はじめに
プロフェッショナルな映像制作では、より広いダイナミックレンジを確保するためにLog撮影が一般的に使用されます。しかし、Log映像はそのままでは暗く、コントラストの低い状態です。この記事では、Log撮影された映像を通常の見た目に戻すための基本的なワークフローを解説します。
Log映像の特徴
Log撮影された映像には以下のような特徴があります:
- 全体的に暗く見える
- コントラストが低い
- 色味が薄い
- ハイライトからシャドウまでの情報が保持されている
LUTとは
LUT(Look Up Table)は、映像の色やコントラストを変換するための参照テーブルです。Log映像を通常の見た目(Rec.709など)に変換する際に使用します。
主要カメラメーカーのLUT入手方法
1. Sony
ダウンロード先:
テクニカルナレッジ | ラージセンサーカメラ | ソニー
推奨LUT:
- S-Gamut3 & S-Gumut3.cine/S-Log3(Rec.709)
- 最新のSonyカメラで撮影したS-Log3素材用の標準的なLUT
- 一般的なウェブ配信や放送用途に最適
2. Panasonic
ダウンロード先:
LUT(ルックアップテーブル) | Panasonic
推奨LUT:
- VLog_to_V709_forV35_JP
- LUMIX GH5、GH6、S1H、S5などの標準的なLUT
- V-Log撮影素材をRec.709に変換
3. Canon
ダウンロード先:
Canon 3D LUT for CMT 709 Ver.1.0|キヤノン
推奨LUT:
- CinemaGamut_CanonLog3-to-CMT709_33_Ver.1.0.cube
- 33 gridバージョンが最も一般的
- 処理速度と品質のバランスが良い
Adobe Premiereでの適用方法
- プロジェクトパネルにLUTファイルをインポート
- エフェクトパネルからLUTを適用したいクリップにドラッグ&ドロップ
- エフェクトコントロールパネルで必要に応じて調整
注意点
- 撮影時のカメラ設定(Log形式)を確認することが重要
- 適切なLUTを選択することで、より自然な見た目が得られる
- LUT適用後も必要に応じて色調整を行う
- 編集作業中はプレビュー品質を下げることで、スムーズな作業が可能
まとめ
Log撮影された映像は、適切なLUTを適用することで通常の見た目に戻すことができます。カメラメーカーが提供する標準的なLUTを使用することで、多くの場合十分な品質が得られます。特に需要の高い日本国内の主要3社(Sony、Panasonic、Canon)のLUTを使いこなすことで、多くの現場のニーズに対応できるでしょう。