LoginSignup
0
0

RTRRでQNAP NAS間同期を行う。

Last updated at Posted at 2023-07-30

はじめに

先日、自宅で使用しているNASのHDDが故障してしまいました。

RAID1で組んでいたのでデータの損失は防げましたが、1本だけで運用するのは心もとないのと、以前からDockerコンテナを色々と動かしたいと思っていたこともあり、新しいNASも一緒に購入したため、古いQNAPのNASから新しいQNAPのNASにデータ移行した手順を残しておきます。

今回購入したNAS

元々QNAPTS-231というNASを運用しており、Dockerも実行できるContainer Stationが利用できたため、Gogsという軽量GitサーバのみDockerで動作させていましたが、TS-231はARM系の32ビットCPUであるため、Dockerを実行する際の選択肢がかなり少なく、NASのメモリも1GBしか積んでいないのであくまでもおまけ的な機能でした。

NASは常時起動させているため、せっかく常時起動するのであれば、もう少し重いDockerを動かしたり、Dockerでいくつかサービスを起動させたいと思い、今回はCPU4コア(Intel)、メモリ8GBのTS-264を選択しました。

今回の構成と作業の流れ

今回、古いNASも新しいNASもLANポートが2つあるので、以下のようにポート1をスイッチングハブに接続し、ポート2同士を直接繋いで少しでも遅延が少ない構成とします。

また、以下より旧NASから新NASへ同期を行うための設定を行っていきます。

新NASの初期設定

旧NASのデータを移行する方法としてはいくつかあり、互換性に問題がなければ新NASに旧NASのHDDを1本と新NASのHDDを1本繋げて旧HDDから新HDDに対してRAIDのリビルドを行うのが、おそらく一番速いかと思いますが、その場合、新旧HDDと新HDD同士で計2回リビルドしないとならないのと、古いデータには不要なデータもあることから整理しながら同期したいので、今回はQNAP独自のプロトコルとなるRTRRでデータ同期を行おうと思います。

RTRRQNAPのバックアップアプリケーションの1つであるHBS3 HybridBackupSync(以降HBS3)を使うことで利用できるので、初期設定と合わせてインストールを行います。

なお、QNAPで使用できるアプリケーションは管理画面の「App Center」からインストールできるため、そちらからインストールを行います。

  • ユーザ設定
  • IPアドレス設定
  • ボリューム設定
  • コピー先のディレクトリ作成
  • HBS3 HybridBackupSyncインストール

旧NASの事前設定

RTRRによる同期を行うためには、旧NAS側にもインストールする必要があるため、旧NASにも同様の手順でインストールを行います。

ネットワークの設定

新・旧どちらのNASもジャンボフレームに対応しているため、直結したポート2に対してどちらもMTU9000として一度に転送できるデータを増やします。

設定 新NAS 旧NAS
IPアドレス 10.1.0.1/24 10.1.0.2/24
MTU 9000 9000

新NASのRTRRの有効化

新しいNASのHBS3を起動し、「RTRRサーバーを有効にする」よりRTRRサーバを有効にしておきます。

Monosnap_20230728_074445.png

旧NASからのデータ同期

古いNASのHBS3を起動し、「同期」から「一方向同期ジョブ」を選択します。

Monosnap_20230728_063802.png

今回は新しいNASに同期を行うため「リモートNAS」を選択。

Monosnap_20230728_063858.png

古いNASから見て転送先となる新しいNASのIPアドレスとユーザ名、パスワードを入力し、一方向同期ジョブの作成を行います。

また、「スピードテスト」を選択すると、どの程度の速度が出るかが表示されるため、完了までの目安として確認しておくと良いでしょう。

Monosnap_20230728_074916.png

次に同期するディレクトリを指定する必要があるため、同期元となる旧NASのディレクトリと同期先となる新NASのディレクトリを指定します。

受け口となる新NAS側のディレクトリは予め作成しておく必要があるため、未作成の場合は「コントロールパネル」→「共有フォルダー」の「作成」から「共有フォルダー」を選択し、ディレクトリを作成しておきます。

Monosnap_20230730_144254.png

同期ディレクトリの指定後、ジョブスケジュールの設定を行いますが、今回はスケジュール化は行わず、一回だけの同期となるため、「スケジュールなし」と「今すぐ同期」を選択し、「次へ」に進みます。

Monosnap_20230730_145104.png

ルール設定は方法、ポリシー、オプション、ネットワークから色々と設定できるので、ジョブに合わせて任意に設定します。

Monosnap_20230730_145141.png

最後に要約を確認して「作成」を選択すれば旧NASから新NASへの一方向同期ジョブが実行されます。

おわりに

正確な時間は計れていませんが、おそらく10時間程度で同期が完了していたかと思われます。

NAS間を直接接続&ジャンボフレーム設定を行ったからか、スピードテストでも116MB/s程度出ていたため、旧NASのNIC速度が1Gbpsだったことを考えるとかなりの伝送効率で転送できたようです。

HBS3も直感的に操作でき、設定も簡単なので使いやすかったです。

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0