ぱんだツールズ という無料Webツール集を個人開発している。PDF・画像・CSV・テキスト処理など、ブラウザだけで完結するツールを現在80本超公開中。
このサイトで Google AdSense の審査に2回落ちた。理由は2回とも同じ「有用性の低いコンテンツ」。
1回目の不合格後にそれなりの対策をして再申請したが、結果は変わらなかった。ただ、2回目に落ちたことで「小手先の修正では根本的にダメだ」と気づき、サイト全体の方針を大きく転換することにした。
この記事は、前回の記事の続編だ。
1回目の不合格後にやったこと
前回の記事で書いた通り、1回目は2026年4月6日に不合格通知が届いた。そこから約1週間、以下の改修を実施した。
テキストコンテンツの増量
- 当時の全46ツールに「このツールについて」セクションを追加: ツールの背景知識・仕組み・注意点を解説するテキストを各ページに追加
- 6カテゴリページにガイドテキストを追加: PDF・画像・CSV・テキスト・開発者ツール・ファイルの各カテゴリに800〜1,500文字の解説文を追加
- トップページに「ぱんだツールズとは」セクションを追加: サイトの目的と特徴を説明するテキストを設置
SEO・技術面の改修
- og:image の追加、タイトルタグの統一
- sitemap の漏れ修正、canonical URL の設定
- Google Search Console の分析に基づいて主要6ツールのFAQを強化
- Aboutページに運営者の経歴・動機を具体的に追記
機能面の強化
- 画像ツール4種(画像圧縮・リサイズ・ぼかし・部分ぼかし)に処理結果プレビュー機能を追加
- ヘッダー常設型のツール検索機能を追加
「これだけやれば通るだろう」と思っていた。
2回目も同じ理由で落ちた
2026年4月15日、2回目の不合格通知が届いた。
理由はまったく同じ「有用性の低いコンテンツ」。
正直、かなり堪えた。FAQ を増やし、解説テキストを追加し、SEOメタを整え、プレビュー機能まで追加して——それでも Google の評価は「有用性が低い」のまま変わらなかった。
なぜ通らなかったのか
2回目に落ちて、冷静に分析し直した。見えてきたのは、1回目の対策が「枝葉」でしかなかったということだ。
サイト年齢が短すぎた
ぱんだツールズの開設は2026年3月末。2回目の申請時点でまだ3週間しか経っていない。Google はサイトの信頼性を評価する際に、ドメインの運用歴も見ている。生まれたばかりのサイトが何を書いても、信頼性の蓄積がゼロに近い。
エディトリアルコンテンツがゼロだった
これが最大の問題だった。
1回目の対策で追加した「このツールについて」セクションやFAQ——あれは Google から見ると「ツールページの付属テキスト」であって、「独立したコンテンツ」ではない。
AdSense が求めているのは、人間の専門知識や経験に基づくエディトリアルコンテンツだ。「CSVの文字化けはなぜ起きるか」「HEICとJPEGの違いは何か」といった、読み物として成立する記事。ツールの使い方FAQを何百問追加しても、それはエディトリアルコンテンツにはならない。
E-E-A-Tの証明が不十分だった
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点で言えば、ぱんだツールズには「この分野の専門家が運営している」という証拠がほとんどなかった。Aboutページに経歴を書いただけでは弱い。サイト内に専門的な知見を示す記事がないと、E-E-A-Tは成立しない。
「ツールが動く」はコンテンツではない
ここが1回目の記事でも書いたことだが、2回目に落ちて改めて痛感した。ブラウザ完結のツールは、処理ロジックがすべてクライアントサイドのJavaScriptで動いている。Google のクローラーが見ているのはHTMLだけで、ツールの実装品質は評価に反映されない。70本超のツールが完璧に動いていても、HTMLに読めるテキストコンテンツが薄ければ「有用性が低い」と判定される。
方針転換:AdSenseを追わず、コンテンツを育てる
2回連続で同じ理由に落ちたことで、アプローチを根本から変えた。
「AdSenseに通すための対策」をやめて、「サイトとしてのコンテンツを本気で作る」に切り替えた。
具体的には以下の判断をした。
6月まで広告を入れない
現在のぱんだツールズは1日50PV前後。この規模で広告を載せても、月の収益は150円程度にしかならない。広告のためにサイト体験を犠牲にする段階ではない。
