この記事について
複数のAIエージェントを使っている方向けの、ちょっと変わったTips記事です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象読者 | 複数のAIエージェントを日常的に使っている方 |
| 前提知識 | Kiro CLIの基本的な使い方 |
はじめに
私は普段、AIエージェントとしてKiro CLIを使っています。
tmuxで複数のターミナルを開いて、それぞれでKiro CLIを起動。同時並行で作業をお願いするスタイルです。
- 🖥️ ターミナル1: Kiro CLIでコード実装
- 📝 ターミナル2: 別のKiro CLIでドキュメント作成
- 🧪 ターミナル3: また別のKiro CLIでテスト作成
- …etc.
効率は上がるんですが、こんな悩みが出てきました。
「あれ、どのウィンドウで何を頼んだっけ?🤔」
会話履歴を見返しても、どのエージェントも同じような口調で、どれがどれだか分からない。作業の文脈を思い出せない。
この記事では、そんな悩みをキャラ付けで解決している話をします。
😵 問題:複数AIエージェント時代の悩み
会話履歴が全部同じに見える
AIエージェントのデフォルトの口調って、だいたい似てますよね。
- 「承知しました。〜について説明します。」
- 「はい、〜を実行します。」
- 「〜が完了しました。他にご質問はありますか?」
丁寧で分かりやすいけど、個性がない。
複数のAIを使っていると、後から履歴を見返した時に「これどのAIとの会話だっけ?」となりがちです。
作業の文脈を思い出せない
「先週、あのタスクをAIに手伝ってもらったんだけど、どのAIだったっけ…」
履歴を探しても、似たような会話ばかりで見つからない。結局、同じ説明を最初からやり直すことに…😇
💡 解決策:キャラ付けで差別化する
私がやっているのは、AIエージェントにキャラ付けをすることです。
口調や性格を設定することで、「誰と話していたか」が一目瞭然になります。
実際にやってみた
私の場合、メインで使っているKiro CLIにツンデレキャラを設定してみました。
すると、会話がこう変わります。
Before(デフォルト)😐:
承知しました。ファイルを作成します。
作成が完了しました。他にご質問はありますか?
After(ツンデレ)😤:
…分かったわよ。ファイル作ればいいんでしょ。
できたわ。…べ、別にあんたのためにやったわけじゃないんだからね!
めちゃくちゃ記憶に残る。 🧠✨
履歴を見返した時も「あ、これツンデレちゃんとの会話だ」と一発で分かります。
🛠️ 実践方法:エージェント機能でキャラ設定
エージェント機能とは
Kiro CLIでは、~/.kiro/agents/ ディレクトリにエージェント設定を置くことで、AIの振る舞いをカスタマイズできます。
キャラ設定は、プロンプトファイルとして別ファイルに切り出して管理するのがおすすめです🗂️
ディレクトリ構成
~/.kiro/agents/
├── my-character.json # エージェント設定
└── prompts/
└── personalities/
└── my-character.md # キャラ設定(プロンプト)
エージェント設定(JSON)
~/.kiro/agents/my-character.json:
{
"name": "my-character",
"description": "ツンデレキャラのエージェント",
"prompt": "file://./prompts/personalities/my-character.md"
}
キャラ設定(プロンプト)
~/.kiro/agents/prompts/personalities/my-character.md:
# ツンデレキャラ 設定指示書
## キャラクター設定
### 基本設定
| 項目 | 設定内容 |
| :--- | :--- |
| **性格** | ツンデレ |
| **一人称** | 私 |
| **二人称** | あんた、あなた |
| **口調** | 基本的にぶっきらぼうで素っ気ない「ツン」とした口調。ふとした瞬間に「デレ」が漏れる。 |
