1. はじめに
VMware vExperts Advent Calendar 2023 の12日目の記事です。
VMware Cloud on AWS 環境でクラスタを追加する際に、あえてCPUコア数を変更(減少)させることができます。
ホストの利用料金も変わらないのにあえて利用できるリソース(CPU)を制限してなんの意味があるのかと不思議に思われるかもしれませんが、CPUコア数課金のOSライセンスなどのソフトウェア費用を節約したい場合などに選択肢として挙がります。
デフォルト(初期作成される)のクラスタではカスタムCPUコアの設定はできません。あくまで追加作成するクラスタのみが対象です。
またカスタムCPUコアの設定はあとから変更(コア数を増やすなど)できませんのでご注意ください。
例えばVMware Explore 2023でアナウンスされた新規VMware Cloud on AWSインスタンスタイプM7iなどは、搭載RAM容量に比べてCPUリソースが偏重しているのでカスタムCPUコアが有効になってくるかもしれません。
2. 今回の構成
i3.metal x2ホスト構成でSDDCを初回作成したあと、追加クラスターとしてカスタムCPUコアのi4i.metal x2ホストを追加しています。
非常に勿体なく感じますが、今回i4i.metalのCPUコアは1ホストあたり16コア(デフォルトは物理64コア)としています。
3. 実環境で確認してみる
カスタムCPUコア追加クラスターのデプロイ手順
最初はi3.metal x2ホストのSDDCを準備しています。
「ADD CLUSTER」を選択します。
Number of CPU Cores Per Hostの選択で、デフォルトの64から16に変更します。
CPU Coresの設定以外はデフォルトのままとします。今回はi4i.metal x2ホストのクラスターを追加します。
「ADD CLUSTER」を選択すると、クラスターの追加が実行されます。
デプロイ後
デプロイ後を確認すると次のようになります。
Cluster-1、Cluster-2にそれぞれ2ホストずつ構成されています。
Cluster-1 (i3.metal x2ホスト)
Total Processors (コア数) をみると72となっているのが確認できます。
Cluster-1、i3.metalホスト (カスタムCPUコア設定なし)
より詳細に確認すると、2ソケットで各ソケットには18コアを割り当てていると認識しています。(1ホストあたり合計36物理コア)
i3.metalではハイパースレッディングが無効であるため論理コア数は物理コアと同じく36となっています。
Cluster-2 (i4i.metal x2ホスト、カスタムCPUコア)
Total Processors (認識している物理コア数) をみると32となっているのが確認できます。
デフォルトのi4i.metalは1ホストあたり物理64コアのため、カスタムCPUコア設定をしない場合は128 (=64コアx2ホスト)となります。
Cluster-2、i4i.metalホスト (カスタムCPUコア設定あり)
論理コア数は32となっているのが確認できます。デフォルトでは論理コア数は128ですので、コア数が4分の1となっているのがわかります。
より詳細に確認すると、2ソケットで各ソケットには8コアを割り当てていると認識しています。(1ホストあたり合計16物理コア)
i4i.metalではハイパースレッディングが有効であるため論理コア数としては2倍の32となっています。
(参考) カスタムCPUコア設定無しの通常のi4i.metal x2ホスト構成の場合
Total Processors (認識している物理コア数) をみると128になっているのが確認できます。
デフォルトのi4i.metalは1ホストあたり物理64コアのため、64コアx2ホストで128コアとなっています。
より詳細に確認すると、2ソケットで各ソケットには32コアを割り当てていると認識しています。(1ホストあたり合計64物理コア)
i4i.metalではハイパースレッディングが有効であるため論理コア数としては2倍の128となっています。
3. 参考資料