数値データからW杯を予想したら楽しいんじゃないかと思って始めてみる。
この記事は、分析設計・文章構成・表現整理にあたって ChatGPT をふんだんに活用している。数値の算出、モデルの設計、最終的な判断はすべて筆者自身が行っているが、思考の壁打ちや構成のブラッシュアップにおいて、生成AIを積極的に使った実験的なアウトプットでもある。
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というカッコいい文言もGPTが勝手に記載している
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という文言は筆者が自ら記載している。他はすべてChatGPTが書いているので読みづらかったらごめん。
1. この投稿でやること
前編①では、Eloという単一指標を用いて
「2026年W杯全体がどのような構造を持つか」を整理した。
この投稿(②)では、日本代表だけを見る。
- 日本は過去のW杯で、Elo的にどの位置にいたのか
- 事前予測(勝率/引分率/負率)と実際の結果はどうズレたのか
- 2026年大会では、どんな試合順・どんなルートに置かれているのか
を、Elo v1.0の射程内だけで徹底的に整理する。
2. 過去W杯における日本代表:予測と現実
2.1 日本代表・W杯本戦 全試合(Elo予測ベース)
以下は、1998年以降のW杯本戦・日本代表の全試合について、
- 大会前Eloに基づく 勝率・引分率・負率(合計100%)
- 実際の スコア
- スコアの横に 結果(○△×)
- 参考として 大会前Elo順位(日本/相手)
を並べた表。
| 大会 | 対戦相手 | 日本Elo順位 | 相手Elo順位 | 勝率 | 引分率 | 負率 | 結果 | スコア |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1998 | アルゼンチン | 16 | 11 | 34% | 30% | 36% | × | 0–1 |
| 1998 | クロアチア | 16 | 22 | 39% | 29% | 31% | × | 0–1 |
| 1998 | ジャマイカ | 16 | 25 | 42% | 29% | 30% | × | 1–2 |
| 2002 | ベルギー | 15 | 14 | 35% | 30% | 35% | △ | 2–2 |
| 2002 | ロシア | 15 | 23 | 41% | 29% | 30% | ○ | 1–0 |
| 2002 | チュニジア | 15 | 28 | 46% | 27% | 27% | ○ | 2–0 |
| 2002 | トルコ | 15 | 25 | 44% | 28% | 28% | × | 0–1 |
| 2006 | オーストラリア | 10 | 2 | 32% | 30% | 38% | × | 1–3 |
| 2006 | クロアチア | 10 | 16 | 41% | 29% | 30% | △ | 0–0 |
| 2006 | ブラジル | 10 | 3 | 33% | 30% | 38% | × | 1–4 |
| 2010 | カメルーン | 15 | 20 | 38% | 30% | 32% | ○ | 1–0 |
| 2010 | オランダ | 15 | 4 | 25% | 27% | 48% | × | 0–1 |
| 2010 | デンマーク | 15 | 21 | 39% | 30% | 32% | ○ | 3–1 |
| 2010 | パラグアイ | 15 | 26 | 40% | 29% | 31% | △ | 0–0 |
| 2014 | コートジボワール | 8 | 15 | 40% | 29% | 31% | × | 1–2 |
| 2014 | ギリシャ | 8 | 18 | 41% | 29% | 30% | △ | 0–0 |
| 2014 | コロンビア | 8 | 17 | 40% | 29% | 30% | × | 1–4 |
| 2018 | コロンビア | 17 | 11 | 30% | 29% | 41% | ○ | 2–1 |
| 2018 | セネガル | 17 | 19 | 36% | 30% | 34% | △ | 2–2 |
| 2018 | ポーランド | 17 | 21 | 36% | 30% | 34% | × | 0–1 |
| 2018 | ベルギー | 17 | 5 | 26% | 26% | 48% | × | 2–3 |
| 2022 | ドイツ | 12 | 7 | 31% | 29% | 39% | ○ | 2–1 |
| 2022 | コスタリカ | 12 | 19 | 40% | 29% | 31% | × | 0–1 |
| 2022 | スペイン | 12 | 5 | 28% | 28% | 45% | ○ | 2–1 |
| 2022 | クロアチア | 12 | 14 | 36% | 30% | 35% | △ | 1–1 |
2.2 「当たり前」で終わらせない:数字で見る日本のW杯像
2.2.1 日本は“勝率が高い試合”をほぼ持たない
上の25試合を勝率帯でざっくり分類すると、こうなる。
- 勝率20〜30%:3試合
- 勝率30〜40%:14試合(過半数)
- 勝率40〜50%:8試合
- 勝率50%以上:0試合
つまり、日本のW杯本戦は最初から最後まで 「勝っても負けても不思議じゃない帯」 で戦い続けている。ここがまず、他の強豪国と決定的に違う。
2.2.2 “期待勝点”で見ると、上振れ大会と下振れ大会がくっきり出る
各試合の(勝率・引分率)から期待勝点を作れる。
- 期待勝点 = 3×勝率 + 1×引分率
- 実勝点 = 実際の勝点(勝3/分1/負0)
25試合合計では、
- 期待勝点:34.6
- 実勝点:27.0
全期間を平均すると、日本は Eloが想定したより勝点を積めていない(下振れ気味)ことになる。
ただし大会別に見ると話が変わる。
- 上振れ(実勝点 > 期待勝点):2002 / 2010 / 2022
- 下振れ(実勝点 < 期待勝点):1998 / 2006 / 2014
- 2018はほぼ中間
ここで分かるのは、 日本は「実力が一定」でも結果がブレる、ではなく
“同じ勝率帯の試合”を戦っていても、大会として上振れ/下振れが固まって起きる
という性質があること。
2.2.3 なぜ固まって起きるのか(Elo v1.0の範囲で言えること)
Elo v1.0が見ているのは「強さの平均値」だけなので、 この“固まり”を直接説明はできない。
ただ、試合を並べると機械的に見えるパターンがある。
-
勝率30〜40%帯を拾える大会(2002/2010/2022)は、
そのまま突破する -
勝率40%台を落とす大会(2014など)は、
そこで詰む - つまり日本のW杯は、結局
**「五分以下の帯を何試合拾えるか」**の勝負になる
日本のW杯を語るなら、まずここが骨格になる。
2.3 特筆すべき試合(タイプ別・増量版)
ここからは、ズレ方に“型”があることを、試合で見せる。
(勝率/引分率/負率は2.1の表に準拠)
タイプA:大アップセット(勝率が低いのに勝った)
2022 日本 2–1 スペイン(勝率27.7%)
勝率3割切りで勝ち切った代表例。
相手の保持を受けながら、試合を“1回の局面”に寄せて勝ちに行く構図がハマった。
2022 日本 2–1 ドイツ(勝率31.2%)
「勝率3割前後で勝つ」=日本の上振れの王道。
この帯を拾える大会は、だいたい突破している。
2018 日本 2–1 コロンビア(勝率30.3%)
最初から上振れに入った大会の典型。
勝率30%帯の勝利は、大会全体の空気を変える。
タイプB:取りこぼし(勝率がそこそこあるのに負けた)
2002 日本 0–1 トルコ(勝率44.4%)
負ける確率が最小(27.8%)なのに落とした試合。
この1試合だけは、2002の上振れ大会の中で唯一“下振れ”だった。
2022 日本 0–1 コスタリカ(勝率39.9%)
「勝率4割」を落とすと、大会が一気に苦しくなる。
ドイツ戦の上振れを打ち消したのがこの試合。
2014 日本 1–2 コートジボワール(勝率39.5%)
日本の2014は、まさにこの型で壊れた。
勝率4割前後を落とすと、その大会は下振れ側に倒れやすい。
1998 日本 1–2 ジャマイカ(勝率41.7%)
勝率はそこそこあるのに勝ち切れず、しかも負けた。
初出場大会らしい“噛み合わなさ”が数字にも出ている。
タイプC:順当負け(Elo通りに力差が出た)
