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CloudFormationをゼロから勉強する。(番外編:AWS Perspective)

Last updated at Posted at 2020-10-29

はじめに

今回はCloudFormationをゼロから勉強する。の番外編として、2020年9月22日に公開されたAWS Perspectiveを使ってみようと思います。

AWS Perspectiveとは

AWS上の詳細なアーキテクチャー図を作成するソリューションとのことです。

AWSのサービスではないですが、同じようなコンセプトのものにDUOCloudMapperというツールがありますが、CloudMapperネットワーク全体の繋がりを図示するのに対して、AWS Perspectiveリソース間の繋がりを図示するような違いがあるように思います。

使い方

AWS PerspectiveはAWSのマネージドサービスではなく、ソリューションとして提供されたシステムなので、自分でCloudFormationでシステムを展開する必要があります。

費用

AWS Perspectiveはソリューションであるため、それ自体に費用は掛かりませんがCloudFormationで各種リソースを展開するため、その分の費用が掛かります。

AWS Perspective実装ガイド(PDF)に記載されている以下1時間当たりの費用を見ると、合計で**$0.797**かかるそうなので、検証目的で作った人は使い終わったらすぐに消しましょう!

AWS service 費用(1時間)
Amazon Neptune(db.r5.large) $0.384
Amazon Elasticsearch Service(m4.large.elasticsearch) $0.320
Amazon VPC $0.002
NAT gateway $0.090
AWS Config(Item cost=$0.003) N/A
Amazon ECS $0.001
合計 $0.797

AWS Perspective展開方法

AWS Perspectiveのページから「AWSコンソールで起動する」をクリックするとAWS Perspectiveを展開するCloudFormationスタック作成画面に進みます。

aws_perspective01.jpg

ちなみに展開されるテンプレートをデザイナー画面で見ると以下のような構成になっています。
思った以上に様々なリソースが展開されるようです。

aws_perspective02.jpg

AWS Perspectiveスタックの作成

「AWSコンソールで起動する」をクリックして、各種パラメータ設定や以下承認のチェックを行い、スタック作成を行います。

パラメータ入力は基本的にデフォルトでOKですが、メールアドレスはメールが届くアドレスを入力してください。

aws_perspective03.jpg

作成完了まで40分程度かかるため、気長に待ちましょう。

AWS Perspectiveへのアクセス

CloudFormationスタック画面より、ステータスがすべてCREATE_COMPLETEとなったら「説明」列で「AWS Perspective Cloudfront Distribution」と書かれているスタックを選択して、「出力」タブからAWS PerspectiveのURLを確認してアクセスします。

aws_perspective04.jpg

aws_perspective05.jpg

AWS Perspectiveへのログイン

先ほどスタック作成時に指定したメールアドレスにユーザIDとパスワードが送られてきているはずなので、送られてきたユーザID、パスワードを入力します。

aws_perspective06.jpg

パスワード変更を要求されるため、パスワードを変更。

aws_perspective07.jpg

アカウント復旧設定を行うため、Emailを選択してVERIFYします。

aws_perspective08.jpg

メールアドレスにコードが送られてくるため、コードを入力してSUBMITします。

aws_perspective09.jpg

今のアカウントの情報をインポートするか、他のアカウントの情報をインポートするかを聞かれるため、どちらか選択します。(今回は今のアカウントの情報をインポート)

aws_perspective10.jpg

各リソースの読み込みが始まるため、またしばらく待ちます。(私の環境では20分程度かかりました)

aws_perspective11.jpg

AWS Perspectiveの使用方法

AWS Perspectiveは、左ペインのResourcesから選択したリソースのアーキテクチャ図を表示してくれるものとなるため、適当なリソース(今回はEC2インスタンス)を選択するとリソースの図が図示されます。

aws_perspective12.jpg

また、リソースを右クリックしてFocusを選択すると、選択したリソースに関連するリソースのみ表示され、Expandを選択すると周りを残したまま選択したリソースに関連するリソースが表示されます。

以下は上図の一方のEC2インスタンスを選択してFocusした場合。

aws_perspective13.jpg

表示されているリソースのフィルタ

例えば上図で表示されているタグリソースは別に図示しなくていいかなって時にはPreferencesFiltersからAWS::TAGS::TAGを選択することで上図からタグ情報が消えます。

ファイルエクスポート

表示されているリソース情報を以下形式で出力できます。

  • CSV
  • JSON
  • PNG
  • Drawio

Drawioは外部リンクとなっており、選択するとAWS Perspectiveで表示されている構成図を`Drawioで編集できます。

Drawioはちょっとした図を描くのに重宝しているので個人的にはDrawioに対応しているのは非常にうれしいです。

AWS Perspective削除方法

CloudFormationのスタック画面の「説明」列に「AWS Perspective Main Template」と書かれているスタックと「AWS Perspective Set Up」と書かれているスタックを削除すれば、ネストしているスタックもまとめて削除できます。

但し、S3バケットが削除できず、「AWS Perspective Set Up」と書かれているスタックの削除が一度失敗すると思うので、失敗したら再度削除を選択→S3バケットを削除するチェックを入れ、実行することで消せるはずです。

以下まとめ。

  1. aws-perspective-[アカウントID]-[Region]」スタックを削除
  2. aws-perspective」スタックを削除
  3. S3バケットを削除するチェックを入れて、再度「aws-perspective」スタックを削除

AWS Perspectiveの良い点・悪い点

ポチポチ1時間程度触ってみて感じた良い点・悪い点をまとめます。

詳細まで調べたりはしていないので、参考程度で。

良い点

  • 簡単にアーキテクチャ図が作成できる。
  • 一度アカウントをインポートしてしまえば、自動的に各リソースのステータスが反映される。
  • Drawioに直接エクスポートできる。

VPCEC2インスタンスは言わずもがな、CloudFormationの繋がりまで図示されるのには感動しました!

いろいろなリソースを選択してポチポチしているだけでも時間が持っていかれます。

また、リソース状況が一定間隔で反映されるようで、例えばEC2インスタンスを停止すれば自動的に停止マークが表示され、リソースを消せばAWS Perspectiveから削除されるため、常に最新の構成が確認できるのは非常にうれしい機能です。

悪い点

  • 費用が結構高め(0.797×24×30=$573.84
  • デプロイに時間がかかる。
  • リソースごとの表示なのでネットワーク図の代わりとして使うのは難しい。

機能は申し分ないので悪い点でもないですが、企業で運用として継続的に回していくならともかく、ちょっと個人で使い続けるにはお金が厳しいなと・・・

ただそれだけ素晴らしいソリューションなので、毎回作って削除するようにしたとしても十分有益かと思います。

また、そもそも用途が違うのかもしれませんが、AWS Perspectiveはリソースごとの繋がりを表すツールのため、いわゆるネットワーク図の代わりとして使うのは難しいと感じました。

細かい表示はできませんが、AWS全体のネットワーク図を作るのであればCloudMapperのほうが分かりやすいかもしれません。

実際に使ったときの費用

調べたり、記事書いたりしながらだったので、デプロイされていたのは5~6時間程度だったかと思いますが、AWS Perspectiveのみで言うと9ドル弱でした。

aws_perspective14.jpg

おわりに

今回は連載中の「CloudFormationをゼロから勉強する。」の番外編ということで、AWS Perspectiveを紹介しました。(あまりCloudFormation関係ないですが)

自分でリソースを動かしたりするだけでも面白いので、ぜひ皆様も試してみてください。

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