補のファイル一覧
4. 実行するなら必要な git mv / mkdir コマンド
5. 影響がありそうな import / require / パス参照
Clineの出力結果
以下のような整理案が出ました。
※ディレクトリ名とファイル名は一部伏せています。
出力結果を見る
プロジェクトフォルダ構成分析と整理案
1. 現在のフォルダ構成
[プロジェクトフォルダ]/
├── [破損ファイル] ← ファイル名が壊れているファイル
├── [mdファイル_日報用_01].md
├── [mdファイル_引継ぎ用_01].md
├── [mdファイル_作業時間記録用_01].md
├── [mdファイル_引継ぎ用_02].md
├── [mdファイル_引継ぎ用_03].md
├── [mdファイル_作業指示用_01].md
├── [mdファイル_調査まとめ用_01].md
├── [mdファイル_TODO用_01].md
├── [mdファイル_進捗報告用_01].md
├── [シェルスクリプト_バックアップ用_01].sh
├── [mdファイル_日報用_02].md
├── [フォルダ_修正プロンプト]/
│ └── [mdファイル_修正プロンプト用_01].md
├── [フォルダ_日報]/
│ ├── [日報フォルダ_01]/
│ ├── [日報フォルダ_02]/
│ └── [日報フォルダ_03]/
2. 現在の構成の問題点
| # | 問題点 | 詳細 |
|---|---|---|
| 1 | ルートがフラットすぎる | 20以上の.mdファイルがルートに散在している |
| 2 | 命名規則が統一されていない | 大文字小文字、日付形式、prefixなどが混在している |
| 3 | 内容の分類がされていない | 調査系、作業指示系、引継ぎ系、日報系が混在している |
| 4 | 壊れたファイル名がある | 不要そうな破損ファイルが存在する |
| 5 | 日報フォルダの管理が不統一 | 日報フォルダ内とルート直下に日報が混在している |
| 6 | 修正プロンプト用フォルダが孤立している | 1ファイルだけ入ったフォルダがある |
| 7 | スクリプトファイルが未分類 | .shファイルがルート直下にある |
3. 移動候補
| 分類 | 移動先 |
|---|---|
| 調査系 | docs/investigations/ |
| 作業指示・TODO系 | docs/work-orders/ |
| 引継ぎプロンプト系 | docs/handovers/ |
| 進捗・時間管理系 | docs/progress/ |
| 日報系 | daily-reports/ |
| スクリプト系 | scripts/ |
| 破損ファイル | 削除候補 |
4. 移動後の構成案
[プロジェクトフォルダ]/
├── docs/
│ ├── investigations/ ← 調査系ドキュメント
│ ├── work-orders/ ← 作業指示・TODO・課題
│ ├── handovers/ ← 引継ぎプロンプト系
│ └── progress/ ← 進捗・時間管理
├── daily-reports/ ← 日報
└── scripts/ ← スクリプト
5. 影響がありそうなパス参照
今回の対象は主にMarkdownとシェルスクリプトのため、通常のソースコードにおける import / require の影響は少なそうでした。
ただし、以下は確認が必要です。
・Markdown内の相対リンク
・シェルスクリプト内の相対パス
・外部ツールやWikiなどからの参照
思ったより自然に分類してくれました。
特に、docs/handovers/、docs/investigations/、docs/work-orders/ のように、役割ごとに分けてくれたのは便利でした。
Actモードで実行する
整理案が問題なさそうだったので、Actモードで実行してみます。
ここで少し注意です。
Actボタンを押すと、追加でプロンプトを入力しなくても動き出しました。
最初のプロンプトには「まだファイル移動・削除・編集・コマンド実行はしないでください」と書いていたのですが、Actに切り替えた時点で、直前のPlan内容を実行する流れに入ったように見えました。
そのため、Clineでは「Planは提案、Actは実行」という切り替えがかなり明確で、Actを押す前に実行内容を確認しておく必要がありそうです。
実行中に起きたこと
PowerShellで mkdir -p が失敗した
最初にClineが以下のようなコマンドを実行しようとしました。
mkdir -p docs/investigations docs/work-orders docs/handovers docs/progress daily-reports scripts
これはbash向けの書き方なので、PowerShellではエラーになりました。
