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文書構造を意識してWordを使う

Last updated at Posted at 2026-01-12

はじめに

一般的な企業において、MicrosoftのWordで文書作成することは避けられません。Markdownなどの構造化テキストも便利なのですけれど、画像や表を単一のファイルに見たまま保存できることも便利です。とはいえ、Wordというソフトウェアはなかなか奥が深くて、快適に使うには少々勉強する必要がありました。僕なりにたどり着いたのは、「スタイル」「図表番号」「相互参照」を適切に使い、文書構造を意識することでした。

スタイル

スタイルを割り振る

Wordには「スタイル」という機能があります。この機能は文書の「構造」と「見た目」を分離できる素晴らしい概念です。もし、Webサイトを作った経験があれば、HTMLのタグとスタイルシートの関係をイメージすれば分かりやすいと思います。

下図の文書を例に説明していきます。この状態ではタイトルと見出しと本文が明確には区別されていません。1行目がタイトルで、「1.はじめに」が最初の見出し、次が本文、という感じが汲み取れますが、そのような構造情報が明示的には与えられていません。

スクリーンショット 2026-01-10 103713.jpg

この文章にスタイルを適用して文書構造を明示します。「ホーム」メニューの「スタイル」に横長のスペースが取られていて、「標準」「行間詰め」「見出し1」「見出し2」「表題」などが並んでいます。これを使います。

本文中の、スタイルを適用したい行にカーソルを置いて、スタイルのうちのどれかを選ぶことでスタイル指定できます。スタイルは段落単位(行頭から改行まで)での指定となるので、ドラッグする必要はありません。

「表題」「見出し1」のスタイルを適用した結果が下図です。少し文字が大き過ぎるのは後で調整します。ここで大切なのは、「表題」部分や「見出し1」部分という文書構造情報を付与したことです。

スクリーンショット 2026-01-12 131041.jpg

見出しを自動付番する

見出しは自動的に連番が与えられるようにします。インデントなしの数字の連番リストが使いやすいように思います。

見出しとして指定した部分にリストを適用すると、下図のように行頭の数字が自動的に付番されます(見た目は先程とほとんど同じです)。

スクリーンショット 2026-01-10 104620.jpg

自動付番にしておくと、途中に項目を追加した場合に、ありがたみを感じます。項目が3個か4個なら手動で直しても大した手間ではありませんが、それ以上多くなると手作業で修正するのは手間です。自動付番であれば、10個でも100個でも、勝手に番号が修正されるので便利です。

スクリーンショット 2026-01-10 104523.jpg

スタイルの書式を変更する

次に、スタイルの書式(見た目)を調整します。「ホーム」メニューの「スタイル」から、書式変更したいスタイル(ここでは「見出し1」)を選び、右クリックから「変更」を選択します。

フォントサイズを12にして、太字にしておきましょう。

スタイルが便利なのは、同じスタイルを適用した箇所を一括して変更できることです。「見出し1」の書式を変更すれば、「見出し1」として設定した部分が全て変更されます。

スクリーンショット 2026-01-12 131905.jpg

もし、スタイルを使っていない場合、見出しの箇所を一つずつドラッグし、フォントサイズを変更し、太字にする、という作業を見出しの数だけ行わないといけません。スタイルを指定しておけば、あとからいくらでも一括で変更できます。

これが、文書構造と見た目を分離するメリットの一つです。

相互参照

慣れないとややこしい相互参照機能ですが、慣れると非常に便利です。

図番号を設定する

「図表番号の挿入」を使うと、図や表の番号を自動的に付番してくれます。標準では「表」と「図」などが用意されています。「Fig.」などを追加することもできます。これも手動で入力すると非常に不毛な作業になってしまいますが、自動付番にすれば間違いはありませんし、図の入れ替えも容易です。

図番を挿入したい場所にカーソルを置き、「参考資料」メニューの「図表番号の挿入」をクリックします。

スクリーンショット 2026-01-12 131209.jpg

「ラベル」を「図」にして、「OK」を押します。

スクリーンショット 2026-01-12 131249.jpg

これで図番が挿入されます。勝手に太字になってしまいますが、これは、図表番号のデフォルトスタイルが太字に設定されているためです。

スクリーンショット 2026-01-12 131357.jpg

見た目を変更したい場合は、先程見出し1のスタイルを編集した場合と同様に、「ホーム」メニューの「スタイル」で図表番号を右クリックして「変更」を選んで設定できます。

本文から特定の図を呼び出す

スタイルや図表番号を使って文書構造を与えることで、「相互参照」機能を使って情報を別の場所から参照することが可能になります。

本文中で「図1に示すように」などと説明をすることは多いです。「図1」を直接記載(いわゆるハードコーディング)すると、図の番号が変わってしまったら、本文も手動で修正しなければならなくなります。このような処理は人間が行わずに、Wordというソフトウェアに任せてしまおうというのが相互参照です。

本文に図番を挿入したい場合には、挿入したい場所にカーソルをおいて、「参考資料」の「相互参照」を開きます。

スクリーンショット 2026-01-12 132048.jpg

「参照する項目」を「図」にして、「相互参照の文字列」を「番号とラベルのみ」にします。「図表番号の参照先」の一覧から参照したい図を選んで「挿入」を押します。

スクリーンショット 2026-01-12 132236.jpg

これで「図 1」が自動挿入されました。

スクリーンショット 2026-01-12 132332.jpg

挿入する際、「相互参照の文字列」を「番号とラベルのみ」にしておかないと、初期設定の「図表番号全体」が適用されてしまい、図番に加えて説明文も一緒に追加されてしまうので注意が必要です。

また、よく見ると「図」と「連番」の間に半角スペースが空いています。気になるかもしれませんが、こういう仕様なので、気にしないのが一番です。

注意点

これらの機能を使う上でのただ一つの注意点は「参照対象が含まれるページは同一ファイルに含める」ことです。長い報告書の場合は、章ごとに分割することもあるかもしれませんが、相互参照する場合は同一ファイルにしておかないと、リンク切れになってしまいます。

また、Wordのキャッシュ機能によって、編集中は正しく表示されているように見えても、印刷したり、一度ファイルを閉じて再度開くと正しく表示されないことがあります。印刷するかPDFファイルとして保存するかして、チェックするのが良いでしょう。

まとめ

文書構造を意識してWordを使う最大のメリットは、図表や章立ての修正に対するハードルが低くなることだと思います。「この部分はもっと前で説明した方がいいかも」「この図とこの図の間にもう1つ図が必要だった」と思ったとき、項目番号や図表番号をハードコーディングしていると、「他に影響が出るから、やっぱりこのままにしとくか」と妥協したくなります。スタイルと相互参照を適切に使えば、他への影響はほぼゼロなので、心理的ハードルをだいぶ下げることができます。それに、連番を付けるような単純作業は、人間よりもコンピューターの方が圧倒的に正確で素早く処理してくれます。

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