自己紹介
こんにちは!App Review(以降「審査」)チームのさんしです。
最近まで筋トレのモチベーションがダウンしてましたが、ネガティブ動作を意識したら停滞期を脱し、再成長を実感することができています。
同じことの繰り返しでは人は成長しない。
筋肉も仕事も一緒だと思いましたので、精進して参ります。
さて、審査チームは、ひとことで言うと提供するゲームの仕様やガチャなどの施策が、景品表示法や各種法令、その他業界ガイドライン上問題にならないかといった観点で、文字通り「審査」を行う仕事です。
業界的にニッチだと思いますので、しつこいようですが今までに投稿した内容も改めて紹介させてください。
2021:審査ってなあに?
2022:審査部門における他社連携の取り組み事例とこれからの話
ここまでは、審査という業務についてのご紹介や、業界内で類似した組織との他社連携事例についてご紹介させていただきました。
今回は、審査チームにて進めてきた社内啓発活動の取り組みと、今後についてご紹介させていただければと思います。
啓発の背景
みなさんの生活に身近な「審査」で例えます。
クレジットカードや賃貸契約の審査をイメージしてみてください。
どのような審査にせよ、必要な書類や情報を揃え、「審査提出」という工程が必ず入ると思います。
その際、せっかく提出したのに不備があって差し戻しがあると、大変ですよね。
ゲーム事業における審査も同様で、審査をする上で必要な情報が揃っていないと、都度差し戻しが発生し、開発側にも審査側にも双方の負担になってしまいます。
また、まだ情報が不足している程度であれば影響は軽微ですが、仮に「審査提出」をせずにリリースした結果、法令違反に抵触してしまった、というようなことが起きてしまうと、会社の事業を揺るがしかねない事態に陥りかねません。
幸いにも、審査体制が敷かれてからはそういったクリティカルな影響は出ていないものの、提出する側の担当者の審査への理解度が一定備わっていないと、それこそ「審査せずにリリースしてしまう」といったことになりかねない潜在リスクが潜んでいます。
そのため、そうしたリスクの未然防止を目的として、開発側にどういったことに注意するべきかを理解してもらうべく、啓発活動を行っています。
何をやってきたか
審査でチェックしている項目を一部紹介しますと、不当表示やコンプガチャ、景品価格規制等を確認しています。
日々の実務の中で「次からは景品価格の情報もくださいね」など注意喚起した場合、担当者の理解度は上がるかもしれませんが、それだけでは組織単位での理解度向上には繋がりません。
組織単位で、しっかりと審査の目的や重要性、どういったことに注意が必要なのかについて向き合っていただく時間が必要でした。
これらの課題を解決する為にどういった取り組みを行ってきたのか、事例をご紹介します。
審査勉強会
約10年程前に今の組織に近い体制になったのですが、その頃から始めた活動です。
色々やり方はありますが、コンテンツ自体は共通したものを準備しつつ、プロダクト毎に実施していました。
メリットとしては、プロダクト毎にカスタマイズが可能な為、「あ、このゲームでいうとこれのことね」と理解を促進できます。
デメリットとしては、プロダクト毎に実施していたことで、工数がかかり定期開催には向かないことでした。
また、勉強会の実施可否はプロダクト相談ベースになる為、必要ないと思われると、そもそも開催できません。
とはいえ、単発での実施でも効果は得られる為、今でも担当者の入れ替えや組織変更などがあった際にショットで開催することで、リスク未然防止に努めています。
審査研修
上述のとおり、勉強会だけでは強制力は無く、またショットでの開催だと受講者の網羅性も担保できないという課題がありました。
そこで、新卒・中途入社者向け審査研修を導入しました。
四半期毎に、新たに入社した従業員向けに実施する、一方向型のセミナー形式の研修です。
開始当時人事部にも掛け合ったところ、意義について高い評価をいただき、会社としての必須受講研修として開始することができました。
2018年に導入し、現在まで継続実施中の取り組みとなります。
開始当時はセミナールームにてオフライン開催していましたが、コロナ禍をきっかけに現在ではZOOMにてオンライン開催しています。
メリットは、一度に多くの対象者に啓発ができる点。
多い時では200名程度になることもあります。
人事と連携して入社者リストを元に受講必須にしている為、網羅性も担保できます。
また、四半期に一度、開催時間は1時間程度ですので、工数的にも対応可能です。
デメリットは、プロダクト毎のカスタマイズができないこと。
ですが、具体事例や世の中で起きた事例を多数紹介することで、極力イメージしやすいように工夫しています。
一方向型なので理解度が測れないことも課題でしたが、研修後に簡単な理解度テストを実施することで対策しました。
研修中の緊張感の醸成にも効果を発揮しています。
この研修は、都度アンケートを実施していますが、受講してよかったというポジティブな評価は常に90%~95%と高い数値を維持しています。
社内ポータルへの記事配信
勉強会も研修も、とても意義のある取り組みだという自負はあるのですが、「興味を持ってもらう」ということも重要であると考えました。
そこで、社内ポータルで審査業務に関する記事を配信する取り組みを開始しました。
記事は、企画の時に注意すべきポイントや、どういう時に審査が必要なのかについて、審査の鬼「さんし」と駆け出しのプランナー「ケメ子」の掛け合いで構成されています。
(以下、実際の記事一部抜粋)
この取り組みのメリットは、よりカジュアルに審査のことを知ってもらえる点です。
頻度高く配信していた頃は、平均300PV程度の閲覧がありました。対象従業員のおおよそ半数近くは閲覧していたものと考えています。
ですが、こちらの効果はどうしても定性的で「記事面白いね」などと声をかけていただくことはあれど、業務にどの程度効果が現れていたかの評価が難しいという点が課題に残りました。
また、記事の企画・レビュー工数が高く、定期配信するコストが高いです。
今では非定期配信とし、カジュアルに配信したい内容があった際に、配信するようにしています。
今後の予定
ここまで、審査チームが取り組んできた啓発活動について紹介させていただきました。
現状の継続課題としては、「定期的な啓発」を、「講師・受講者共に可能な工数内で実施する」ことですが、実は定期受講を前提としたeラーニング研修を、今まさに準備中です。
元々セミナー形式で実施していた研修をベースにしている為、ゼロベースで構築する必要はありません。
内容については法務部門にもレビューに入っていただき、精度を担保しています。
初回開催は年明け以降を予定している為、まだ先になりますが、これが開始できればショットでの啓発、網羅的な啓発に加え、定期的な啓発という力強いメニュー構成になります。
結局は内容次第なところもありますが、今後ブラッシュアップしていき、運営品質の向上に貢献できる取り組みにしていければと思います。
会社の組織規模や構成などによって最適解は様々かと思いますが、グリーグループの審査部門にて実施している啓発活動について、紹介させていただきました。
参考として、一助になれば幸いです。