PowerShellでは以下のように書く必要があります。
New-Item -ItemType Directory -Force -Path "docs/investigations","docs/work-orders","docs/handovers","docs/progress","daily-reports","scripts"
Windows環境の場合は、最初からPowerShell前提であることを伝えておくとよさそうです。
git mv ではなく move になった
最初の整理案では git mv が出ていました。
ただ、今回のフォルダはGit管理前で、すべてのファイルが untracked の状態でした。
そのため、途中からClineは git mv ではなく、PowerShellの move を使う方針になりました。
move "対象ファイル.md" docs\handovers\
Git管理前のファイルであれば、move で移動してから最後に git add . する流れで問題なさそうです。
削除前の確認が多かった
削除処理に入る前に、Clineから何度か確認がありました。
今回削除候補になったのは以下です。
・壊れたファイル名のファイル
・空になった日報フォルダ
・空になった修正プロンプトフォルダ
・Clineが作成した作業用スクリプト reorganize.ps1
削除前に確認が出るのは安心ですが、確認回数は少し多く感じました。
何度か処理が止まった
途中でClineが Thinking... のまま止まったように見えることがありました。
PowerShell側では処理が終わっているのに、Cline側の表示だけが終わらない状態です。
今回の環境では、以下が関係していそうでした。
・日本語フォルダ名
・日本語ファイル名
・壊れた特殊文字入りファイル名
・複数コマンドの連続実行
・PowerShell環境
最終的にはVS Codeを再起動して対応しました。
ファイル移動自体は完了していたので、Cline側の状態だけが詰まっていたように見えます。
最終結果
最終的には以下のような構成になりました。
SAC 2/
├── daily-reports/ ← 日報
│ ├── 20260601_日次報告_sasakura.md
│ ├── daily_report_20260529.md
│ ├── 20260608_日報/
│ ├── 20260609_日報/
│ └── 20260610_日報/
├── docs/
│ ├── handovers/ ← 引継ぎプロンプト (7ファイル)
│ ├── investigations/ ← 調査系ドキュメント (4ファイル)
│ ├── progress/ ← 進捗・時間管理 (3ファイル)
│ └── work-orders/ ← 作業指示・TODO (6ファイル)
└── scripts/
└── backup_b00201m_20260609.sh
ルート直下に散らばっていたMarkdownファイルを、用途ごとに整理できました。
使用量について
今回のCline側の表示では、以下のような状態でした。
$0.0000
36.9k / 1.0m
無料モデルを使っているため、画面上は有料消費なしで進められました。
ChatGPT、Codex側の使用量は具体的なところが見えないので、また別途確認していこうと思います。
今回の役割分担は以下です。
Cline無料モデル
・フォルダ構成の分析
・整理案の作成
・ファイル移動の実行
ChatGPT
・実行前の確認
・エラー内容の確認
・削除してよいかの判断
・Clineが止まった時の相談
Codex
・使用なし
よかったところ
・無料範囲でも整理案はかなり使える
・分類が自然で、人間が見ても納得しやすい
・承認制なので、いきなり全部壊されにくい
気になったところ
・確認が多い
・PowerShell向けのコマンド調整が必要
・何度か Thinking... のまま止まった
・VS Codeの再起動が必要になった
・日本語パスや特殊文字入りファイル名があると少し不安定そう
特に、確認が多い点と、処理が終わりきらないことがある点は少し気になりました。
安全のためには仕方ない部分もありますが、慣れてきたらAuto-approve設定を調整した方がよさそうです。
まとめ
Cline無料モデルを使って、ドキュメント類のフォルダ整理をしてみました。
Codexを使わずに整理作業を完了する目的は果たせましたが、初回ということもあり、確認が多かったり、Windows環境ではコマンド調整が必要だったり、何度か処理が止まったりする場面もありました。
そのため、完全に任せきるというよりは、実行内容を確認しながら進めるのがよさそうです。
個人的には、以下のような使い分けがよいと感じました。
Cline
・軽めのフォルダ整理
・ドキュメント分類
・作業前の調査
Codex
・コード改修
・影響範囲の大きい実装
・本格的なリファクタリング