2010 日本 0–1 オランダ(勝率25.0%)
Eloが示す通りの格上戦。
この帯(2割台)を拾えるかは、基本“事件”寄り。
2018 日本 2–3 ベルギー(勝率25.9%)
勝率は低いが、試合は取りに行けた。
ただしEloの期待としては「負けが最頻」。ここはモデル通りの落ち方でもある。
タイプD:引き分けが“勝ち点1以上”の意味を持った試合
2002 日本 2–2 ベルギー(勝率35.0% / 引分率30.0%)
勝率3割台で、最低限の勝ち点を確保。
突破に向けて“勝ち点を落とさない”試合の典型。
2018 日本 2–2 セネガル(勝率35.9% / 引分率30.0%)
この1点が最終順位設計に効く。
勝率帯的には「勝ってもおかしくない」ではなく「落とさないのが大事」。
2022 日本 1–1 クロアチア(勝率35.5% / 引分率30.0%)
延長・PKを含めると偶然性が跳ねる領域だが、
90分で見れば“この帯の引き分け”はかなり起きやすい形。
2.3まとめ:ズレはランダムじゃなく、帯で起きる
ここまで並べると、ズレ方はほぼ帯で整理できる。
- 勝率25〜32%で勝つ:上振れ(事件寄り)
- 勝率40%前後で落とす:下振れ(痛い)
- 勝率35%前後で引く:生き残り(勝ち点設計)
日本のW杯は、結局この3つの繰り返しで作られている。
3. 2026年大会・グループF(前提+予測:情報量増量)
まず前提として、2026年ワールドカップにおける日本代表の立ち位置を、
大会前Eloベースの到達確率で確認しておく。
- 優勝確率:3.1%
- 決勝進出確率:6.8%
- ベスト4到達確率:13.4%
- ベスト8到達確率:27.1%
- ベスト16到達確率:47.8%
- ベスト32到達確率:85.6%
この数字が意味しているのは、「日本は優勝候補ではないが、ノックアウト進出は十分に現実的な位置にいる」ということだ。
ベスト32進出はほぼ前提、ベスト16は五分、ベスト8は一段高い壁。
以降は明確に確率が落ち、優勝は“起きれば事件”の領域に入る。
この 事前分布 を頭に置いた上で、過去大会の試合内容や、
2026年大会のグループリーグ・トーナメントを見ていく。
日本は2026年大会で グループF。
- Netherlands
- Japan
- Poland
- Tunisia
ここで重要なのは「力関係」だけじゃない。 試合順が設計そのものになっている。
3.1 Eloと期待勝点(まず事実)
グループFの3試合(日本視点)は以下。(勝率/引分率/負率は、グループ戦予測CSVから)
試合順:オランダ → チュニジア → ポーランド
- vs Netherlands:勝率 33.1% / 引分率 29.9% / 負率 37.1%
(※日本が“team_b”側なので勝率はp_b_win=0.330677、引分は0.298617) - vs Tunisia:勝率 55.9% / 引分率 22.3% / 負率 21.8%
- vs Poland:勝率 53.5% / 引分率 23.6% / 負率 22.9%
同時に期待勝点(=3×勝率+1×引分)を見ると、
- vs Netherlands:約1.29
- vs Tunisia:約1.90
- vs Poland:約1.84
この時点で「設計」は見える。
初戦で全取りを狙うというより、
第2・第3戦で勝ち点を積み上げて突破を作るグループ
3.2 試合順が持つ意味(勝ち点設計の話)
順番が逆なら話は変わる。 でも実際は オランダ → チュニジア → ポーランド。
この並びだと、日本はほぼ必ず「状態」を揺さぶられる。
- 初戦(オランダ)で勝ち点を落とす可能性が十分ある
- その状態で第2戦(チュニジア)を“取りに行く”必要が出る
- 最終戦(ポーランド)が順位決定戦になりやすい
要するに、
- 「初戦で勝ち点」か
- 「第2戦で必勝」か
- 「最終戦で勝負」か
のどれかになる確率が高い。
3.3 3試合を“分岐”で読む(ここを厚く)
ここから先は、Elo v1.0が得意な「分岐の整理」。
分岐①:初戦で勝ち点を取れた場合(勝ち or 引き分け)
- 勝ち点1以上を持って第2戦に入れる
- チュニジア戦で“勝ち切り”の圧が下がる
- 最終戦(ポーランド)は引き分けでも良い設計になりやすい
→ ここに入ると、突破の形が一気に現実味を帯びる
分岐②:初戦で負けた場合
