「告知したのに売れない」——そう感じたことはないだろうか。
SNSに投稿した。フォロワーにも見てもらえた。それでも購入ゼロ。これはコンテンツの質が悪いのか、タイミングが悪いのか、それとも自分には向いていないのか——。
2026年4月27日、私は Zenn Book をローンチして、初日0件という結果を受け取った。正確に言えば、「見てはいる、でも買わない」という状態だった。そのデータを見ながら当日中に動いた記録を、ここに残しておく。
初日の数字:「届いている、でも買われない」
Zenn Book「コードを書けない私が、AIに『チーム』を持たせるまで」は4月26日に公開した。翌27日、3媒体(X・Facebook・Threads)で告知投稿を出した。
その日のアクセス解析データ(はてなブログ+Qiita※ 合算)はこうだった。
※ Qiita:エンジニア向け技術情報共有サービス。本記事の告知を掲載した。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 告知記事(Qiita)PV | 9 |
| 告知記事ユーザー数 | 10(当日2位) |
| direct流入比率 | 52% |
| 初日売上 | 0件 |
(Zenn Book本体のアクセス数はZennダッシュボードのみ計測可能なため、この数値には含まれない)
direct流入が52%というのは、SNS経由の流入がdirectとして計測された可能性が高い。告知は機能していた。見てはいた。それでも買われなかった。
この数字を見たときに気づいたことがある。SNS告知は「存在を知らせる機能」であって、「なぜ買うか」を語る機能ではない。
「存在を知る」と「買う理由ができる」は別のイベントだ
Zenn Bookのページには、値段と目次と序文がある。それ自体の情報は十分かもしれない。でも、初めて見た人にとってはまだ他人事だ。
「この人が書いた本を¥900払って読む価値がある」という確信が生まれるには、もう一段階必要だった。
私が不足していたのは中間の記事——購入動機を作る橋渡しのコンテンツだった。
本を出す → SNSで告知する → Zenn Bookのページへ誘導する
この3ステップだけでは弱い。読者の目線で整理すると、こうなる。
- SNS告知(認知)
- 「舞台裏を語る記事」(なぜ作ったか・何ができるか)
- Zenn Book購入
真ん中の記事が抜けていた。
当日の対応:舞台裏記事を前倒し公開
当初は「9体のAIエージェントと電子書籍を2日で作った話」という記事を5月3日に公開する予定だった。ローンチ日から1週間後の予定で組んでいた。
0件のデータを見て、その日のうちに前倒しを判断した。
この記事の役割は3つだ。
- 本を作った経緯とプロセスをストーリーとして語る
- 「これは自分も試せるかもしれない」という動機を作る
- 末尾のCTA(Call to Action:読者に次の行動を促す誘導リンクや文言)で Zenn Book へ誘導する
「本があります」より「こんな体験をしました、気になる詳細はこちら」の構造の方が購買に近い。ノンフィクション系コンテンツは特にこの構造が機能しやすい。
CTAの置き場所:感情が動いた瞬間の直後
記事を書いてから、Claude Codeのエージェントに読者目線でレビューさせた。そこで指摘されたことが刺さった。
「これは私が今読みたかった本だ」という感情的なピークの直後に、CTAが来ていなかった。
修正前の構成はこうだった。
「これは私が今読みたかった本だと思いました」
↓
[説明セクション「完成した本について」]
↓
はじめてCTAが登場
感情が上がった直後に説明が割り込んで、温度を下げていた。
修正後の構成はこう変えた。
「これは私が今読みたかった本だと思いました」
↓
[序章・第1部を無料で読む →](ここにCTA追加)
↓
[説明セクション「完成した本について」]
感情が最も動いている瞬間を逃さない。これがCTA設計の本質だと理解した。「後でまた誘導すればいい」という設計は、読者の気持ちが冷めてから届く告知になる。
翌日:初売れ
4月28日、ローンチ翌日に1部売れた。
1部というのは小さな数字だ。でも、これが起きたのは「告知だけ」の状態を脱して、舞台裏記事とCTA改善を実施した翌日だった。因果の証明はできないが、何もしなければこのタイミングはなかったと思っている。
コンテンツ販売は初速が出なくても死ぬわけではない。一方で、初日に「なぜ売れていないのか」を分析して動けるかどうかは、長期的な結果に影響する。
まとめ:3段ファネルの整理
Zenn Book ローンチ初日の観察から得た設計フレームをまとめておく。
| ステージ | コンテンツ | 目的 |
|---|---|---|
| 認知 | SNS告知・告知記事 | 存在を知らせる |
| 動機形成 | 舞台裏記事・プロセス記事 | 「なぜ買うか」を語る |
| 購買 | Zenn Book 本体 | 購入・読書 |
告知だけでは「認知」までしか届かない。動機形成の記事を用意して、CTAを感情が動いた直後に置く。この3段ファネルを意識するかどうかが、初日0件で終わるかどうかの分岐だった。
同じように「告知したのに売れない」と感じている人の参考になれば。
なお、ここで触れた本はこちらです。序章・第1部は無料で読めます。
コードを書かずに始められる——非エンジニアの副業・個人開発の入口としても読める内容を目指しました。AIエージェントチームの設計・運用を具体的にまとめています。SE歴26年の経験から書きました。
この記事を書きながら参照した関連書籍を2冊紹介しておきます。
Claude Codeを使ったAI活用の全体像を体系的に学ぶなら:
生成AIを使って自分のコンテンツを形にしたい方には、Kindle出版の実践書も参考になります:
生成AI執筆ではじめてのKindle出版(嵐山 美月)
この記事は はてなブログ からのクロスポストです。