こちらの記事で、とりあえず GIMPS 始めるまでの手順は書いたのですが、実際に長期的に実行していると様々な「ああこういうことがやりたいのに」ってシチュエーションがあります。そんなときの TIPS を書き出してみました。
なお、これらの手順は「やってみたら出来た」ってものもありますので、もしかしたら正式な手順ではないかもしれません(あんまり真面目にドキュメントとか読んでない...)。その辺差っ引いてお読みいただけますとー。
バックグラウンドで動作させる
Windows 編
Windows 版のクライアントは GUI なので、最小化しておけば画面に邪魔になることはありません。それとは別にサービス版のクライアントも用意されています。
ドキュメント(readme.service.txt)によりますと、以下の手順でインストール出来ます。
- GUI 版クライアントをダウンロードし、設定を行う。
- 同じディレクトリにサービス版クライアントをコピーする。
- 管理者モードで
.\ntprime64.exe -installを実行する。 - サービスの一覧に
"Prime Serviceが現れるので、実行設定を行う。
ただ、この通りにやってみたのですが手元の環境ではサービスが登録されない。Windows 10 Home だからですかね。またなんか分かったら追記します。
Linux/Unix 編
Linux/Unix 版クライアントもオプション無しで起動すると対話モードになります。Exit すると計算も止まってしまう。しかし、-d オプションを付ければ非対話モードで実行できます。
$ ./mprime -d >> mprime.log 2>&1 &
止めるときは kill コマンドでいけます。
$ kill `cat mprime.pid`
合わせてこんな感じのシェルスクリプトを作っておくと便利かもしれないですね。
#/bin/sh
case "$1" in
start)
./mprime -d >> mprime.log 2>&1 &
;;
stop)
kill `cat mprime.pid`
;;
esac
exit 0
他のPCで新規設定を省略する
複数のマシンを使ってファームを組んだりしていると、いちいちマシンごとに対話モードで初期設定を行うのが面倒になります。1台でセットアップすれば、他のマシンにも設定を持っていければと思いますが、その場合は prime.txt と local.txt をコピーすれば大丈夫。
ただしこれで万全とはいきません。設定情報にはホスト名の項目がありますから、ホスト名設定を変えたければやっぱり個別に設定する必要があります。
また、CPUやメモリの項目をマシンごとに最適化する場合も個別に設定が必要ですね。大抵の設定項目はデフォルトでもいいんですが、コア数だけは個別に設定した方がいいかな。
結局設定ファイルを持って行って便利なのってアカウント設定くらいでしょうかね。
取得した expornent を他のPCに持っていく
別のマシンに計算中も expornent を持っていくには、以下のファイルをコピーすればいけます。もちろん旧マシンでの計算は止めてからですが。
- worktodo.txt
- p04L5591(こんな感じのファイル名)
- p04L5591.*
取得した expornent が終了したら終了する
対話モードで起動し、「Advanced/Quit Gimps」を選択すると、以下のメッセージが表示されます。
You have elected to remove this computer from the Great Internet Mersenne
Prime Search. Other computers using this user ID will not be affected.
Please make sure your results have been successfully sent to the server
(the program will be idle rather than looping trying to contact the
server) before uninstalling the program. If in doubt, you can send the
results.txt file to woltman@alum.mit.edu.
You can either complete your current assignment or you can quit GIMPS
immediately. Do you wish to complete your current work assignments before
quitting? Y=Yes, N=No, C=Cancel (C):
今の計算が終わってから終了するか、今すぐ終了するか聞かれています。今の計算は終わらせてからにしたいので Y を選択します。
N を選択した場合、現在の expornet の割り当てを開放して、直ちに終了します。
上記にもあるとおり、退役するのは現在のマシンのみで、他のマシンで実行中のクライアントには影響はありません。
(2023/10/28追記)
途中まで計算した結果を放棄していいなら、そのままファイルを全部消して知らんぷりしても問題ありません。一定期間にに結果が返ってこない場合はGIMPS サーバ側で割り当てを解除するからです。お行儀はあんまりよくないなとは思いますけれども。
(2023/10/28追記おわり)
クライアントをバージョンアップする
これは簡単。以下の手順で OK。
- 今計算してるクライアントを停止する。
- ダウンロードした新クライアントのアーカイブを展開し、既存のディレクトリに上書きコピー。
- クラアントを再実行。