この記事はアイスタイル Advent Calendar 2025 2日目の記事です。
📚 はじめに
弊社のサービスでは、開発やQAの優先順位判断のために、WEB/アプリ利用者の環境を集計した独自のブラウザシェア率を算出しています。
世の中一般のブラウザシェアも参考にはなりますが、実際の自社サービスのユーザー層がどのような環境でアクセスしているかを知ることは、サポート対象端末の選定において非常に重要です。
今回は、このデータ集計の裏側にあるツールの変遷と、あえてスプレッドシートを使い続けている運用の工夫について書いていこうと思います👍
📉 集計のアーキテクチャ:なぜスプレッドシートなのか?
現在、データの集計そのものには Googleアナリティクス やTableauといったデータ管理ツールを利用していますが、社内へのデータの展開・共有には、昔ながらのGoogleスプレッドシートを利用しています。
「Tableauなどのダッシュボードを直接見ればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、下記の2つの理由があります。
1.歴史的な理由(後述しますが、2016年からこの形式で運用されているため)
2.コストパフォーマンスとアカウント管理
特に2点目が重要で、全社員がデータツールの管理画面を直接閲覧できるようにすると、アカウントごとに課金が発生してしまいます。「ブラウザシェア率」という一部のデータを見るためだけに全員分のアカウントを発行するのは、申請コストやライセンス料を考えるとコストパフォーマンスが良くありません。
そのため、「必要なデータだけを、誰もがアクセスできる場所に広く展開する」という方針のもと、スプレッドシートへの集約という運用に落ち着いています。
🏃 ブラウザシェア表の歴史
この集計作業の歴史は長く、現存する最古の記録は 2016年1月 にまで遡ります。そこから現在に至るまで、ツールの進化(と廃止)に合わせて運用方法は変化してきました。
✊手動時代(2016年1月〜)
手法:手動コピーアンドペースト
当時はUA(ユニバーサルアナリティクス)の管理画面を開き、数値を手でコピーし、スプレッドシートに貼り付けていました。非常に原始的ですが専門的な知識は不要だったため、当時は当番制で集計を行い、部のメンバー全員で担当していました

▲ 最古のセル。べた書きしています
⚙ 自動化時代(2020年9月〜)
手法:GAS × スプレッドシート拡張機能
2020年9月、当番になった当時の私が「この作業、自動化できないか」と色々思案した結果、Google Apps Script (GAS) とスプレッドシートの拡張機能を駆使し、UAから取得した値が自動でスプレッドシートに反映される仕組みを構築しました。 ボタン一つかつ、月次のバッチで最新のシェア率が更新される、非常に快適な運用へと改善出来ました。当時の改善をもって当番制が廃止されました。

▲ 今はもう利用できませんが、スプレッドシートの拡張でこのようなレポートが生成され、このシートの値をGASで少しだけ調整してセルに反映していました
🎅 現在(2024年8月〜)
手法:CSV流し込み × 計算式
UAの廃止に伴い、拡張機能が利用不可となり残念ながら上記の自動化システムは利用できなくなりました。また、データの集約先が別のデータツールへ移行したことで、以前のようなスプレッドシートの拡張機能による直接取得も難しくなってしまいました。
そこで2024年8月からは、CSVを流し込むという運用に切り替えました。 データツールからCSVをエクスポートし、スプレッドシートの所定の位置に貼り付けるだけで、あらかじめ組んでおいた計算式が作動し、表やグラフに反映される仕組みです。
完全自動化からは一歩後退してしまいましたが、2016年当時のような「セルごとのコピペ」に比べれば、CSVをえいやっと貼って微調整するだけなので運用負荷は許容範囲内に収まっています。

▲ CSVを流し込んだシートを参照し、ブラウザ名と年月の値をXLOOKUPで拾ってセルに反映しています
☕ 今後の展望
現在は「CSVを書き出して流し込む」というひと手間が発生しているため、正直なところ、この部分をもう少し効率化できないかと画策中です🤔
ただ、昨年はGA4への切り替え直後で運用自体に慣れていなかったことを考えると、この1年で「CSV連携」という形でオペレーションが回り始めただけでも大きな進歩だと言えます。ようやくデータ基盤の移行に伴う混乱が落ち着いてきた、といったところでしょうか。
運用コストとライセンスコストのバランスを見極めながら、今後もより良い集計方法を模索していきたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました