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グリー品質管理Advent Calendar 2022

Day 7

審査部門における他社連携の取り組み事例とこれからの話

Last updated at Posted at 2022-12-06

自己紹介

こんにちは!App Review(以降「審査」)チームのさんしです。
好きな筋トレメニューはベンチプレスです。
ですが、最近は成長が鈍化しており、再成長著しい広背筋に浮気気味。ラットプルダウンもお気に入りです。
レッグプレスは数年前から公営ジムの最高重量に到達してしまい、モチベが湧きません。

さて、審査チームは昨年初めてアドベントカレンダーに投稿させていただきました。(当時の記事はこちら

最初だったので「審査とは?」という導入について書かせていただいたのですが、ここ最近弊社でいうところの「審査」に近い組織(以降「審査部門」と言います)が他社でも組成されてきている傾向にあり、意見交換会など行わせていただいています。

そこで、これまで他社連携をしてきた振り返りを記事にできればと思い、今回投稿させていただきます。

背景

「審査」という業務は、約5年程前までは他社で実施しているという話はほとんど聞いたことがありませんでした。
そんな中、ガチャの不当表示対策や各種法令チェックについて、こんな悩みを他社から聞く機会がありました。

・CSやQAの延長で、片手間で見るには限界がある
・法務が見るにも、リソースが足りない

QAでは合同勉強会など先行して他社連携を行ってきていた為、その流れで聞くに至ったのです。
そこで、業界では珍しい審査業務を長年行っていた経験が少しでもお役に立てればと思い、情報交換をしようとなったのがはじまりです。

他社連携のねらい

「そんな貴重な経験値を他社に展開してしまっていいの?」と思うかも知れません。
「ゲームを作る側」でいえば、他社はライバル。情報を提供することが命取りになるかもしれません。
しかし、私達審査チームの役割は、お客さまのあんしん・あんぜんを守ることです。
「自分の会社だけきちんとできれいればいいや」ではダメなんです。

例えば、同じモバイルゲーム業界でニュースに取り上げられるような問題が起きた場合、「うちはやってないから関係ないや」で済まされるでしょうか?
その影響は、業界全体に波及するのではないでしょうか。
「あなたの会社は大丈夫なんですか。変なことやってるんじゃないですか」など、トラブルを起こした当事者だけでなく業界全体への不信感につながる可能性もあります。

また、実務面でも「うちは大丈夫なのか」「今の体制で十分なのか。もっとやるべきじゃないのか」など、体制面含め様々な見直しが入り、業務を圧迫することにもなりえます。
であれば、何か起きてからではなく、他社と情報連携を行うことで「トラブルが起きづらい業界」に少しでも繋げることができれば、みんなハッピーだと思いませんか?

そのため、私達は「情報を出し惜しみしていても仕方がない。業界内で協力しあって、業界全体のあんしん・あんぜんに繋げていきたい」という想いで、積極的に他社連携を進めるようにしています。

どんなことしてきたの?

最初は、「これから審査体制を検討する」フェーズの会社がほとんどなので、グリーで行っている審査業務について共有するところからはじまりました。
これが約5年程前になるかなと思います。
数社に対し同じように情報共有を行ってきた結果、ここ数年で審査部門が増えてきた印象です。
各社課題感がある中で必然的にそういった組織が組成されてきているのだとは思いますが、グリーの審査体制について積極的に情報共有をしてきたことで、多少は力になれた部分もあるのではないかと思います。

現在は、同じ審査部門同士、各社の体制や、業務内容、持っている課題感などの共有をさせていただいています。
会社によってはNDAを締結し、より踏み込んだ情報の共有をすることもあります。

会社の規模や取り扱っているタイトル数などにもよって審査体制は異なってくるので、業務内容や体制面は三者三様ですが、他社連携してきてよかった!と感じています。

理由:「審査」には業界標準がないから

審査は、QAやCSと異なり「どの会社でも当たり前に存在する業務」ではありません。
他社連携するまでは、「普通こうやるよね」という考えすらなく、相談する相手もいないので、ゼロベースで課題に取り組んでいました。
今では、定期的に開催する意見交換会の中で、「この問題に対してどう考えてますか?」「どう対処しましたか?」と、お互いに相談しあえることで、組織強化の一助になっています。

これからの他社連携

審査部門が増えてきたことは、個人的には本当に喜ばしい流れだと思っています。
それは、グリーグループで古くから運用してきた審査体制が、業界にとって必要だったということの証明にもつながるからです。
その部門で四苦八苦してきた自分にとっては存在意義を証明できたようなものです。

また、同じ審査部門が業界に拡がれば拡がる程、キャリア形成にもつながるという点でも喜ばしいことだと思います。
(メンバーに転職してほしいわけではありません!)

今後については、これまで数社と意見交換会をさせていただいていますが、更に拡げていきたいと思っています。
ここ数年で審査部門が増えてきているとはいえ、まだまだ業界内ではニッチな存在です。
ですから、「組織化はされてないけど課題感がある」「これから検討していきたい」というフェーズの会社と連携を拡げていくことで、ゆくゆくは「モバイルゲーム業界には審査業務が当たり前に存在する」という状態にしていくことが野望です。

とはいえ、拡げたくてもコネがないと拡げられないのも事実。。。

もし、この記事をご覧になって、「うちも考えないといけないんだよな~」など、少しでも課題感がある企業様がいらっしゃいましたら、是非是非お声がけいただけたらうれしいです!

ということで、これまでの他社連携について振り返ってみました!
これからも、お客さまがあんしん・あんぜんにゲームを楽しんでいただけるよう、尽力して参ります!

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