はじめに
喫茶店で常連になると、
「いつものアレで」と言うだけで注文が通ることがある。
この注文をする理由は、たぶん二つある。
一つは、いちいち細かく説明するのが正直めんどくさいこと。
もう一つは、「わかってもらえている」という、少しの特別感だ。
2025年、
私はそれに近い感覚を、生成AIに対して感じるようになった。
「いつものアレで」が通じるようになった
少し前まで、生成AIはとても丁寧だった。
前提を確認し、条件を整理し、きれいな形で答えを返してくれる。
それはそれで便利だったけれど、毎回
「私はこういう人間で、こういう文体が好きで」
と説明する必要があった。
ところが、2025年のある時期から、感覚が変わった。
「なんか記事書きたい」
そんな雑な一言でも、
だいたい“ちょうどいいところ”を探って、提案してくれる。
そのとき、
あ、通じたな、と思った。
メモリが使えるようになって、起きた変化
技術的に言えば、メモリ機能が使えるようになった、という話だと思う。
(※私は ChatGPT Plus 有料プランのみを利用)
でも、使っている側の感覚としては、
「覚えてくれている」、それだけでよかった。
- ポエム寄りが好き
- 技術解説は軽めがいい
- 導入を楽しみたい
そういう“癖”を前提に話してくれると、こちらも構えずに済む。
正確さや網羅性よりも、
気楽に話しかけられることが、いちばんの変化だった。
雑な質問が、雑なまま投げられる安心感
以前は、生成AIに対して少し構えていた。
「ちゃんと説明しないと伝わらない」
「正しい聞き方をしないといけない」
そんな意識があった。
でも最近のAIは、言葉にならない部分も含めて、
こちらの文脈や知識量に合わせて、少し先を提案してくれる。
2025年の大きな変化は、
雑な質問を、雑なまま投げられるようになったことかもしれない。
「これって、なんか面白くない?」
途中までの考えでも、
「たぶんこういうことですよね?」と、一緒に形にしてくれる。
便利な道具から、気の合う相手へ
2025年を振り返って思うのは、
生成AIは「賢くなった」というより、
「距離が縮まった」 ということだ。
コード生成や要約精度の向上もある。
でも一番印象に残っているのは、
「いつものアレで」が通じた瞬間だった。
便利な道具から、気の合う相手に変わった気がした。