はじめに
2019年3月20日 水曜日に行われた、Google Developers ML Summitの走り書きメモと感想です。
イベント情報
Googleが主催する無料のイベントで、場所は六本木ヒルズのアカデミックタワー
機械学習を始めたばかりなので、とても勉強になりました。
(英語セッションは翻訳はついていたものの、ついていくので精一杯でしたが。。。)
1.機械学習の概要
登壇者:佐藤一憲氏
人口知能とは賢いITを作る技術である。
りんごとみかんを見分けるソフトを作る
以前のシステム開発:色で見分けるというルールを設定する。
→白黒の際判別できない。
→以前のITが賢くなかったところ
機械学習の場合:りんごとみかんを見分けるルールを自動で探してくれる。
→とはいえ、人と同じように間違えることもある。
「機械学習の概要」の感想
TensorFlow playgroundのデモがセッション中行われていたのですが、
視覚的に学習が収束していく様子がとても分かりやすく、機械学習を知らない人たちに説明するツールとして使えるかな?
2.TensorFlow 2.0: Machine Learning Made Easy
登壇者:Laurence Moroney氏
TensorFLow2.0には三つの大きなターゲット。
デベロッパー
例:インドの学生たちが大気汚染を計測するアプリをTensorFlowで作成した。
→屋外の写真をとって、かすみ具合を見て大気汚染を確認するというもの
→ニュースでは指数が出てくるが、局地的だったり、時間だったりで変わってしまう。
→他の人に手伝ってもらい、データを集め、学生が作った。
企業
例:Twitter
→コンテンツの見落としを減らす。(多分最新ツイートとおすすめツイートのこと)
好き嫌いがあるのは知っているが(会場湧く)
研究機関
例:アメリカのある研究機関
→100京ものデータを高速に処理するような場所でも使用されている。
インドの学生から巨大なデータを扱う研究機関まで様々なことができる。
Laurence Moroney氏の個人的な目標として
ディベロッパーのエクスペリエンスを高めたい。
下の画像はディベロッパーがTensorFlowの気に入らなかったところをまとめたもの。
Hard(難しい)やDocumentation(ドキュメント)に不満があることがわかる。
これらのフィードバックを受けてTensorFlow 2.0では、
シンプルなAPI、サンプル、ドキュメンテーションを用意した。
最後に
TensorFlow2.0では出来るだけシンプルにしていきたい。
RC版は今年の下期にでも出したい。
「TensorFlow 2.0: Machine Learning Made Easy」の感想
とにかく使用者が使いやすいというメッセージが見えたセッションでした。
下図はTensorFlowのユーザを可視化したもの。
日本が思ったよりも機械学習に覆われているなと思っていたのですが。
Laurence氏曰く来年は日本を完全に覆い尽くしたいらしいです。
Cloud ML API 入門
登壇者:大薮 勇輝氏
Google Cloud Platformの紹介
機械学習の活用事例は増えている。
→現状、技術力のある企業だけでしか使われていない
→専門家がいない
→フルスクラッチでTFのコードをかける人材は数万人程度しかいない
「Cloud ML API 入門」の感想
GCPの機能説明がメインの発表でした。
Google翻訳のAPIが使いやすそうな印象を受けました。
ML Kit 事例紹介
登壇者:Khanh LeViet氏
Machine Learning is exciting
しかし
Machine Learning is hard
ML Kit はモバイルに置ける機械学習を簡単にする
TensorFlow liteを用いると
ML Kitとファイアベースを経由することで自動デプロイ
ML Kit 事例:機械学習を活用したプロトタイプアプリの開発
登壇者:堀江 亮介氏(株式会社ZOZOテクノロジーズ)
ファッションチェックアプリ(プロトタイプアプリ)
Flutterで開発
採点にディープラーニング(ML Kitを使用)
開発経緯
・技術カンファレンスでの展示コンテンツが不足していた
・ZOZOらしいコンテンツが欲しい
→ファッション関連の技術的に面白いコンテンツ
→短期間、少人数で開発
→アプリ、機械学習担当に別れて開発
アプリの評判
・社内外で面白いとの感想
・採点結果の評判はよくなかった。
・プロトタイプとしては成功
ML Kitの使用について
今回はBase APIではなく、カスタムモデルとして使用。
TFで開発し、TF Liteに変換したものをカスタムモデルとして使用。
モデルの生成
・WEARのコーディネート画像といいね数をデータとして使用
FlutterからML Kitを使う方法はZOZOのサイトで説明
「ML Kit 事例紹介」の感想
短期間で面白いアプリを作成できる、技術力・実行力に驚きとやはりデータを持っている企業は強い、
さすがZOZOさんと感じました。
Actions on Google 事例紹介
登壇者:内海 友紀子氏
3年前、Google Assistantが登場
Google Assistant 3つの特徴
・あなたの生活を一つのアシスタントでサポート
・あなたを理解したパートナー
・あなたと一緒に成長していくエンジン
Actions on Google 事例:google アシスタントアプリ開発
登壇者:笹森 裕子氏(ヤマト運輸株式会社)
AoGアプリ開発きっかけ
最近、スマートスピーカーが流行っている。
→再配達依頼をもっと身近で簡単に
開発ポイント
・利用シーンを固定
→朝、当日届く荷物を確認。
→都合が悪ければ日時変更できる。
・VUI
→ボイスフローをシンプルに
→日時変更に機能を絞る
→日時指定部分でユーザが迷いやすい
→曜日で指定してもらうなど発話の仕方を固定
「Actions on Google 事例紹介」の感想
動画が驚きの分かりやすさ。
また利用シーンもよく練られていて、使ってみたくなりました。
ランチ休憩
無料のイベントなのですが、ランチが出ました。
3種類のお弁当から選ぶ形式で、自分は下鴨茶寮のお弁当をいただきました。
(ネットで調べると2000円オーバー、さすがGoogle)
ハンズオン
4つ開催されるハンズオンから一つ選ぶ形式で、自分はTensorFlowを選択しました。
TensorFlowを初心者向けに分かりやすく解説してくれるもので、
Hello Woldから画像分類まで短時間ながらも理解しやすい内容でした。
特に畳み込みの説明に関しては、今まで聞いたどの説明よりも分かりやすい解説でしたので、
興味のある方は以下のリンクから試してみてください。
おわりに
全体を通して分かりやすいイベントでした。
初学者の自分としてはハンズオンが特に面白く、非常に意義のあるイベントでした。