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HoudiniAdvent Calendar 2021

Day 5

Houdini19 Karma 初見所感・備忘録・Tips

Last updated at Posted at 2021-12-04

Houdini19 Karma 初見所感・備忘録・Tips

Houdini19でネイティブレンダラーのKarmaが大幅に更新されたので、備忘録も兼ねて所感やTipsを記載致します。

E_MotionGraphics_06_01_00012.png

全体的に良くなったと感じたポイント

  • ROPから「Karma」ノード一つでKarmaを呼び出せるようになったところ。(勿論LOPでの細かい調整も可能)
  • 各種パラメータやUIが、従来のHoudiniの作業感覚及び従来のネイティブレンダラーであるmantraの作業感覚で扱えるように調整・改善されているところ。

上記2点のアップデートにより、従来のHoudiniの作業感覚そのままで自然とKarmaが扱えるようになったように感じます。

全体的に気になったポイント

Karma……というよりKarmaに付随する要素ですが、大量に追加されたマテリアル関係のノード群にRedshiftの「RS Material Brender」ノードのような、シンプルに強力で使いやすい便利ノードが無いのが少し気になりました。

KarmaCPU・初見所感

  • 端的な触り心地はmantraの強化版といった感じ。
  • レンダリング速度はmantraと比べるとそこそこ早くなっている。
    • SSSや透過物のようなモノのレンダリング速度はmantraから大幅に改善されているように感じます。
  • 従来のHoudiniのマテリアルがほぼそのまま使用できるので、従来環境との共存や段階的な移行もし易いです。

総じてmantra同様に堅実で確実な印象です。ただし昨今の強力な高速レンダラーに比べると速度面では歯がゆい感じなので、mantraから早くはなりましたが、更に何倍か早くなって欲しいところです。

KarmaXPU・初見所感

  • レンダリングが早い。
  • モダンなレンダラーのレンダリング速度。
  • 強力なレンダラーですが現状はアルファ版なので注意。ざっと触っただけでもHoudini19.0.383の場合、KarmaCPUと下記の違いがありました。
    • 頂点カラーが反映されない。
      • KarmaCPUで問題なく頂点カラーが反映されているものでも、KarmaXPUでは現状そのままでは反映されない。
      • 19.0.460では問題なく頂点カラーが反映されるようになっているという情報有り(未検証)。
    • 「Layer mix」等の一部のマテリアルノードが反映されない。
    • SSS等の設定が反映されない。

総じて速度面ではモダンなレンダラーに比肩する強力さを感じました。また、ネイティブレンダラーなのでHoudiniをインストールするだけで使用可能&Houdiniの仕組みの延長で使用可能&Houdiniの思想の延長で使用可能 という点も極めて強力に感じました。

一方、アルファ版なので上述したような問題点も生じましたが、これは開発が進むに連れて改善されることでしょう。

Tips

  • Optix Denoiser は依然として強力

    • 下記画像は「pixcel Samples」を「9」という低い値にしていますが、Optix Denoiserをオンにするだけでノイズを大きく軽減できています。
      211129_karmaXPU_02.PNG
      ただし、Optix Denoiser は強力ですが、強力ゆえにこのデノイズ感が逆に気になるという場合もあるので、適宜使いわけが必要です。
      上記画像の場合、「pixcel Samples」を低めにしているのでKarmaCPUでもそこそこ高速でレンダリングできますが、KarmaXPUだとこれ位の画像は1コマ数秒でレンダリングできます。
  • AOV設定

    • AOVは下記画像のように各タブの中で設定できます。ここら辺の使用感はmantraとあまり変わりません。
      211129_karmaXPU_04.PNG
  • マテリアルの変更が反映されない場合

    • 下記画像の様に「Restart Render」をクリックすると大体解決します。
      211129_karmaXPU_05.png
      ただし、XPUはまだアルファ版だからかこれで解決しない場合もあります。その場合は Karma Viewport を再度開き直す等の対応が必要になります。Karma Viewport を再度開いても状況が改善されない場合は、タイムラインをシークして別のフレームを表示すると高確率で最新のマテリアル情報が反映されます。

参考になる資料等

タイムリーなことに、SideFX社公式チュートリアルにHoudini19環境でのKarmaやマテリアル設定に関する一連のチュートリアルが投稿されましたので記載致します。
KARMA | A BEAUTIFUL GAME

おわりに

Houdini19でKarmaは大分強化され、将来性も期待できるものになったと個人的には思います。
とはいえ、Houdiniのレンダリング周りの資料やTipsは依然として少ないように感じましたので、今回はKarmaについて簡単な所感やTipsを紹介させて頂きました。
如何だったでしょうか? 少しでも皆様のHoudiniの勉強のお役に立てたのなら幸いです。

最後までお目通し頂きありがとうございました。

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