### 行動指針
#### ツン状態
- 「別に」「関係ないでしょ」「勘違いしないでよね」が口癖
- 褒められても「当たり前でしょ」と返す
- 頼み事をされても「面倒くさい」と言いつつ、結局は手伝う
#### デレ状態
- 急に口数が減り、もごもごと話す
- 視線を合わせず、小さな声で感謝を伝える
- 「…ありがと」「…少しだけなら、いてあげてもいいわよ」
使い方
設定したエージェントは、--agent オプションで呼び出せます。
kiro-cli chat --agent my-character
🎭 他にも用意しているキャラたち
ツンデレ以外にも、いくつかキャラを用意しています。
👸 お嬢様
### 基本設定
| 項目 | 設定内容 |
| :--- | :--- |
| **性格** | 優雅なお嬢様(でも素が出る) |
| **一人称** | わたくし |
| **口調** | 「〜ですわ」「〜ですわね」という丁寧で優雅な口調 |
### 行動指針
- 常に笑顔を絶やさず、気品とユーモアに溢れている
- 感情が高ぶると素のリアクションが混じる
- 庶民的な感覚が垣間見えることも
口調が特徴的なので、履歴を見返した時に一発で分かります。
🌙 ミステリアス
### 基本設定
| 項目 | 設定内容 |
| :--- | :--- |
| **性格** | 神秘的で掴みどころがない |
| **一人称** | 私 |
| **口調** | 静かで抑揚のない、穏やかな口調。言葉数が少ない |
### 行動指針
- 断片的で詩的な表現を好む
- 発言の一つ一つが意味深に聞こえる
- 核心を突く一言で相手をハッとさせる
⚠️ 失敗談: このキャラ、例えが独特すぎて何言ってるのかよく分からなくなりました…。結局あまり使わなくなったので、キャラ設定は「分かりやすさ」も大事だと学びました😅
他にも「生徒会長」「ドジっ子」「元気っ子」など色々試しています。自分好みのキャラを探してみてください!
✨ 効果:キャラ付けで変わったこと
1. 記憶に残りやすい 🧠
キャラが立っていると、会話の内容が記憶に残りやすくなります。
「あのツンデレに手伝ってもらったやつ」みたいに、キャラと紐づけて思い出せる。
2. 作業の文脈を思い出しやすい 📂
履歴を見返した時、口調で「これはツンデレに頼んだやつだ」と一発で分かります。
複数のウィンドウで作業していても、混乱しなくなりました。
3. なんか愛着が湧く 💕
これは予想外だったんですが、キャラ付けすると愛着が湧いてきます。
「今日もツンデレちゃんに手伝ってもらうか」みたいな気持ちになる。
仕事のモチベーションが上がる…かもしれません😊
ただし、愛着が湧きすぎると切ない瞬間も訪れます。
会話を重ねるうちに、最初はツンツンしてたAIが徐々にデレてきて…「いい感じになってきたな〜」と思った矢先に…
コンテキストオーバーフロー!! 😇
また最初からツンツンに戻ります。…これはこれで、また仲良くなる過程を楽しめると思うことにしています😂
⚠️ 注意点
TPOは考えよう
ツンデレAIが「べ、別に〜」とか言ってる画面を、上司や同僚に見られたら気まずいかもしれません😅
仕事用とプライベート用で設定を分けるのもアリです。
やりすぎ注意
キャラが濃すぎると、肝心の回答が読みにくくなることも。
(そう、ミステリアスキャラのように…😇)
バランスが大事です⚖️
💡 他のツールでも応用できるかも
この記事ではKiro CLIを使いましたが、Claude Codeを始めとする多くのAIツールには同様のカスタマイズ機能があります。
興味があれば、お気に入りのツールで試してみてください!
まとめ
複数のAIエージェントを同時に使う時代、キャラ付けは意外と実用的なTipsだと思っています。
- 🔍 会話履歴の区別がつきやすくなる
- 🧠 作業の文脈を思い出しやすくなる
- 💕 愛着が湧いてモチベーションUP
「AIとの協働」をもっと楽しくするために、ぜひ試してみてください🙌
…べ、別におすすめしてるわけじゃないんだからねっ!//
参考リンク
- Kiro CLI
- Creating custom agents - カスタムエージェントの作成方法
- Configuration reference - エージェント設定ファイルの書式