- 第2戦(チュニジア)が準必勝になる
- ここで落とすと、最終戦の要求勝ち点が跳ねる
- つまり、第2戦が大会を決める試合になりやすい
→ “日本の下振れ大会”はだいたいここから始まる
分岐③:第2戦で勝ち点3を取れたかどうか
チュニジア戦は勝率が最も高い。
だからこそ、この試合は「負ける」よりも怖いのは 引き分け。
- 勝てば:最終戦が設計できる
- 引くと:最終戦の要求が重くなる
- 負けると:ほぼ詰む
この違いは、過去の日本のW杯でも繰り返し出てきた構造だ。
4. ノックアウトフェーズの構造(日本視点:もっと厚く)
48か国制では、ラウンド32の組み合わせは大会前から固定されている。
日本(F組)はここが重要。
- F組1位 → C組2位
- F組2位 → C組1位
そして、確定グループ定義では、グループCはこう。
- Brazil
- Morocco
- Scotland
- Haiti
4.1 グループCの“強度”を、2026到達確率で見る
2026予測(Eloベース)から、グループCの到達確率を抜くとこうなる。(一部)
- Brazil:優勝 4.63% / R16 63.68% / R32 91.82%
- Morocco:優勝 2.64% / R16 49.57% / R32 87.29%
- Scotland:優勝 0.31% / R16 20.96% / R32 65.28%
- Haiti:優勝 0.00% / R16 2.36% / R32 22.86%
ここで言いたいのは単純で、
グループCは「2強+中堅+下位」の構造をかなり強く持つ
ということ。
だからトーナメント表の固定ルールと合わせると、 日本のR32相手は実質こうなる確率が高い。
- F2位 → C1位(≒ブラジル)
- F1位 → C2位(≒モロッコ)
4.2 “ブラジル級”と“モロッコ級”は、難しさの種類が違う(ここを厚く)
4.2.1 C組1位ルート(≒ブラジル)
ブラジルは優勝確率でも上位にいる「普通に優勝候補」。 この相手は、Elo v1.0的には分かりやすい。
- 日本は基本的に不利
- 勝てば事件
- 負けても順当
つまり、試合の意味は「当たったら勝負する」以上にはならない。
4.2.2 C組2位ルート(≒モロッコ)
こっちが厄介。 モロッコは“格上ではあるが、絶対王者ではない”。
この帯は日本が過去に最も戦ってきた帯で、 勝率で言うと 30〜40%台の勝負になりやすい。
このレンジは、
- 勝つこともある
- でも勝ち切れる保証もない
- しかも勝っても次の相手はさらに重い
という意味で、 「勝てる可能性があるからこそ、疲弊もする」タイプの難しさがある。
4.3 じゃあF組は1位と2位、どっちが得か?
トーナメント表が固定されている以上、ここは避けられない問いになる。
- F1位 → モロッコ級(勝率帯は現実的)
- F2位 → ブラジル級(事件待ち)
Elo v1.0の範囲では、
「1位の方がマシ」 という結論になりやすい
ただし、ここで勘違いしやすいのは、
- 1位ルートが楽、ではない
- 2位ルートが絶望、でもない
という点。
あくまで「相手の難しさの種類が違う」だけで、 どちらもW杯のノックアウトとしては普通に厳しい。
5. ここまでを踏まえた現実的な見立て(②のまとめとして)
Elo v1.0が示す日本代表の2026は、雑に言えばこう。
- グループ突破:十分現実的
- 最頻値:ベスト16(=R32を勝ち切れるかどうか)
- 準々決勝以降:明確な上振れ
この「上振れ/下振れの起点」になりやすいのは、 過去の日本のW杯と同じく、
- 勝率30〜40%帯を拾えるか
- 勝率40%前後を落とさないか
に収束する。
6. ここまでの整理(次の投稿③につなぐ)
この投稿でやったのは、結論を断言することではない。
- 日本がどの勝率帯の試合を戦うのか
- 2026で、その帯がどう配置されているのか
- さらに、トーナメント表固定により「順位の意味」が増幅されること
を、数字で並べて可視化した。
次の投稿(③)では、全グループ(A〜L)を横断して“組の性格”を比較する。
- 荒れやすい組(中位が固まりやすい)
- 1強が強すぎて2位争いが地獄な組
- そもそも上位2枠が固い組
その中で、日本のF組がどのタイプなのかを整理した上で、 改めて日本代表の立ち位置を測り直す。