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RAGの回答精度は「モデル」より「データ前処理」で決まる

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Last updated at Posted at 2026-01-01

はじめに

最近、ノーコードの生成AIツール(Dify / Flowise / LangFlow など)を触りながら、
RAG(Retrieval-Augmented Generation)を使ったアプリケーションを作る機会が増えてきました。

最初は

「モデルを変えれば精度が上がるのでは?」
と思っていたのですが、実際に手を動かしてみると、

RAGの精度は、ほぼ「投入前のデータ」で決まる

という結論にたどり着きました。

この記事では、

  • RAGの回答精度がなぜ落ちるのか
  • PDFなどの既存ドキュメントをどう扱えばいいのか
  • 構造化・データクレンジングを実務でどう進めるのか

を整理します。


RAGの精度が出ない理由(最初にハマったポイント)

RAGでよくある失敗は、だいたい次のパターンでした。

  • PDFやWordをそのまま全部突っ込む
  • チャンク分割をツール任せにする
  • FAQ・手順・規程が混ざったまま
  • 表記ゆれ・古い情報がそのまま残っている

結果として、

  • 検索は当たるけど回答がズレる
  • 関係ない情報を混ぜて回答する
  • 条件や例外を間違える

という「もっともらしいけど間違っている回答」が出ます。


RAGにおける「構造化」とは何か

RAG文脈での構造化は、
**DB設計の話というより「検索しやすい意味単位に整えること」**です。

ポイントは3つ。

① 1チャンク = 1トピック

  • FAQ:1質問+1回答
  • 手順:1目的単位
  • 規程:1条文+例外

② メタデータを付ける

最低限あると強い項目:

  • title(見出し)
  • type(FAQ / 手順 / 規程 / 用語)
  • topic(業務・機能名)
  • audience(誰向けか)
  • date / version
  • source(出典)

③ 文書の種類を混ぜない

  • FAQ
  • 手順書
  • 規程
  • 用語集

これを分けるだけで、検索精度はかなり改善します。


PDFはどう扱うべきか?

結論から言うと、

PDFは「直接修正するもの」ではない

です。

PDFはあくまで「人間向けの最終成果物」なので、
RAGでは 中身を取り出して再構成 します。


PDFをRAG用にする基本フロー

PDF
↓(テキスト抽出 / OCR)
編集可能なテキスト
↓(構造化・クレンジング)
RAG用チャンク+メタデータ


PDFからテキストを取り出す方法

① 文字ベースPDF(コピーできる)

  • Google Drive → Google Docsで開く
  • Wordで直接開く
  • Adobe Acrobat

② スキャンPDF(画像)

  • Google Drive OCR
  • Adobe Acrobat OCR
  • ChatGPT(画像PDF対応)

※ この段階では誤字があって当たり前。
 後でAI+人で修正します。


データクレンジングでやること

PDF由来の文章は、そのままだとRAGに向きません。

やることは主に以下です。

  • 不要な前文・目次・脚注を削除
  • 1トピック1意味に分割
  • 長文を「手順 / 条件 / 例外」に分解
  • 表記ゆれを統一
  • 曖昧表現を減らす

AIを使った実務的なやり方

個人的に一番効いたやり方です。

① PDF由来テキストをAIに渡す

② こう指示する

この文章はPDF由来の業務マニュアルです。
RAG用に以下をしてください。

・1チャンク1トピックに分割
・手順/ルール/補足を分ける
・意味を変えずに簡潔にする
・表記ゆれを統一する

③ 人がレビュー

  • 解釈が変わっていないか
  • 条件・例外が落ちていないか

👉 AIは清書係、人は意味保証


構造化データの保存形式

ノーコードRAGでは、以下の形が扱いやすいです。

スプレッドシート例

title type topic audience content
旅費申請の流れ 手順 旅費 一般職員 ①〜②〜③

Notion DatabaseやCSVでも同じ考え方でOKです。


ノーコードRAGツールに入れて検証

ここでやっとRAGツールに投入します。

検証時のチェック観点:

  • 回答に使われるチャンクは適切か
  • 関係ない情報を拾っていないか
  • 日付・条件・例外を間違えていないか

精度が悪ければ、
👉 モデル変更より先にデータを疑う のが重要でした。


学んだこと(まとめ)

  • RAGの精度は「モデル」ではなく「前処理」で決まる
  • PDFは直接編集しない。中身を再設計する
  • 構造化は「1トピック1意味」が基本
  • AIと人の役割分担が超重要

ノーコードRAGは手軽ですが、
データ設計だけはちゃんとエンジニアリングする必要がある
というのが一番の学びでした。


おわりに

まだ勉強中ですが、
「RAG=検索」ではなく
「RAG=情報設計」だと理解できたのは大きな収穫でした。

同じようにRAGで悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

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