Ubuntu コマンド逆引きチートシート

Ubuntuを使っていると、「こういう操作がしたいけど、どのコマンドを使えばいいのだろう？」と思うことが多いかもしれません。
ここでは、よくある目的ごとに逆引きができるよう、各種コマンドをまとめています。
基本的なfile操作からエラー対応まで、幅広くカバーしました。
ぜひ参考にしてみてください。

目次

fileやfolderを操作したい
fileの中身を見たい・編集したい
packageを管理したい
networkの状態を調べたい
processやsystemの状態を見たい
圧縮・解凍したい
storage関連（HDDのmount・容量調査）
apt関連のerror対応
おまけ：VSCodeを入れたい！

1. fileやfolderを操作したい

基本操作

ls: directory内のfileやfolderを一覧表示
- ls -l … 詳細情報（permissionやsizeなど）を表示
- ls -a … 隠しfileも含めて表示
cd: directoryを移動
- cd /home/user/Downloads のようにフルパスで移動
- cd .. で一つ上のdirectoryに戻る
mkdir: 新しいfolderを作成
- mkdir new_folder で new_folder を作る
- mkdir -p parent/child で存在しない親folderも同時作成
rm: fileを削除
- rm filename … 単純にfileを消去
- rm -r foldername … folderを含め再帰的に削除（中身も全部消える）
- rm -i filename … 削除確認の対話を挟む
cp: fileやfolderをcopy
- cp file1 file2 … file1 を file2 としてcopy
- cp -r dir1 dir2 … folderをまとめてcopy
mv: fileやfolderをmove、またはrename（名前変更）
- mv old_name new_name … rename
- mv file /path/to/destination/ … 指定場所へmove
find: fileやfolderを検索
- find /path -name "filename" … 該当名を探す
- find / -type f -size +10M … size条件などで検索

2. fileの中身を見たい・編集したい

表示系

cat: fileの中身をそのまま表示
- cat filename
less: pageをめくるように閲覧
- less filename … 上下キーでスクロール
tail / head: 末尾・先頭をチェック
- tail filename … file末尾10行を表示
- head filename … file先頭10行を表示
- tail -f filename … リアルタイムで更新をモニターするのに便利

編集系

nano: 簡単なeditor
- nano filename … 開いて編集
- Ctrl+Oで上書き保存、Ctrl+Xで終了
vim: 高機能editor
- vim filename … fileを開いて編集
- iキーで入力モード、:wq で保存して終了

3. packageを管理したい

Ubuntuでsoftwareを導入・管理するときによく使うcommandです。
標準的には apt を使います。

apt update: 利用可能なpackageの一覧（リポジトリ情報）を更新
apt upgrade: インストール済みのsoftwareを一括で最新versionに更新
apt install: 新規softwareのインストール
- apt install package_name
apt remove: 不要になったsoftwareのアンインストール
apt autoremove: 使われなくなった依存packageをまとめて削除
dpkg: packageを直接操作する低レベルのcommand
- dpkg -i package.deb … ダウンロードした.debファイルをインストール
- dpkg -r package_name … アンインストール

4. networkの状態を調べたい

インターネットに接続できない、あるいは通信が遅いなどのtroubleを調べたいときに便利です。

ip: networkインタフェースの状態をチェック
- ip addr show … IPアドレスやインタフェース情報を表示
- ip route … ルーティングテーブルを確認
ping: 接続先と疎通テスト
- ping example.com … 名前解決と応答時間をチェック
traceroute: パケットがどの経路を通って相手サーバへ行くかを表示
- インストールには sudo apt install traceroute
netstat / ss: 接続中や待ち受け中のportなどを見る
- netstat -tuln … リスニングportを表示
- ss -tuln … 上記と同様だがより新しいcommand
nslookup / dig: DNS名前解決を調べる
- nslookup example.com
- dig example.com

5. processやsystemの状態を見たい

「どのprocessがCPUやmemoryを大量に使っているか知りたい」といった場面で活躍します。

top / htop: CPUやmemory使用率をリアルタイム監視
- top は標準搭載
- htop は機能が多いが別途インストールが必要
ps: 現在のprocess一覧
- ps aux … 全processをユーザやCPU利用率と併せて表示
kill: processを終了させる
- kill PID … 指定したPIDのprocessに終了シグナルを送る
- kill -9 PID … 強制終了
free: memoryの使用状況を表示
- free -h … MBやGB単位でわかりやすく表示
df: disk容量の使用状況を表示
- df -h … 各partitionの空き容量と合計容量を表示
uname -a: OSバージョンやkernel情報を表示
uptime: システムの稼働時間とロードアベレージ（平均負荷）を表示

6. 圧縮・解凍したい

大容量のfileをまとめたり、backupを取るときに役立ちます。

tar: 複数fileやfolderをひとまとめにしてarchive
- tar cvf archive.tar folder/ … folder/をarchive.tarに固める
- tar xvf archive.tar … 解凍
- tar czvf archive.tar.gz folder/ … gzip圧縮でまとめる
zip / unzip: Windows環境でもよく使われる形式
- zip archive.zip file1 file2 … 複数fileをまとめてzip化
- unzip archive.zip … 解凍

7. storage関連（HDDのmount・容量調査）

容量調査

df -h: 各ファイルシステムの空き容量・使用量を把握
du: 指定したdirectoryの容量を確認
- du -sh * … 当該directory配下のfolderやfileサイズをまとめて表示

mount操作

lsblk: デバイスやpartitionを一覧表示
mount: デバイスをdirectoryに割り当て（mount）
- sudo mount /dev/sdb1 /mnt/usb … /dev/sdb1を/mnt/usbにmount
umount: mount解除
- sudo umount /mnt/usb … マウントしていたディレクトリを解除

8. apt関連のerror対応

apt実行時に「依存関係が壊れています」などのerrorが出る場合があります。
以下のcommandで解決することが多いです。

sudo apt --fix-broken install
- 不足や破損している依存packageを修正しながらinstall
sudo dpkg --configure -a
- 途中で中断されたpackage設定などを再実行

ほかにも「リポジトリのキーが期限切れ」などでエラーが起きるケースがあります。
その際は、表示されるエラーメッセージに沿ってキーを再登録する、リポジトリを再設定するなどを行うと解決しやすいです。

9. おまけ：VSCodeを入れたい！

ソースコードの編集やテキスト編集に便利なVisual Studio Codeを導入する処理の流れです。
MicrosoftのGPGキーを取り込み、リポジトリを追加してからインストールします。

# MicrosoftのGPGキーとリポジトリ追加
wget -qO- https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > packages.microsoft.gpg
sudo install -o root -g root -m 644 packages.microsoft.gpg /etc/apt/trusted.gpg.d/
sudo sh -c 'echo "deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/code stable main" > /etc/apt/sources.list.d/vscode.list'

# 更新とインストール
sudo apt update
sudo apt install code