Houdini19 Karma 初見所感・備忘録・Tips
Houdini19でネイティブレンダラーのKarmaが大幅に更新されたので、備忘録も兼ねて所感やTipsを記載致します。
全体的に良くなったと感じたポイント
- ROPから「Karma」ノード一つでKarmaを呼び出せるようになったところ。(勿論LOPでの細かい調整も可能)
- 各種パラメータやUIが、従来のHoudiniの作業感覚及び従来のネイティブレンダラーであるmantraの作業感覚で扱えるように調整・改善されているところ。
上記2点のアップデートにより、従来のHoudiniの作業感覚そのままで自然とKarmaが扱えるようになったように感じます。
全体的に気になったポイント
Karma……というよりKarmaに付随する要素ですが、大量に追加されたマテリアル関係のノード群にRedshiftの「RS Material Brender」ノードのような、シンプルに強力で使いやすい便利ノードが無いのが少し気になりました。
KarmaCPU・初見所感
- 端的な触り心地はmantraの強化版といった感じ。
- レンダリング速度はmantraと比べるとそこそこ早くなっている。
- SSSや透過物のようなモノのレンダリング速度はmantraから大幅に改善されているように感じます。
- 従来のHoudiniのマテリアルがほぼそのまま使用できるので、従来環境との共存や段階的な移行もし易いです。
総じてmantra同様に堅実で確実な印象です。ただし昨今の強力な高速レンダラーに比べると速度面では歯がゆい感じなので、mantraから早くはなりましたが、更に何倍か早くなって欲しいところです。
KarmaXPU・初見所感
- レンダリングが早い。
- モダンなレンダラーのレンダリング速度。
- 強力なレンダラーですが現状はアルファ版なので注意。ざっと触っただけでもHoudini19.0.383の場合、KarmaCPUと下記の違いがありました。
- 頂点カラーが反映されない。
- KarmaCPUで問題なく頂点カラーが反映されているものでも、KarmaXPUでは現状そのままでは反映されない。
- 19.0.460では問題なく頂点カラーが反映されるようになっているという情報有り(未検証)。
- 「Layer mix」等の一部のマテリアルノードが反映されない。
- SSS等の設定が反映されない。
- 頂点カラーが反映されない。
総じて速度面ではモダンなレンダラーに比肩する強力さを感じました。また、ネイティブレンダラーなのでHoudiniをインストールするだけで使用可能&Houdiniの仕組みの延長で使用可能&Houdiniの思想の延長で使用可能 という点も極めて強力に感じました。
一方、アルファ版なので上述したような問題点も生じましたが、これは開発が進むに連れて改善されることでしょう。
Tips
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Optix Denoiser は依然として強力
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AOV設定
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マテリアルの変更が反映されない場合
参考になる資料等
タイムリーなことに、SideFX社公式チュートリアルにHoudini19環境でのKarmaやマテリアル設定に関する一連のチュートリアルが投稿されましたので記載致します。
KARMA | A BEAUTIFUL GAME
おわりに
Houdini19でKarmaは大分強化され、将来性も期待できるものになったと個人的には思います。
とはいえ、Houdiniのレンダリング周りの資料やTipsは依然として少ないように感じましたので、今回はKarmaについて簡単な所感やTipsを紹介させて頂きました。
如何だったでしょうか? 少しでも皆様のHoudiniの勉強のお役に立てたのなら幸いです。
最後までお目通し頂きありがとうございました。