フォントワークスとモリサワ
この島国において、フォント制作会社はほぼ2つしかない。
フォントワークスとモリサワだ。あとはイワタとかダイナ(UDゴシックが有名かな)が頑張ってて、印刷系会社(凸版や大日本印刷)が少し出しているくらい。(個人の神様のような方がすっごい良質なフリーフォントをたくさん出してくれていることも忘れずに!)
以下は私の個人的な印象ではあるが、
モリサワはMacOSに搭載されていることで本当に有名なヒラギノ角ゴのような本文に使われるような書体ではとても強い。JR西日本の駅名標には新ゴが用いられているし、ゲーム・コンソールの王者Nintendo Switchのフォントではそれを改良したUD新ゴが用いられている。また、写研のフォントがモリサワと協力してOpenTypeフォントとして公開されることも公表されている。
フォントワークスはいわゆるデザイン系のフォントにめっぽう強い。一時期話題になったLINE Seed JPもフォントワークス。あつまれどうぶつの森やペルソナなどのゲームや、その着せ替え人形は恋をする、ヒロアカ、新世紀エヴァンゲリオンなどのアニメもフォントワークスのフォントが使われている。
両方ともサブスクを990円/年で提供している
2024/9/30より、モリサワがMorisawa Fontsというサブスクサービスにおいて学割プランを提供し話題になっている。脅威の64,240円→990円/年。実に98%オフである。
ただ、これに対しフォントワークスはLETSというサブスクサービスを提供していて、こちらも通常49,500円→990円/年。フォント業界、ありがたすぎる。
自分に必要かはよく考えて
もし、Adobe CCを契約しているならばAdobe Fontsで事足りることも多い。実際ヒラギノ角ゴもファミリーが小さくはなっているがAdobe Fontsで使える。
実務においては互換性という面も忘れてはいけない。Adobe Fontsに収録されているフォントなら、「フォントがなくて文章を表示できない...」のようなトラブルに悩まされる可能性は低いだろう(チームで作業を行うシチュエーションを考えると)。
また、フリーフォントの選択肢もとても多い。本文系ならGoogle FontsのNoto Sansでも事足りることは多い。M+が自分は大好きである!!また日本には素晴らしいフォントデザイナー様がたくさんいらっしゃって、ありがたいことに多くをフリーフォントとして公開してくださいっている。フロップデザインさんのフォントがとても大好きでオススメ。
もちろん、圧倒的に2社のサブスクのほうが日本語書体の幅は広がることは言うまでもないが、本当に必要かの検討は慎重に。本当に有償フォントが必要な場合は、多くはあまりにネット上で溢れているフリーフォントとの差別化、あるいは既存のゲームなどのデザインのオマージュが主になると思います。
契約しよう
Morisawa Fonts
日本国内の高校、大学、専門学校の学生
が申込資格。認証方法はSheerIDによるもので、メールアドレスがない場合でも学生証などによる認証が可能。
ライセンスについて、学割特有の特記事項はなく、通常版と共通のEULAになっている。 商業利用、商標登録も可能と明記されており、Webフォントとしての利用も可能。
https://policies.morisawafonts.com/eula/fonts/desktop/
LETS(フォントワークス)
申込資格は、
小学校・中学校・特別支援学校・高等学校・高等専門学校・大学・短期大学・大学校・専門学校に在籍し、在学証明(学生証や在学証明書の提示)ができる学生
各教育機関の教職員でそれを証明できる方
学校発行のメールアドレスでの認証、学生証/身分証での認証にも対応。こちらもSheerIDによる認証のよう。
なお、LETSはフォントワークス、Monotype(欧文系)、昭和書体、イワタ、モトヤ...など、フォント制作会社ごとにプランが別れていて、それごとに990円/年がかかるので要注意。おそらく普通の人ならフォントワークスLETS、欧文系が使いたければMonotype LETSがあれば十分なはず。
学生用ライセンスは商用利用禁止、またWebフォントとしての利用やアプリへの埋め込みなどの組込利用も禁止になっています。(商用でも追加オプションになってる)
賞金の発生するようなコンテストでの利用は商用利用に含めないとのこと。
https://lets.fontworks.co.jp/services/license
良きフォントライフを!
1980円/年で良質な日本語フォントが使い放題という話です。良きフォントライフを〜〜〜!!