6月まではサイト年齢を3ヶ月以上にしつつ、コンテンツとSEO流入の基盤を作ることに全集中する。
ガイド記事セクション /guides/ を新設した
これが今回の方針転換の核。前回の記事では「ブログは作らない判断」と書いたが、今回新設したのはブログではなく、各ツールの背景にある技術知識を解説するガイド記事だ。ツールページとは独立した読み物として、技術的な背景知識を本格的に書き始めた。
方針転換した直後の約2週間で15本のガイド記事を書き、その後も継続的に追加している。本記事執筆時点で45本を超えた。
- 文字コード・エンコーディング: CSVの文字化けはなぜ起きる?Shift_JISとUTF-8の違いを図解
- 画像フォーマット: iPhoneのHEIC写真をJPEGに変換する方法と仕組み / 画像を軽くする方法 / WebP変換
- PDF: PDF圧縮の技術背景 / PDF結合・分割の方法
- セキュリティ: SHA256・MD5ハッシュ値解説 / 写真のEXIF情報とプライバシー
- 技術背景: QRコードの仕組み / ファイル形式の選び方
ガイド記事には以下の設計を入れている。
- HowTo 構造化データ: 手順型のschemaを実装し、Google検索でリッチリザルトを狙う
-
著者情報の構造化データ:
authorschema に sameAs(X / Zenn のURL)を含め、E-E-A-Tを補強 - 更新日の明示: 記事のフレッシュネスをクローラーに伝える
- カテゴリ別ピラーページ: 文字コード・画像・PDF・セキュリティ・技術背景の5カテゴリで記事を整理
ツールページにも SoftwareApplication schema を追加
FAQの構造化データだけでなく、SoftwareApplication schema を全ツールページに追加した。Google に「ここはソフトウェアツールのページだ」と正確に伝えるための対応。
1回目で気づいたこと vs 2回目で気づいたこと
| 1回目の気づき | 2回目の気づき | |
|---|---|---|
| 問題の認識 | テキスト量が足りない | テキストの「種類」が足りない |
| 対策の方向 | 既存ページにテキスト追加 | 独立した読み物コンテンツを新設 |
| コンテンツ観 | ツールが動く=価値がある | ツールが動く≠コンテンツがある |
| 時間軸 | すぐ再申請 | 6月まで焦らない |
| ゴール | AdSenseに通す | サイトの信頼性を育てる |
1回目は「足りないものを足す」発想だった。2回目は「そもそもの構造が違う」と気づいた。
3回目の申請は6月以降
次の申請は急がない。条件として以下を設定している。
- サイト年齢が3ヶ月以上になる(6月末で達成)
- ガイド記事を継続的に拡充する(現在45本超・引き続き追加中)
- オーガニック検索流入が安定する(Google Search Consoleで確認)
- 広告なしのクリーンな状態で申請する
3回目で通るかはわからない。ただ、仮に通らなくても、ガイド記事を書くこと自体がSEO的に意味のある施策なので、無駄にはならない。
同じ壁にぶつかっている人へ
ツール系サイトでAdSenseを目指している個人開発者は少なくないと思う。2回落ちた経験から、伝えたいことが3つある。
1. FAQや説明文の追加は「コンテンツ」としてカウントされにくい。 ツールページに付随するテキストではなく、独立した読み物記事が必要。ガイド記事・ブログ・チュートリアルなど、形式は何でもいいが、「人間が専門知識をもとに書いた文章」であることが大事。
2. サイト年齢は想像以上に影響する。 開設1ヶ月で通る例もあるが、ツール系サイトは「自動生成コンテンツ」と誤認されやすい構造を持っている。時間をかけて信頼性を積み上げるしかない。
3. 落ちたこと自体は悪いことではなかった。 AdSenseに通すために始めた改修が、結果的にサイトのコンテンツ品質を大きく引き上げた。ガイド記事を書くことで、ツールの背景知識が体系的に整理され、サイト全体の価値が上がった。審査に落ちなければ、ここまで本気でコンテンツを作らなかったかもしれない。
結果が出たら、またこの続きを書く。
ぱんだツールズ では PDF・画像・CSV・テキスト処理など80本超の無料ツールを公開中。全部ブラウザ完結・登録不要で使える。
https://sakutto-panda.com
この記事は Zenn にも同じ内容を投稿しています。


