Claude Codeを使って実際に運用している2つの個人プロダクトの開発・運用プロセスを題材に、CLAUDE.md・新機能開発・リファクタリング・自動化・失敗談まで6章にまとめた本を出した。
「触ってみた系」のClaude Code記事は既に多い。本書はそこと違って、動いているプロダクトをClaude Codeで実際に作って・回している人間が、現場のディテールを書いた本になる。CLAUDE.mdの中身、permissionsの設計、自動化スクリプトの構造、ハマりパターン。すべて実プロジェクトで使っているものをベースに解説する。
価格は300円。第1章は無料で読めるので、合うかどうかをまず1章で判断してほしい。
題材にした2プロダクト
ぱんだツールズ — PDF・CSV・画像処理ツール集。Next.js 16 + TypeScript + Cloudflare Pages 構成で、83個のツール(2026年5月時点)がブラウザ内完結で動く。sakutto-panda.com で公開している。
RakuScan — プラグイン型投資分析システム。Python 3.13 + uv 構成で、16個の投資手法プラグインが日本株を毎日自動スクリーニングし、Claude APIがレポートを統合してDiscordに通知する。
いずれも書いて終わりではなく、現在進行形で運用しているプロダクトになる。本書はこの2つの開発・運用プロセスでClaude Codeをどう使っているかを章ごとに掘り下げる。
「触ってみた系」と何が違うか
Claude Codeを扱った記事や本は既に多い。多くは「触ってみた」「機能を試してみた」という紹介寄りの構成になっている。本書はそこと差別化するために、次の3つを軸にしている。
1. 実プロジェクトのCLAUDE.md・permissionsをそのまま晒す
ぱんだツールズで実際に使っているCLAUDE.mdの構造、permissionsの設計、ブランチ戦略のセクションをそのまま見せている。
# Webツールポータル — Claude Code ガイド
## プロジェクト概要 ← システム構成・ターゲット市場
## 技術スタック ← Next.js 16, TypeScript, Cloudflare Pages...
## ディレクトリ構成 ← src/lib, src/components, src/app の役割分担
## lib/ 規約 ← 純粋関数のみ、ファイル名は動詞、テスト配置
## TypeScript / コーディング規約 ← any禁止、Props named interface
## ブランチ戦略 ← main / develop / feature の三層構造
## 並列エージェント開発 ← worktree必須
特に効いているのは「ブランチ戦略」と「並列エージェント開発」のセクション。どちらも実際に踏んだ事故から追記された箇所で、なぜそのルールが要るかの背景まで第2章で書いた。
2. 「上手くいかなかった」ケースを正直に並べる
ポジティブな話ばかりだと、読者の期待値がズレる。本書では第6章を「失敗談と上手くいかないケース」に丸ごと割いた。
- 長いコンテキストで起きる幻覚(存在しない関数を呼ぶ、別ファイルの型を勝手に作る)
- UIの最後の20〜30%は手で書く方が早い
- 大規模リファクタリングで影響範囲を見誤る
- スキル化してもプロンプトの当たり外れが残る
それぞれに対策と「どこで線を引くか」を書いた。Claude Codeの限界を知っておくと、変な期待をせずに済むし、結果的に活用範囲が広がる。
3. 「コードを書く前にレビューさせる」など現場フローを言語化
リファクタリングをClaude Codeに任せるときは、いきなり「直せ」ではなく「どこが直せるか挙げろ」と指示する。
src/data/cache.pyをレビューしてほしい。
重複している処理・不要な抽象化・パフォーマンス上の問題を箇条書きで指摘して。
まだコードは書かなくていい。指摘だけ出してほしい。
返ってきた指摘を取捨選択して、必要なものだけ直させる。レビュー → 取捨選択 → 修正依頼の3段で進める——これがリファクタリングをClaude Codeに任せるときの基本フローになる、という話を第4章で実例つきで書いた。
新機能開発(第3章)も同様で、雑なプロンプトと整理されたプロンプトの差を実例で並べている。
6章の全体像
PJT別ではなく**「Claude Codeに何をやらせるか」**で章を切った。自分のプロジェクトと照らし合わせて読みやすいはず。
| 章 | テーマ | 主な題材 |
|---|---|---|
| 1 | なぜClaude Codeで個人開発が変わったか | 導入(無料) |
| 2 | 最初の設定が9割 — CLAUDE.mdとpermissions | ぱんだツールズ |
| 3 | 新機能開発での使い方 | ぱんだツールズ |
| 4 | 既存コードのリファクタリング | RakuScan |
| 5 | スクリプト・自動化を任せる | 両プロダクト |
| 6 | 失敗談と上手くいかないケース | 両プロダクト |
第1章は無料で読める。「個人開発の3つの壁(時間がない・レビュー相手がいない・地味な作業で失速する)に対してClaude Codeがどう効いたか」という、本全体の動機を凝縮した章になっている。ここを読んで合うかどうか判断してほしい。
誰に向けた本か
- 既にClaude Codeを触っているが、他人がどう使っているかを知りたい人
- 個人開発で実際に活用したいが、設定や運用の勘所が掴めていない人
- 「触ってみた系」の記事は読み終えて、もう一段深い実例が欲しい人
- CLAUDE.mdをまだ書いていない、もしくは雑な状態のまま放置している人
逆に、Claude Codeを全く触ったことがない人には向かない。本書はインストールや基本コマンドの解説は扱わない。既に使っている前提で、現場の運用ノウハウに振り切った構成になっている。
扱う範囲はコード・設定・自動化に絞った
Claude Codeの活用範囲は本来もっと広いが、本書ではコード・設定・自動化の領域にフォーカスした。テストの追加、リファクタリング、CI/CDスクリプトの整備、CLAUDE.mdの設計といった、エンジニアリング作業そのものを加速する使い方が中心になる。
読者が自分のプロジェクトに持ち帰って、すぐ試せる粒度の話に絞った。第5章の自動化パートでは GitHub Actions の YAML、Node.jsスクリプト、Playwrightテストといった「仕様が明確で、定型処理が多い」コードをClaude Codeに任せるパターンを実例つきで載せている。
まとめ
300円・6章・実プロダクト2つ分の現場記録。
第1章は無料で読める。Claude Codeを既に触っているなら、まずここを開いて、合うかどうかを判断してほしい。
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